ENHYPENのジェイ(JAY)が公開した函館旅行は、単なる“日本旅行コンテンツ”ではなかった。
そこに映っていたのは、GLAYのTERUが迎え入れ、TAKUROとJIROも合流するという、K-POPとJ-ROCKの不思議なほど温かい交流だった。
ENHYPENは4月29日、公式YouTubeチャンネルを通じて「ジェイの函館旅行VLOG」を公開した。
映像のなかでジェイは、休暇をもらい、母と日本へ行くことになったと説明。北海道・函館に到着すると、流暢な日本語で現地の人と会話しながら、街を満喫していく。
だが、このVLOGが大きな反響を呼んだ理由は、函館の観光地やグルメだけではない。
映像には、GLAYメンバーも登場する。TERUらと食事をともにし、スノーボードを楽しみ、ラッキーピエロやラーメンなど函館ならではの味も体験した。単なる観光VLOGではなく、音楽を通じてつながった先輩たちに迎えられる旅だった。
「函館にいるから遊びにくれば?」

その裏話を明かしたのが、TERU本人だ。
TERUは自身のXで、ジェイから「北海道にお母さんを連れて行きたいのですが、どこが良いですか?」と相談されたことを明かした。
そこでTERUは、「この期間なら函館にいるから遊びにくれば?」と伝えたという。するとジェイは、仁川空港から函館空港への直行便で、母と2人で実際に遊びに来た。
さらに「せっかくなのでということで、TAKURO&JIROも函館で合流」したという。TERUは「楽しい4日間だった」と振り返っている。スノーボードの場面では、TERU自身がカメラを回していたと明かし、「自分の声が大きくて恥ずかしい」とも冗談交じりにつづっていた。
このエピソードが温かいのは、ジェイがひとりのスターとして招かれたのではなく、「母を連れて行きたい」という個人的な相談から始まっている点だ。仕事の延長というより、先輩ミュージシャンが自分の地元に若い後輩とその母を迎え入れた時間に近い。
TERUは、VLOGについて「函館の魅力が詰まった映像」とも紹介している。函館のソウルフードであるラッキーピエロや、自身のおすすめだという「らーめんmaido」も登場すると説明した。
観光PRとして作られた映像ではないが、結果的に、函館という街の空気まで伝わってくる。ジェイが母と食事をし、温泉や街歩きを楽しみ、スノーボードをし、現地の味に触れる。その姿には、観光地を“紹介する”というより、誰かに案内されながら少しずつ街を好きになっていく自然さがあった。
特に印象的なのは、TERUが「ずっと一緒に行動していた」と明かしたことだ。
TERUによると、ジェイはマスクをしていなくても騒がれることがなく、自由に歩けてリラックスできたようだという。世界的な人気グループのメンバーであるジェイにとって、これは簡単なことではない。空港や公演会場、イベントでは常に多くの視線を浴びる存在が、函館では母とともに自然に歩き、食べ、笑うことができた。その自由さも、このVLOGが心地よく見える理由の一つだろう。
もちろん、ジェイとGLAYの関係は突然生まれたものではない。

