BLACKPINK・ジェニーが、またもや中指を突き立てた。
アメリカ最大級の音楽フェス「コーチェラ」を楽しむオフショットの中に、中指を立てた写真が含まれており、賛否を呼んでいる。
海外フェスらしい自由な表現の一部だと受け止める声がある一方で、グローバルアーティストとしては不適切ではないかという批判も少なくない。
しかもジェニーは今年3月にも、アンバサダーを務める高級ブランドのイベント写真で同様のジェスチャーを載せ、一度物議を醸していた。今回の議論が過熱する雰囲気なのは、その“再発感”も無関係ではないだろう。
中指を立てたスターたち
ただ、K-POPスターの“中指ポーズ”が問題になったのは、何もジェニーだけの話ではない。

近年だけを見ても、JUNG KOOK、ヒョナ、G-DRAGONまで、この仕草をめぐって大きな話題の中心に立ってきた。興味深いのは、同じ“中指”でも、毎回まったく同じ理由で燃えているわけではないことだ。
K-POPスターにとって中指が危ういのは、ジェスチャーそのものが攻撃的だからというだけではなく、その時々の文脈と結びつくことで、意味が何倍にも膨らんでしまうからだろう。
その典型が、BTSのJUNG KOOKだ。
今年2月、JUNG KOOKは深夜の飲酒ライブ配信で、本音をかなり率直に吐き出した。過去に喫煙していたことや、会社が大騒ぎになるから本当は言えないことが多いと明かし、所属事務所への不満とも取れる発言まで飛び出した。
その配信の最中、知人に向けて中指を立てる場面や俗語を口にする場面があり、ファンがこれを止めようとし、配信終了を勧めると、「あれこれ指図しないで」と応じて、議論が広がった。

JUNG KOOK本人は4月の配信で「これまであのような姿を見せていなかったので、不快感があったのではないかと思う。不快な思いをさせたARMY(BTSファン)たちには申し訳ないと伝えたい。自制する」と謝罪を口にした一方、行動そのものを大きな過ちとは考えていないと語っている。
歌手ヒョナのケースも、単なるポーズ以上に“タイミング”が火種になった。
彼女が中指を立てた写真を公開したのは昨年10月、所属事務所が妊娠説を否定した直後だった。シンガポール公演の舞台裏写真として投稿されたもので、本人にとっては気楽なおどけたカットの一つだったのかもしれない。
だが、大衆はそうは見なかった。妊娠説という敏感な話題を整理した翌日に、両手で中指を立てた写真を公に出したことに対し、「大衆の前に立つ歌手として成熟した態度が必要だ」「子どものファンも見るアカウントだ」といった批判が噴き出した。一方で、「ヒョナらしい率直さにすぎない」という擁護もあった。

つまりここでも、問題は中指そのものより、“その直前に何があったのか”だったといえる。
少し性質が異なる例としては、G-DRAGONがいる。
彼の場合は、本人が中指を立てたのではなく、実姉と一緒に運営するファッションブランド「PEACEMINUSONE」のプロフィール写真を、中指を立てた手の白黒写真にしたことで話題化した。
しかもその時期は、ジェニーとの破局説に加え、ジェニーとBTS・Vの熱愛説まで広がっていたタイミングだった。だからこそ、その写真は単なるビジュアルではなく、“複雑な心境の表れなのではないか”と当時は読まれた。中指が攻撃的で侮辱的なサインを連想させるからこそ、熱愛説というゴシップの文脈の中で一気に意味が付与されたわけだ。

ここでは、ジェスチャー自体よりも、それを見た側が何を読み込んだかが議論になっていた。
こうして並べてみると、K-POPでこのジェスチャーが繰り返し危険視される理由ははっきりしている。すでにK-POPスターは、音楽だけを届ける存在ではない。ファンとの距離が近く、ブランドの顔であり、子どもや若年層まで含めた巨大な消費者層を抱える存在だ。
「アーティストの自由な自己表現」として済ませるには、影響力があまりにも大きすぎるのだ。
そのため結局のところ、この仕草が単なる反抗やノリでは終わらない。どんな場面で、どんなタイミングで、どんな人物が見せたのか。そこにファンダム、ブランド価値、過去の論争、そしてスターに求められる模範性までが一気に重なってしまう。
同じ仕草でも、その前後の文脈によって意味が何倍にも膨らんでしまう。ジェニーの今回の写真も、その危うさを改めて示したといえそうだ。


