BTSのVが、再び“俳優キム・テヒョン”への期待を高める一言を残した。
最近公開された米音楽誌『ローリング・ストーン』のインタビューだ。
Vは今後の音楽と演技について語っており、演技も音楽も「心構えは同じ」だと説明した。「演技では、現実では体験できないようなさまざまな役を演じる。音楽も同じように、一つのジャンルだけにこだわりたくはない」と述べた。
そして、「いつか機会があれば、演技でもやってみたかった役を一つひとつすべて挑戦してみたい」と話したのだ。
もちろん、俳優復帰を発表したわけではないが、V本人が演技への意欲を改めて口にしたことは、長く“俳優キム・テヒョン”を待ってきたファンにとって十分に大きなニュースだった。
BTS・V、俳優としての可能性は?

Vの演技を待つ声は、これまでも繰り返し上がってきた。むしろ近年は、広告やミュージックビデオの中で、彼が見せる演技がたびたび話題になってきた。
その直近の例が、Vがモデルを務めるコーヒーブランドの広告キャンペーンだ。
COMPOSE COFFEEは4月、Vをモデルに起用した新広告キャンペーン映像「その夜、僕たちのデカフェ」を公開した。同社によると、本編映像は公開5日で累計再生回数6100万回を突破したという。
この広告が注目された理由は、単にVが出演したからだけではないだろう。映像はデカフェコーヒーの特徴を前面に押し出すのではなく、高校時代の初恋を思わせる青春の記憶を短編映画のような形式で描いた。
アナログな撮影技法、夜の空気、再会の余韻、そしてVの持つ独特の雰囲気が重なり、ブランド広告でありながら一本の短編映画のように受け止められた。

広告公開後、オンラインコミュニティやSNSでは、ストーリーの完成度やVの演技に対する好評が広がった。ブランドメッセージを直接説明するのではなく、物語の中に自然に溶け込ませた点が没入感を高めたという評価も出ている。
映像は、Vがカフェでデカフェコーヒーを注文し、偶然初恋の相手と再会するところから始まる。映像は2019年3月の高校時代へと戻り、制服姿のVが、体育館で初恋の髪についたタンポポの綿毛をそっと取ってあげたり、友人たちとバスケットボールをしたり、教室で会話を交わしたりする場面が描かれる。
そこで印象を残したのが、Vのナレーションと表情だった。韓国メディア『Newsen』は、「Vが魅力的な中低音で『僕たちはその理由を知ることができず、ただそうして互いにぼんやりと消えていった』とナレーションし、没入度の高い演技で長い余韻を残した」と評している。
あくまで広告でありながら、青春映画の一場面のように語られる。そこに、Vが“俳優”として待たれる理由の一端がある。
さらに、現場関係者の反応も興味深い。
Vが出演したCOMPOSE COFFEEの別キャンペーンを手がけたCF監督ユ・グァンゴンは2025年8月、撮影現場でのVの姿について、自身のSNSに「これが全部即興だった」と投稿した。

数多くのミュージックビデオや広告で監督を務めてきた彼が、Vの演技力の高さや撮影に積極的に参加する姿に感嘆したわけだ。
広告映像の現場で、演出する側がVの即興性や表現力に反応している。これは、Vの俳優待望論に説得力を与える要素の一つだ。
近年の映像演技でいえば、IUの『Love wins all』ミュージックビデオも外せない。
IUとVが共演した同MVは、公開当時、世界中の音楽ファンの注目を集めた。撮影ビハインドでIUは、Vのキャスティングについて、「監督と話して、少年らしさがありながら、変身したときには頼もしく見える人物を探していた」と説明。その条件を満たす存在としてVを思い浮かべ、「唯一無二のキャスティング」と表現した。

このMVでは、Vが見せた表情の幅も話題になった。守ってあげたくなるような少年美から、片目が見えない状態でIUを守るために必死に戦う男性的な姿まで、幅広い演技の幅を見せたと評されている。
韓国メディア『Xスポーツニュース』は、「今回のIUのミュージックビデオのキャスティングが公開された後、一部ではVの演技力に対する懸念の反応が提起されたのも事実だが、彼に向けられた懸念混じりの視線を払拭し、俳優としての可能性まで立証したVの活躍に、連日好評が降り注いでいる」と報じた。
ここでも重要なのは、Vの演技評価が単なるファンの熱量だけで成り立っているわけではないという点だ。IU本人のキャスティングへの満足、MV内での役柄の振れ幅、公開後の反応。こうした要素が重なり、ドラマ出演がなくても“俳優キム・テヒョン”への期待を更新してきた。
では、なぜこれほどまでにVの演技は待たれ続けているのか。
その原点として語られるのが、2016年に放送されたKBSドラマ『花郎<ファラン>』だ。パク・ソジュンらと共演した同作でVは、“末っ子”花郎ハンソン役を演じた。俳優キム・テヒョンとしての本格的なドラマ出演は多くないが、『花郎』で見せた存在感は今も語られている。

当時のVは、BTSの活動とドラマ撮影を並行していた。多忙なスケジュールのなかでの出演だったが、末っ子花郎という役柄を通じて、明るさ、純粋さ、切なさを併せ持つキャラクターを残した。
『スターニュース』は、「Vは正式に演技を学んだ経験がなかったにもかかわらず、末っ子花郎のハンソン役をこなし、“演技ドル”の誕生を知らせた。『花郎』の監督、制作陣、スタッフは、Vの生まれ持った感覚と独特の個性を絶賛し、『エネルギーがとても良い、愛らしい人なので、みんながVに恋に落ちた』と特別な愛情を示した」と伝えている。
Vの俳優待望論は、複数の形で可視化されてきた。
2021年5月に行われた「チェエドル」の投票「ドラマで見たい男性アイドルは?」でVは、第1位に選ばれた。全9万3059票のうち、Vが5万5752票を獲得して首位に立ったのだ。これは、韓国でも俳優Vを待つ声が少なくなかったことを示す材料になる。
さらに2025年には、日本の韓流メディア『Danmee』が実施した「ドラマ出演を待ち望むK-POPアイドル」投票でも、Vが1位になったという。
2021年には韓国で、2025年には日本で。投票という形式ではあるものの、“俳優キム・テヒョン”を待つ声が一時的なものではなく、長く続いてきたことはうかがえる。

この流れを考えると、今回のVの発言は単なる一言では終わらない。
Vはすでに、BTSのメンバーとして世界的なポップスターだ。ソロアーティストとしても、自分の色を持つ音楽を追求してきた。だが本人は、音楽で一つのジャンルに固執しないように、演技でもさまざまな役に触れてみたいと語っている。
彼の俳優としてのキャリアは、まだ多くの作品で積み重ねられたものではない。それでも、彼が短い映像の中で残してきた余韻は、待望論を消さなかった。限られた演技の場面のなかで、次を見たいと思わせる余白を確実に残してきたのだ。
Vが再び演技への意欲を口にした今、その一歩を待つ視線は、以前よりもはっきりと熱を帯びている。
◇V プロフィール
1995年12月30日生まれ。韓国・大邱広域市出身。本名キム・テヒョン。身長179cm。2013年にBTSのメンバーとしてデビューし、グループ内ではサブボーカルを務める。“美少年”と呼ぶに相応しいビジュアルとのギャップを感じさせる低音ボイスが特徴で、ボーカルラインの中でも主に中低音パートを担当している。優れたビジュアルが世界的に評価されており、映画情報サイト『TC Candler』が発表する「世界で最もハンサムな顔100人」の上位にたびたびランクインしている。兵役のため2023年12月11日に入隊し、2025年6月10日に除隊した。
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