実兄とは無関係だと強調する一方で、実姉はどんどん芸能界へ入ってきている。
BLACKPINK・ジスをめぐる今の違和感は、実兄の疑惑そのものだけではない。
兄との関係には強く線を引く一方で、姉は“ジスの実姉”という看板を前面に出して、着実に芸能界における存在感を増やしている。
そのアンバランスさが、かえって“家族ブランド”をめぐるねじれを際立たせている。
兄は切り捨て、姉は応援?
ジスの実姉、キム・ジユンのテレビ出演が決まった。
4月22日、韓国tvNはファッションサバイバル番組『キルイット:スタイルクリエイター大戦争』(原題)のティザー映像を公開した。この番組は、ファッション界で最もアイコニックな人物を探すサバイバル形式のバラエティで、5月12日に初放送を控えている。
その出演者の一人として名を連ねたのが、インフルエンサーとして活動するキム・ジユンだった。

キム・ジユンは以前から“ジスの実姉”として知られ、清楚な美貌で注目を集めてきた人物でもある。大韓航空の元客室乗務員であり、SKテレコムでの勤務経験もあると紹介され、現在は55万人のフォロワーを持つインフルエンサーとして活動している。
単に「妹が有名だから」だけでは説明できない、個人の経歴や発信力を持っていることもたしかだろう。
ただ、ここでどうしても引っかかるのはタイミングだ。
いまジスの周辺では、実兄をめぐる私生活論争が大きく広がっている。韓国では、“有名女性アイドルグループメンバーの実兄”が女性配信者に対する強制わいせつ疑惑で取り調べを受けたという報道をきっかけに、その人物がジスの兄ではないかという見方が急速に拡散した。
さらに、その男性の妻が、夫からの家庭内暴力を主張したことで、問題は単なる一件の疑惑を超えて膨らんでいる。
これに対してジス側は、法的代理人を通じて明確に線を引いた。

「現在提起されている事案は、ジスおよび所属事務所BLISSOOとはまったく無関係である」とし、幼い頃から練習生生活を始めて長く家族と離れて暮らしてきたこと、家族が会社から報酬を受けたり意思決定に参加したりした事実はないこと、今後も実兄への金銭的・法的支援の予定はないことまで強調したのだ。
ここまでは、かなり徹底した“切り離し”といえる。だが、その説明が強ければ強いほど、逆に別の家族の存在が目につくようになる。
なぜなら、実姉キム・ジユンはすでに何度も“ジスの姉”という肩書とともに世間に紹介されてきたからだ。昨年の販売サバイバル番組でも、彼女は「ジスの実姉であることが負担ではないか」と問われ、「ない。だって本当だから」と答えていた。つまり本人も、その認知を否定することなく受け入れてきたわけだ。
もちろん、それ自体は何も違法でも不誠実でもない。有名人の家族が注目されるのは珍しいことではないし、本人がテレビやインフルエンサー活動に進出することも自由だ。
それでも、都合の悪い兄については“完全に無関係”と距離を置き、一方で姉は“ジスの姉”という認知とともに表舞台に出てくる。この構図が並んでしまうと、どうしても「家族とは本当に無関係なのか」という違和感が残るのだ。

しかも、その違和感を強めているのは、実兄をめぐる一連の“痕跡”にある。
ジス側はBLISSOOが家族とは無関係に独立して運営されてきたと説明しているが、Netflixシリーズ『マンスリー彼氏』では一時、実兄の名前がBLISSOO代表としてクレジットに記載されていたことが明らかになった。制作会社側はこれをミスだったとして修正したが、一度でもそうした表記が存在したという事実は、「本当にどこまでが無関係なのか」という疑問を呼びやすい。
ジス側が打ち出す“家族切り離し”のメッセージと、実際に世間が見てきた“家族の可視性”とのあいだに、明らかなズレがあることが問題なのだ。そのズレの中で、実姉の芸能活動は、ますます象徴的に見えてくる。
兄の件では「家族とは無関係」と切り離し、姉の件では「ジスの姉」という認知が話題性を支える。そこには一貫性よりも、家族というものがスーパースターの周囲で都合よく切り取られているような印象さえ漂う。
そのねじれた家族ブランドは今後、ジス本人のイメージにも影を落としていくかもしれない。
◇ジス プロフィール
1995年1月3日生まれ。本名キム・ジス。グループ内ではリードボーカルを務め、ライブでも安定した歌唱力を披露する。2016年8月8日にBLACKPINKとしてデビューする前には、スーツケースブランドやスマートフォンのCMに出演していた。オリエンタルで優雅な美貌が印象的だが、実は明るい性格でメンバー全員が認めるギャグセンスの持ち主。2024年2月21日、個人事務所BLISSOO設立を発表した。
■強制わいせつ疑惑 なぜBLACKPINK・ジスの“実兄説”が広がったのか


