「ここは韓国か?」
先週末の東京は、そんな声が出るほどK-POP一色に染まった。
4月25日から26日にかけて、日産スタジアムの東方神起、国立競技場のTWICE、東京ドームのaespaなど、人気グループが東京圏の大型会場で相次いで公演を開催した。
韓国メディアによると、わずか週末だけで動員された観客は単純計算で約40万人に達したという。
だが、韓国メディアが注目しているのは、単なる「大動員」の事実だけではない。今回の“東京K-POP週末”を、日本でのK-POPが一過性の流行ではなく、世代を超えて根を下ろした巨大市場であることの証拠として捉えているのだ。
「前代未聞の“スーパーウィークエンド”」
とりわけ総合的な分析が目立ったのは、通信社の『NEWSIS』だった。

同メディアは、東方神起、TWICE、aespaが2日間で日本の3大級会場を埋めたこの週末を「前代未聞の“スーパーウィークエンド”」と呼び、約25年にわたって積み上げられてきたK-POPの時間が、日本という空間で「世代を超えた巨大な風景」として現れたと表現した。
さらに評論家のチャ・ウジン氏の言葉を借りて、「日本のK-POPはひとつの世代が次の世代に交代する市場ではなく、すべての世代が現在型のIPとして同時作動する市場」と分析している。
つまり日本におけるK-POPは、古い世代が消えて新しい世代に置き換わる市場ではなく、第2世代、第3世代、第4世代が同時に“現役IP”として機能する市場だ、というわけだ。これはかなり示唆的な見方だろう。
さらに『NEWSIS』は、今回の週末を支えた日本市場の構造にも触れている。
同メディアは、日本のコンサートプロモーターズ協会の資料を引きながら、2024年のライブ市場が総動員約5940万人、売上6122億円で過去最大を記録したと紹介した。そのうち海外アーティスト公演の動員(926万9000人)の62.4%(578万6000人)を韓国アーティストが占めたという。

こうした数字を踏まえ、『NEWSIS』は今回の東京の熱狂を単なる偶然の集中開催とは見ていない。4月の新学期とゴールデンウィーク前が重なって観覧需要が高まる時期であり、なおかつ世界2位の音楽市場と安定した会場インフラを持つ日本だからこそ、大型K-POP公演が集中しやすいと分析しているのだ。
一方、『聯合ニュース』は、今回の40万人動員の週末をより長い時間軸で捉えていた。
同メディアは「韓流25年、いまだに熱い」という見出しで、2001年にBoAが日本進出してから25年経ってもなお、日本はK-POPにとって重要市場であり続けていると強調した。
特に印象的なのは、SMエンターテインメント・ジャパン代表の言葉を引きながら、日本には「流行のサイクルが早い韓国と違い、母親に続いて娘もファンになるなど、世代を受け継いで好きになる文化」があると指摘している点だ。
母が好きになり、娘もまたファンになる。韓国メディアは、この“世代継承型”のファンダムこそが、日本市場の底力だと見ている。
さらに『聯合ニュース』は、日本市場の変化も冷静に見ている。音盤輸出額(CDなど)は減少傾向にある一方で、ストリーミングやコンサート、グッズなどの需要は依然として強く、日本は今なおK-POPにとって欠かせない市場だと整理した。
実際、同記事では「日本の大衆音楽界において、K-POPの需要は増えこそすれ、減少することはない」という、日本のレーベル関係者の声まで紹介されている。韓国メディアが見ているのは、“数字が落ちたかどうか”ではなく、K-POPが日本のポップ市場の中でどれほど深く定着しているか、という点なのだろう。

より現場の熱気を強く伝えていたのが、『朝鮮日報』だ。
同紙は「日本の3大コンサート会場で同時に鳴り響いたK-POP、ここはいま韓国?」と見出しを打ち、東京国立競技場、日産スタジアム、東京ドームが同じ週末にK-POPで埋まった光景を、「10代の少女から60代まで多様な年齢層のK-POPファンが座席を埋めた。韓国歌手と日本歌手を区別しないK-POPが、日常になった現場だった」と紹介した。
さらに、専門家の言葉を借りて「第4次韓流が完全に定着した」と評している。
『朝鮮日報』が興味深いのは、そこからさらに一歩進めて「脱韓流」という感覚まで持ち出しているところだ。
記事内では、TWICEファンの日本人(22)が「韓国に対してもともと良い印象を持っていたし、文化にも慣れていたので、ファンになったから何かが大きく変わったわけではない」と語る様子を紹介している。これはつまり、もはやK-POPや韓国カルチャーがごく自然な生活の一部として受け入れられているということだ。

韓国メディアが今回の週末を単なる“日本での成功”ではなく、“日本の日常に組み込まれた韓流”として見ているのがよくわかる。
そして、最も情景描写が鮮やかだったのが、『文化日報』だった。
同紙は「K-POPで染まった東京の夜」と表現し、東方神起の“赤い海”とaespaの“オーロラ”を並べながら、東京の夜景そのものがK-POPによって塗り替えられたかのような週末だったと伝えた。
東方神起の赤いペンライトが揺れる日産スタジアムと、aespaのオーロラカラーのレーザーが走る東京ドーム。韓国メディアは今回の週末を、単なる観客動員ではなく、東京という都市の景観そのものを変えた現象として描いているのである。
しかも『文化日報』は、東方神起をK-POPの“昨日と今日”、aespaを“今日と明日”の象徴のように描いている。
23年目の東方神起が日本語楽曲だけで3時間半を埋める一方で、6年目のaespaは韓国でのヒット曲を日本ファンが韓国語のまま合唱する。ここには、K-POPが日本で長く積み上げてきたローカライズの歴史と、もはや韓国語のままでも受け入れられる現在地が同時に映っている。
こうして並べてみると、韓国メディアは今回の東京週末を、単なる“人気グループの同時公演”とは見ていない。
『NEWSIS』は「世代が同時に動くIP市場」と見て、『聯合ニュース』は「25年続く強い中核市場」と位置づけ、『朝鮮日報』は驚くほどの定着と「脱韓流」に近い日常化を読み取り、『文化日報』は「K-POPに染まった東京の夜」として都市の風景レベルで可視化された現象として描いた。

つまり、韓国でも今回の東京公演ラッシュは、かなり大きな意味を持つ出来事として受け止められている。
ただ観客が多かったからではない。第2世代の東方神起、第3世代のTWICE、第4世代のaespaが、それぞれ日本を代表する会場で同時に観客を集めたことで、K-POPが日本で「一過性のブーム」ではなく、「世代をまたぎ、都市を染め、市場としても文化としても定着した存在」であることが、あまりにもわかりやすい形で示されたからだ。
東京に40万人。その数字の大きさ以上に、韓国メディアが注目していたのは、その週末がK-POPの現在地をあまりにも象徴的に映し出していたという事実なのかもしれない。
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