「着るのか、脱ぐのか」
たまたま街中でとらえられた女優ハン・ソヒのプライベートな動画をめぐり、そんな反応まで出ている。
最近、韓国のオンラインコミュニティでは、ハン・ソヒがソウルの漢南洞(ハンナムドン)で友人たちと歩いている姿が拡散された。映像の中のハン・ソヒはマスクで顔を隠していたが、小さな顔立ち、すらりとした体型、独特の雰囲気から、通行人にすぐ気づかれたとようだ。
彼女は黒のホットパンツにクロップド丈のノースリーブを合わせ、白いカーディガンを着るような、脱ぐような形で腕にかけていた。サインを求める市民にも応じ、「撮影なのか」と聞かれると、「友人たちと旅行に来た」と答えている。
これを見たネットユーザーの反応は分かれた。
「本当に白い」「堂々としていていい」「実物もきれい」「テレビから出てきたみたい」といった称賛がある一方で、「カーディガンを着るのか脱ぐのか」「露出が強い」「注目を集めたくてそういう格好をしたのか」といった批判も出た。
ただ友人と街を歩いていただけだが、この賛否の割れ方こそ、今のハン・ソヒらしいのかもしれない。
歩くだけで注目される女優

ハン・ソヒは、単に“きれいな女優”として見られるタイプではない。
彼女はいつも、どこか強さと危うさを持っている。清純派の好感度で押す女優というより、ファッション、タトゥー、SNS、恋愛、家庭史まで含めて、見る側が何かを読み込みたくなる女優だ。
今回の漢南洞の映像もそうだ。
私服は本来、好きなものを着ればいい。友人と歩いているだけの時間であり、本人にとってはオフの姿だろう。しかしハン・ソヒの場合、そのオフの姿すらコンテンツ化される。マスクをしていても気づかれ、服装が拡散され、称賛と批判が同時に走る。
スターである以上、私服が注目されること自体は避けられない。特にハン・ソヒのように、ビジュアルと雰囲気で強い印象を残してきた女優ならなおさらだ。
ただ、彼女の場合、その注目はいつも単純な称賛で終わらない。

「堂々としていていい」と好意的にとらえられる一方で、「露出が強い」との批判の声も上がる。「自由でかっこいい」と見られる一方で、「わざと注目を集めているのでは」と疑われる。
つまりハン・ソヒは、好感度を静かに積み上げる女優というより、賛否ごと引き受けて存在感を強める“賛否型スター”なのだ。
その見られ方は、ここ数年の騒動でもはっきりしている。
象徴的なのが2024年の熱愛騒動だ。ハン・ソヒは同年3月、俳優リュ・ジュンヨルとの熱愛を認めたが、リュ・ジュンヨルの元恋人であるGirl's Day出身ヘリの「面白いね」というSNS投稿をきっかけに、いわゆる“乗り換え恋愛”疑惑が浮上した。
ハン・ソヒはその後、SNSで「私の人生に乗り換え恋愛はありません」という趣旨の反論を残した。さらに一度は騒動が落ち着いたように見えた後も、再び長文を投稿し、批判を浴びた。最終的に、ハン・ソヒとリュ・ジュンヨルは熱愛を認めてからわずか2週間で破局している。
この一連の騒動で、ハン・ソヒのイメージは大きく揺れた。彼女は黙ってイメージを守るより、自分の言葉で反応するタイプに見えた。そこが支持されることもあれば、逆に「過剰反応」と受け止められることもあった。

