たった一度の過ちだった。
しかし、その代償はあまりにも大きく、選手人生が根底からひっくり返ってしまった。
韓国Vリーグ女子部のGSカルテックスは、FA交渉の最終日である4月21日を過ぎても、セッターのアン・ヘジン(28)との契約を締結しなかった。他球団も彼女への関心を取り下げたため、彼女は「無所属」という最悪の状態に陥った。
事の発端は4月16日。アン・ヘジンは同日午前、飲酒運転の疑いで警察に立件され、取り調べを受けた。翌17日、GSカルテックスは彼女の飲酒運転を認めて謝罪。アン・ヘジン本人も自身のSNSに直筆の謝罪文を投稿し、反省の意を示していた。
しかし、謝罪だけで済まされる問題ではない。この一つの過ちが、彼女のバレーボール人生を180度変えてしまった。

アン・ヘジンは本来、今オフのFA市場における最大の目玉の一人だった。25-26シーズン、巧みなトスワークでGSカルテックスを優勝に導いた彼女の評価は、かつてないほど高まっていたからだ。
他チームのセッター補強の動向次第では、韓国女子バレー界の最高年俸さえ狙える好条件の契約が確実視されていた。現代建設やIBK企業銀行などが獲得を狙い、古巣のGSカルテックスも引き止めに積極的だった。しかし、一瞬の判断ミスによって、彼女は大型契約どころか、コート上での居場所さえも失ってしまったのである。
東京五輪経てスターになるも…
飲酒運転は、どのクラブにとっても許容できないリスクだ。唯一の希望であったGSカルテックスでさえも、最終的には彼女の手を離した。事故から間もないタイミングでの契約締結は、内部の規律面でも世論の反応を見ても、不可能であると判断されたようだ。
そんなアン・ヘジンを待つのは、27日に開催される韓国バレーボール連盟(KOVO)の賞罰委員会による決定だ。これまでVリーグにおいて、飲酒運転の一件のみで賞罰委員会にかけられた前例はない。アン・ヘジンが初の事例となるだけに、どの程度の処分が下されるかに注目が集まっている。
連盟の規定によれば、最高で「除名」の処分まで可能だが、現実的には「特定の試合数、あるいはラウンド単位の出場停止」になるという見方が強い。たとえ将来的に他チームとの契約に漕ぎ着けたとしても、この懲戒を消化しない限り、Vリーグへの復帰は叶わない。

28歳といえば、アスリートとして脂が乗り、まさに円熟期を迎える年齢だ。5年前の東京五輪では若手として出場し、その後の成長でスターへの階段を駆け上がった彼女だったが、その名声は一転して地に落ちてしまった。
栄光の絶頂から奈落の底へ。アン・ヘジンの選手生命は、今まさに風前の灯火となっている。