2024年、ジェイはGLAYのデビュー30周年記念シングル『whodunit-GLAY × JAY(ENHYPEN)-/シェア』に参加した。タイトル曲の一つである『whodunit-GLAY × JAY(ENHYPEN)-』でフィーチャリングを務め、作詞にも名を連ねた。
このコラボは、GLAYにとっても記念碑的なプロジェクトだった。リーダーのTAKUROは当時、デビュー30周年を迎えたGLAYの新しいキャリアの幕開けにふさわしい楽曲を作りたいと考えていたと説明している。そのなかで、ジェイのボーカルとロックへの情熱に触れ、互いに面白いケミストリーが起こるのではないかと感じ、今回の協業を進めたという。
ジェイもまた、GLAYの大切な作品に参加できることを光栄だと語っていた。作詞だけでなく、録音もGLAYメンバーとともに行い、特別な思い出になったと明かしている。しかも、このコラボを通じて、ジェイは日本語曲の作詞にも初めて挑戦した。
GLAYがジェイのボーカルとロックへの情熱を見出し、ジェイが日本語詞とロックサウンドに向き合った。その音楽的な縁が、ステージやスタジオを離れ、函館の街へと続いていたのだ。
実際、『whodunit』でも、ジェイの存在は単なるゲストにとどまらなかった。同曲はハードなロックチューンで、ジェイはTERUとハーモニーを響かせ、ボーカリストとしての力を見せた。さらに、日本語の作詞が初めてにもかかわらず、自身が歌う全パートの歌詞を直接手がけたと報じられている。
ミュージックビデオの監督も、ジェイとTERUがテーブルの上で1本のマイクを奪い合うような場面について、2人のアンサンブルがとても格好よいと語っていた。
K-POPアイドルと日本のロックバンド。一見すると遠い場所にいるように見える両者だが、ジェイとGLAYの場合、その接点は“ロック”だった。

ジェイはこれまでも、ENHYPENの活動だけでなく、フィーチャリング、カバー、プロデュース、作詞、ギター演奏などを通じて音楽的な幅を見せてきた。2025年には米シンガーソングライターMAXの楽曲『Love Insane』にもフィーチャリングで参加し、エネルギッシュなボーカルを披露している。
さらにENHYPENの6thミニアルバム『DESIRE : UNLEASH』収録曲『Helium』では、プロデュース、作詞、ギター演奏にも参加したとされる。
そうした音楽的な積み重ねを考えると、GLAYとの交流は単なる話題性だけではなく、ジェイが持つロックへの関心や、ボーカリストとしての個性が、日本のベテランロックバンドと自然に結びついた結果といえる。
だからこそ、今回の函館VLOGは、ファンにとっても特別に映ったのだろう。
TERUの投稿には、ジェイへの感謝や、函館へ行きたくなったという声が相次いだ。なかには、「うちのJayが、大変お世話になりました」「初めての地で、どれほど心強かったか」と、まるで家族を預けたかのようにTERUへ感謝する反応もあった。
また、函館出身や北海道に縁のある人からは、ラッキーピエロや地元の風景に反応する声もあった。ジェイが函館を楽しむ姿を通じて、自分も函館に帰りたくなった、函館へ行きたくなったという反応が出たのも印象的だ。
さらに興味深いのは、GLAYファン世代とENHYPENファン世代が交差していることだ。
あるファンは、自分の母が学生時代にGLAYのファンクラブに入っており、ジェイとのコラボをきっかけにGLAY熱が再燃したと反応していた。数十年ぶりにGLAYのファンクラブへ再入会し、来年の公演に行く予定だという。ジェイとGLAYの交流は、双方のファンを喜ばせ、親世代が聴いてきたJ-ROCKと、若い世代が追いかけるK-POPを、思いがけない形でつないでいる。

TERUの姉のエピソードも、この交流の温かさをよく物語っている。
TERUによると、彼の姉はジェイの大ファンだったようで、一緒に食事している際、TERUが「ジェイと話せば良いのに」と促すと、「同じ空気を吸えるだけで大満足」と話したという。日本ロック界を代表するボーカリストの家族が、K-POPアイドルのファンとして同じ食卓にいる。その構図だけでも、どこか微笑ましい。
ジェイの函館旅行が“ただのVLOG”ではなかったのは、こうした関係性が詰まっていたからだ。
ジェイが最後に「素敵な思い出がたくさんできた函館。きっと恋しくなると思う」と語ったことも、その時間の濃さを伝えている。
ENHYPEN・ジェイとGLAY。世代も国もジャンルも違うミュージシャンたちの縁は、函館の4日間を通じて、ステージの外でも静かに続いていることを見せてくれた。
■【写真】「コラボして」ジェイ、Mrs. GREEN APPLEとの写真公開!