その後も、ハン・ソヒのSNSは何度も話題の中心になった。
フランスの美術大学に合格したものの、留学費用が足りず行けなかったという過去発言をめぐっては、金額や説明の整合性を疑問視する声が出た。ハン・ソヒはSNSで、番組編集によって誤って伝わったという趣旨の説明をしたが、それが今度は番組スタッフに責任を押し付けたように受け止められ、議論が再燃した。
当時、韓国メディアは、彼女が「SNSを通じて自身をブランディングしてきた女優でありながら、SNSによってイメージに打撃を受けている」と指摘していた。実際、ハン・ソヒはざっくばらんなコミュニケーションでファンとの距離を縮めてきた一方で、その率直さが騒動を大きくする場面もあった。
裏アカウント疑惑もあった。リュ・ジュンヨルの元恋人であるヘリに悪質コメントを書き込んだSNSアカウントが、ハン・ソヒのサブアカウントではないかという疑惑が浮上したのだ。
所属事務所は「報じられたSNSアカウントはハン・ソヒのサブアカウントではない」と否定したが、親しい女優チョン・ジョンソがそのアカウントをフォローしていたことなどから、ネット上では一時騒ぎが広がった。
タトゥーも、年齢も、家庭史も“読まれる”
他にも、タトゥーをめぐる反応がある。
4月に公開した近況写真では、クロップド丈のトップスの下から骨盤付近のタトゥーがのぞき、「本物なのか、タトゥーステッカーなのか」と関心を集めた。
ハン・ソヒはデビュー後、腕や首などに入っていたタトゥーを約2000万ウォン(約200万円)かけて除去したことで知られている。それだけに、またタトゥーが見えたこと自体がニュースになった。
ハン・ソヒはかつて、タトゥーを消したことについて「過去の私も今の私も変わらない。ただ、仕事を始めると制約が生じる。その変化に合わせて今の自分があるだけ」と語っていた。タトゥーは彼女にとって、単なる装飾ではなく、過去、現在、職業、世間の視線が交差する記号のように扱われてきた。

年齢をめぐる話もそうだ。
2024年には、ハン・ソヒの誕生年がそれまで知られていた1994年ではなく、実際には1993年だったことが明らかになった。所属事務所は、彼女が小学生の頃、実母が指名手配されたことで強制的に蔚山(ウルサン)へ移住し、その後、学業を中断した状態で1年を過ごしたため、小学4年生から再入学したと説明した。
ハン・ソヒは過去にも、母親の債務問題や詐欺疑惑、違法賭場運営疑惑などに巻き込まれ、そのたびに家庭史を説明しなければならなかった。本人の行動ではないにもかかわらず、母親の問題が何度も彼女の名前と結びつけられた。
この件では、ネット上に同情と応援の声も多く出た。ハン・ソヒの人生には、単なる“自由奔放なスター”という言葉では片づけられない背景があることが、改めて知られたからだ。
だからこそ、彼女への視線は複雑になる。ハン・ソヒは、韓国芸能界で最も“解釈される”女優のひとりなのかもしれない。
今回の漢南洞動画が賛否を呼んだのも、単に服装が露出していたからだけではないだろう。ハン・ソヒという女優が、もともと称賛も批判も引き寄せやすい存在だからだ。
彼女の堂々とした歩き方は、ある人には自由に見える。別の人には、挑発的に見える。同じカーディガンの着方でさえ、「かっこいい」とも「着るのか脱ぐのか」とも読まれる。
その読みの幅こそが、ハン・ソヒのスター性であり、同時に彼女を窮屈にしているものかもしれない。

とはいえ、本業である女優としての彼女は今も動き続けている。最近はNetflixオリジナルドラマ『俺だけレベルアップな件』の撮影を、俳優ビョン・ウソクとともに始めたとされる。映画『マイ・インターン』の韓国リメイク版の公開も控えている。
ただ歩くだけで話題になるのは、スター性の証明でもある。だが、それは同時に、どんな瞬間も誰かに解釈されてしまう息苦しさでもある。
ハン・ソヒは今、その両方を背負ったまま、再び作品の前に立とうとしている。
◇ハン・ソヒ プロフィール
1993年11月18日生まれ。韓国・蔚山(ウルサン)出身。身長166cm。2016年にSHINeeの楽曲『Tell Me What To Do』のミュージックビデオの出演で芸能界入りし、2017年のドラマ『ひと夏の奇跡~Waiting for you』で本格女優デビュー。ドラマ『夫婦の世界』でブレイクし、以降『わかっていても』『マイネーム:偽りと復讐』『京城クリーチャー』など数々の話題作に出演した。デビュー時から大手食品メーカーや化粧品メーカーなど、様々な企業のCMモデルを務めた。


