ドラマの恋は熱く、現実の恋は静かだ。
歌手で女優のIUが語った恋愛観が、俳優イ・ジョンソクとの交際と重ねて注目されている。
5月12日、IUの公式YouTubeチャンネルには、人気ドラマ『21世紀の大君夫人』の撮影ビハインド映像が公開された。そこには、劇中でソン・ヒジュ(IU)が愛するイアン大君(ビョン・ウソク)を守るため、感情を爆発させる場面の撮影過程が収められていた。
撮影後、IUはキャラクターについて「ヒジュが愛の前で自尊心をすべて捨てた」と語った。そして、「相手にわかってほしいと思う時点で、まだ少し愛が足りないのかもしれない」「本当の愛は、相手にわかってほしいと願うものではないようだ」という趣旨の考えを明かした。
スタッフが「これはIUの哲学なのか、ヒジュの哲学なのか」と尋ねると、IUは迷わず「IUの哲学」と答えている。
この発言が注目されたのは、彼女がいま『21世紀の大君夫人』で濃いロマンスを演じているからだけではない。IUは現実でも、俳優イ・ジョンソクと長く交際を続けているスターだからだ。
交際を認めたのに、静かなカップル

IUとイ・ジョンソクの交際が明らかになったのは2022年12月だった。
きっかけは、イ・ジョンソクの授賞式での受賞コメントだ。彼は当時、「人間的に良い方向へ導いてくれた人」「いつも素敵でいてくれてありがとう」「とても長い間、好きだったし尊敬している」という趣旨の言葉を残した。
その相手がIUだと報じられ、2人は交際を認めた。
IUも当時、イ・ジョンソクについて「長い間、同僚だった方と頼り合い、良い感情を育んでいる」と説明。さらに、彼を「長い間、ありがたいことに私を応援してくれて、いつも『素敵だ』と言ってくれ、心強く励ましてくれる、頼もしくて可愛い人」と紹介している。
そもそも2人の関係は、突然始まったものではない。
IUとイ・ジョンソクは2012年、音楽番組『人気歌謡』のMCとして出会った。当時は一時、不仲説が出たこともあったが、長い時間をかけて同僚から友人へ、そして恋人へと関係を変えていった。

だからこそ、2人の公開恋愛は大きな祝福を受けた。
ただ、交際を認めてからのIUとイ・ジョンソクは、いわゆる“見せるカップル”ではなかった。
同じく長期恋愛カップルでも、俳優イ・グァンスと女優イ・ソンビンのように、デート目撃談や公式の場でのやり取りがたびたび話題になるケースもある。漢江(ハンガン)デートが目撃され、バラエティ番組でからかわれるような、わかりやすく愛情が見えるカップルだ。
一方、IUとイ・ジョンソクは、日常的なデート写真やカップル投稿で話題を作るタイプではない。SNSで互いを大きく見せることも、恋愛をコンテンツのように消費させることも少ない。
それでも、完全に隠れているわけでもない。イ・ジョンソクは、IUの大切な公演に何度も姿を見せている。
例えば、2024年3月にソウルオリンピック公園KSPO DOMEで開かれたIUのコンサートでは、シン・ジェハとともに観覧する姿が目撃された。IUのペンライトを手に持って応援していたことも話題になった。

さらに同年9月、IUがソウルワールドカップ競技場で開催したワールドツアーのアンコール公演にもイ・ジョンソクは出席。この公演は、IUにとって単独コンサート100回目であり、女性アーティストとして初めてソウルワールドカップ競技場で単独公演を行うという、非常に大きな意味を持つ舞台だった。
そんな節目に恋人が会場を訪れたことは、派手な愛情表現ではないかもしれない。それでも、十分に強いメッセージだった。
IUとイ・ジョンソクの恋愛は、決して騒がしくはない。その静けさが、2人の特徴といえるかもしれない。
静かすぎるから? 破局説まで
ただ、韓国芸能界の公開恋愛において、“静かであること”は時に別の憶測も呼ぶ。
というのも、IUとイ・ジョンソクは、たびたび破局説に巻き込まれてきた。目に見えるデート写真が少なく、互いについて頻繁に言及するわけでもないため、「まだ付き合っているのか」と疑う視線が出てしまうのだ。
2025年5月にも、2人には破局説が浮上した。
きっかけのひとつは、IUの誕生日である5月16日をめぐる目撃談だった。IUがBTSのVと高級レストランで目撃されたという話が広がり、さらにIUが誕生日当日に親友カン・ハンナと会ったことを示す写真が投稿されたことで、イ・ジョンソクとの関係に変化があったのではないかという推測が出た。
しかし、その破局説は否定された。

IUとVの食事は、2人だけの密会ではなく、知人たちを含む食事の席だったと伝えられている。さらに関係者は、IUとイ・ジョンソクについて「今も変わらず付き合っている」と話し、破局説を一蹴した。
この流れは、2人の恋愛の難しさをよく示している。見せすぎる恋愛は、すぐに消費されるが、あまりに見えない恋愛は、今度は「別れたのではないか」と疑われる。IUとイ・ジョンソクは、その間を歩いているカップルだ。
だからこそ、IUの「本当の愛は、相手にわかってほしいと願うものではないようだ」という恋愛観は、単なるドラマのビハインド発言にとどまらず、彼女自身の公開恋愛のあり方とも重なって聞こえる。
IUは以前にも、自身の恋愛観をのぞかせる発言をしている。
自身のコンテンツ「ミニパレット」で、共演者たちが互いへの愛情を見せた際、IUは「本当に愛しているなら、わざわざああやって愛について語り続けたりしない。愛とは、ただ心の根底にあるものだ」という趣旨の言葉を残した。
それは今回の“恋愛哲学”とも、通じるものがある。
もちろん、これは理想論でもあるだろう。現実の恋愛では、言葉で伝えなければ届かないこともある。相手にわかってほしいと願うことが、愛の不足とは限らない。それでも、IUの言葉には彼女らしさがある。

IUは、デビュー以来ずっと大衆の前に立ち続けてきたスターだ。音楽、演技、コンサート、寄付、発言。そのどれもが注目される存在で、恋愛も例外ではない。だからこそ、彼女は恋愛を大声で語りすぎないのかもしれない。
IUとイ・ジョンソクの恋愛は、派手な目撃談よりも、そうした“静かな確認”によって続いてきた。現実のIUは、ドラマとは対照的に恋愛を大きな言葉や見せ場で飾らない。
イ・ジョンソクとの公開恋愛は、すでに4年目に入っている。IUが語った「本当の愛」は、そんな静かな交際のあり方を、少しだけ説明しているようにも見える。
そして、その静けさこそが、2人の関係が長く応援されている理由なのかもしれない。


