「この小さな光が集まって、“レッドオーシャン”を作っています。ここにいる皆さん全員が、東方神起です」
日本の公演の聖地、横浜・日産スタジアムが巨大な赤い海へと変わった。7万人の観客が一糸乱れぬ動きで振る赤いペンライトは、まさに壮観だった。その中心には、活動24年目のアーティスト、東方神起が立っていた。
去る4月25日、東方神起は日産スタジアムにて「東方神起 20th Anniversary LIVE IN NISSAN STADIUM~RED OCEAN~」を開催した。同公演は、2日間で延べ13万人の観客を動員し、東方神起の日本デビュー20周年を華やかに飾った。
重圧を勢いに変えた2人「願えば叶う」
登場から大きな存在感を放っていた。実に6万5000人を収容するスタジアムを、たった2人で満たさなければならないという重圧が、20年目のベテランの顔にも緊張としてよぎった。
だが、空気は一瞬にして変わった。スタジアムを埋め尽くした大歓声は、やがて東方神起ならではの勢いに圧倒された。『Small Talk』で始まり『Special One』に繋がる最初のパートで、2人はすでに数万人の観客の心を完全につかんでいた。
200メートル近いステージの隅々まで駆け回り、ファンと目を合わせる彼らからは、広大なスタジアムを自分のものにする老練さが滲み出ていた。

本来、静かに観覧する傾向にある日本のファンだが、この日ばかりは3時間を超える間、休みなくペンライトを振り続け、切実な眼差しを送った。ユンホとチャンミンは、その熱い思いを全身で受け止めたかのように、溢れんばかりの感動を伝え続けた。
チャンミンは、「もう1度日産スタジアムに立ちたいと思っていたけれど、本当に夢のようだ」と話し、ユンホは「昨年のアルバムジャケットに日産公演を願う気持ちを込めたが、その夢が現実となった。願えば叶う」と叫び、熱狂的な歓声を呼び起こした。
20年の物語を込めたセットリスト
今回の公演のセットリストは、ヒット曲だけでなく、東方神起の過去、現在、そして未来を1つの物語として編んだ“年代記のような設計”が際立っていた。
公演の根幹は、パフォーマンスのアイデンティティを象徴する『Rising Sun』が担った。「Now I’m the rising sun」という歌詞のように、20年前も今も変わらぬ力強さでステージを支配する姿は、東方神起の本質が妥協のないパフォーマンスにあることを証明した。
さらに、『どうして君を好きになってしまったんだろう?』『明日は来るから』など、日本で愛されているバラードは、成熟したボーカルの力を示した。刺激的なサウンドに頼らず、ただ2人の歌声だけで皆を息呑ませる力は、日本のファンと20年をともにしてきた絆の深さを物語っていた。

未来への約束も忘れなかった。公演のメッセージの中心には、2026年の新曲『IDENTITY』があった。ユンホは、「人生の半分以上を皆さんとともにしてきた。歌詞を噛み締めてほしい。皆さんこそが僕たちのアイデンティティだ」と紹介した。
「これが僕のアイデンティティ」と叫び、2006年の『Choosey Lover』の軽快さから『IDENTITY』の洗練された重量感へと続く流れは、ファンにともに年を重ねていく成長の喜びを届けた。
老若男女問わず熱狂する東方神起
会場には、さまざまな年代の人が見えた。幼い娘とともに訪れた母親、20歳を過ぎた息子と来た両親、さらに義理の息子とともに訪れた義母まで。50代はもちろん、白髪の高齢層までもが、赤いペンライトを手にスタジアムを埋め尽くした。
これは東方神起が単なるアイドルを超え、日本で1つの“韓国代表グループ”として定着したことを示す場面だ。

現場で出会ったファンの声には、長い年月をかけて育んできた愛情がたっぷりと込められていた。
名古屋から来たエミさん(50)は、「2011年から東方神起が好き。日本のアイドルとは次元が違う努力と、新しいエネルギーをくれるパフォーマンスに魅了された」と語り、「死ぬまで好きでい続けると思う」と愛情を表した。
20年前からのファンだというハルカさん(39)は、「9歳の娘、サラがお腹にいたときも東方神起を聴いていた」と、娘と共に“レッドオーシャン”の一員になった感動を伝えた。彼女は、娘の隣で「私とも結婚して」というプロポーズを口にし、愉快な笑いを誘った。
「全力疾走が見たかった」日産スタジアム公演の喜び
公演のハイライトは、間違いなく『Somebody To Love』のステージだった。8年ぶりに再び立った日産スタジアムのトラックを、2人のメンバーが全速力で駆け抜けた。200メートルを全力疾走しながらも、歌唱は乱れることがなかった。2人が爆発するアドレナリンで完成させたステージは、観客に言葉にできないほどのカタルシスを味わわせた。
その熱気はすぐさま客席へと伝播した。静かに歌を聴いていた日本のファンたちの動きが次第に大きくなり、ユンホとチャンミンの情熱がファンの心に届いた。ステージの終盤、赤い波はいつの間にか激しい荒波となり、日産スタジアムを丸ごと飲み込んだ。

夫婦でファンだというハヅキさん(30)は、「メンバーたちが全力を尽くして走り回る姿をどうしても見たかった」として、「20周年を迎え、このような大きな場所で再会できたことは、ファンにとって希望の結晶であり、人生の糧だ」と感極まった様子で語った。
20年間ずっと、東方神起は変わらずその場所に伝説としてそびえ立っていた。約7万人という圧倒的な数字を前にしても、“1万時間の法則”を忠実に守り抜いた彼らは、完璧な余裕と話術で、壮大なお祭りを作り上げた。日産スタジアムを飲み込んだ赤い波は、彼らがなぜ今もなおトップクラスであり続けるのかを示す、完璧な証拠であった。


