少女時代を脱退したジェシカが、少女時代の曲を歌って賛否を呼んでいる。
ジェシカは最近、ベトナムで開かれた単独コンサートで、『Gee』『Genie』『I Got A Boy』『The Boys』『Mr.Mr』など少女時代のヒット曲をメドレーで披露した。
さらにデビュー曲『Into the New World』をバラードバージョンで歌い、途中で涙まで見せた。
この場面をめぐっては、「懐かしくて胸が熱くなった」という反応がある一方で、「なぜ脱退後のバラード版を歌って泣くのか」と反発する声も出ている。
この反応の割れ方は興味深い。なぜなら、元メンバーがかつて所属していたグループの曲を歌うこと自体は、それほど珍しいことではないからだ。

それでも、あるケースでは感動として受け止められ、別のケースでは“過去の看板にすがっている”と批判される。
つまり問われているのは、「元メンバーが古巣の曲を歌うのはありなのか」という単純な是非ではなく、同じ行為でも、なぜここまで受け止められ方が変わるのか、という点だ。
批判か称賛か、分かれる意見
ジェシカのケースが複雑なのは、少女時代との関係が今なおきれいに整理されたものとして見られていないからだろう。
彼女は2014年に少女時代を離れた後も、その経緯をめぐって長く議論の対象になってきた。2022年には自身が出版した小説『Bright』で、9人組ガールズグループのメンバーがファッション事業をめぐる対立の末に追い出されるような内容を盛り込み、「少女時代を連想させる」との声も上がった。
そういった背景を踏まえると、ジェシカの場合、グループ曲を歌う行為が単なる“思い出”ではなく、どうしても“まだ続いている関係の話”として映ってしまう。

だからデビュー曲『Into the New World』を歌っても、懐かしさとして受け取る人がいる一方で、「今さら少女時代の感情を使うのか」と引っかかる人も出てくるのだ。
脱退したグループの曲を歌い、さらに否定的に受け止められるケースもある。
代表的なのが、BIGBANGを脱退したV.I(スンリ)だろう。
彼は脱退後の2024年、海外の場でBIGBANGのヒット曲『BANG BANG BANG』を歌い、「BIGBANG!BIGBANG!」というコールを受ける場面が拡散され、話題になった。
だが、これについては多くの批判が集まり、「自分が離れたグループのブランド力をまだ使っている」といった声が上がった。

しかもV.Iの場合は、バーニングサン事件をはじめとする一連のスキャンダルで不名誉にグループを去っており、その後も各種パーティーや海外イベントで元グループの看板を背負うような振る舞いが繰り返し批判されてきた。
同じ“元メンバーが過去のグループの曲を歌う”でも、ここまで来ると、思い出の共有というより過去の名声への依存として映ってしまう。
逆に、比較的前向きに受け止められる例もある。ジェジュンとジュンスが、東方神起時代の日本でのヒット曲を披露したケースは、その代表だ。
2人は2024年11月、デビュー20周年記念コンサートで『Stand by U』『明日は来るから』『どうして君を好きになってしまったんだろう?』『Begin』『PROUD』などを歌い、当時の感情を呼び起こした。
その場でジェジュンとジュンスは、これまで一緒に歌えなかった曲を今ようやく歌っていること、自分たちにとって痛くもあり光栄でもある時間だったことまで率直に語っている。


ここでは、東方神起時代の曲が“まだ利用できるブランド”として扱われているのではなく、“自分たちの人生から切り離せない時間”として扱われている。だからこそ、ファンもそこに未練や便乗より、時間を経てようやく回収された感情を見るのだろう。
こうして並べると、元メンバーが古巣の曲を歌うこと自体が問題なのではないことがわかる。
同じ行為でも、ジェシカのように賛否が割れる場合もあれば、V.Iのようにかなり否定的に見られる場合もあり、ジェジュンとジュンスのように感動として受け入れられる場合もある。
その差を分けているのは、おそらく脱退そのものではない。どんな別れ方をしたのか、その後にそのグループやメンバーにどう触れてきたのか、そして今回その曲を歌うことが“思い出の共有”に見えるのか、“過去の名声への依存”に見えるのかなど、その曲を歌う人の文脈なのだ。
だから、ジェシカが少女時代の曲を歌ったことも、単純に「あり」「なし」では片づけられない。一部のファンにとっては、彼女もまた少女時代のメンバーだった時間を生きた人物であり、その曲を歌う資格があると感じられる。だが別のファンにとっては、脱退後の経緯まで含めて考えたとき、それはまだ無邪気に懐かしめる歌ではないのだ。
元メンバーが脱退したグループの曲を歌うとき、見られているのは何か。ジェシカをめぐる今回の賛否は、そのことをあらためて浮かび上がらせている。
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