共感できる人物がいない。
韓国MBCで放送中のドラマ『21世紀の大君夫人』が、2週目で視聴率二桁(第4話11.1%)を突破し、急上昇している。
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IUとビョン・ウソクという大物トップスターに、MBCお得意の「立憲君主制」設定を重ねたのだから、ヒットは予想されたものでもある。
上半期最高の期待作という名にふさわしい成績表だ。
しかし、数字とは別に視聴者の評価は分かれている。色鮮やかなビジュアルの饗宴にもかかわらず、感情面での没入度が低いからだ。華やかな外見の裏にある「共感の欠如」が、『21世紀の大君夫人』の致命的な弱点として浮かび上がっている。
華やかな外見の裏にある「共感の欠如」

「立憲君主制」ドラマの教科書と呼ばれる『宮~Love in Palace』(2006、MBC)の成功要因は明確だった。
平凡な女子高生シン・チェギョン(ユン・ウネ)が皇太子イ・シン(チュ・ジフン)と政略結婚し、王室に入るまでの道のりが、大衆に強い満足感を与えた。視聴者はシン・チェギョンと同じ目線で宮廷の厳しい敷居を一緒に越え、その過程で起こる衝突や理解、そして皇太子との恋に深く共感した。

一方で、『21世紀の大君夫人』のソン・ヒジュ(IU)は、出発点から視聴者とかけ離れている。莫大な富を持つ財閥であるうえ、傲慢な性格という設定が感情移入のハードルを高くしている。
主人公の感情に視聴者が寄り添えることはドラマの「基本」だが、あふれるほど持ちながら不足を嘆く人々の葛藤は、結局は“ぜいたくな悩み”にしか聞こえない。華やかな背景は視覚的なおもしろさを与えることはできても、主人公の苦悩に深く共感させる要因にはなっていないわけだ。
ビョン・ウソクとIUが作り出すロマンスもまた、温もりより冷たさが漂う。
ビョン・ウソクは前作『ソンジェ背負って走れ』(2024、tvN)で、平凡だが愛らしいイム・ソル(キム・ヘユン)に向けた献身的な純愛でシンドロームを巻き起こした。誰もが一度は夢見たことのあるロマンスの典型が、ビョン・ウソクの優しいまなざしを通じて完成された結果だった。

しかし今回の作品でイアン大君を演じるビョン・ウソクが向き合う相手は、欠乏が感じられない冷たいソン・ヒジュだ。2人の組み合わせは広告のビジュアルを思わせるほど美しいが、肝心のロマンスの本質である切実さやいとしさは薄い。互いに向ける運命的な引力には説得力が乏しく、それぞれのプライドや背景ばかりが前に出る。
画面の外にまで恋の温度が伝わってこない理由だ。
結局のところ、問題は「共感」にある。ドラマの中の「立憲君主制」という設定は、現実の息苦しさを忘れさせてくれるファンタジーの道具だ。そのファンタジーが生命力を持つためには、人物たちの感情線だけは現実的で人間的でなければならない。

今の『21世紀の大君夫人』は、財閥と王室という最上位階級の華やかさを見せつけることに偏り、大衆との接点を自ら断ってしまっている。
ただし、物語の半分以上がまだ残っている点は、持ち直す機会でもある。今後の展開でソン・ヒジュとイアン大君の内面の深さが描かれ、視聴者に共感の扉を開くことができるのか、見守る必要がある。


