生バンドが響く、巨大ロックフェス級の熱狂!『Stray Kids : The dominATE Experience』が映した8人の軌跡 | RBB TODAY

生バンドが響く、巨大ロックフェス級の熱狂!『Stray Kids : The dominATE Experience』が映した8人の軌跡

エンタメ 音楽
注目記事
『Stray Kids : The dominATE Experience』場面写真
『Stray Kids : The dominATE Experience』場面写真 全 6 枚
拡大写真

 人気K-POPグループ・Stray Kids、初のライブドキュメンタリー映画『Stray Kids : The dominATE Experience』が、本日から全国公開する。本作は、Stray Kids史上最大規模のワールドツアー「dominATE」(全35地域56公演)に密着したライブドキュメンタリー映画。アメリカ・ロサンゼルス公演のライブ映像を軸に、舞台裏のメイキングやメンバーの独占インタビューも収録されている。

 鑑賞後、Stray Kidsのガチファンである筆者の胸は、満足感でいっぱいだった。「dominATE」日本公演で見た彼らの姿が何度も走馬灯のようによみがえり、今まで以上に“また会いたい”という気持ちが強くなった。

 ただ、それ以上に強く感じたことがある。

 「この映画、ロック好きやライブ好きにも刺さるのではないか」ということだ。

 そんな観点から、本作のレビューを書いてみたいと思う。

生バンド演奏で歴代ヒット曲が覚醒

 筆者は元々ロックが好きで、大型音楽フェスやロックバンドのライブに足を運ぶ日々を送っていた。そんな筆者の心に突如刺さってきたのが、Stray Kidsだった。中毒性のあるメロディー、力強いサウンド、そして自分たちの信念を真っ直ぐぶつけるような歌詞。K-POPアーティストらしい華やかさの奥にある、むき出しの熱量に一気に引き込まれた。今作では、そんな彼らの魅力が節々で際立っていた。

『Stray Kids : The dominATE Experience』場面写真

 本作で特に印象的だったのは、生バンドによって再構築された楽曲たち。重厚感のあるベース、鋭く突き抜けるギター、腹の底まで響くドラム。巨大スタジアムに鳴り響くサウンドは、アイドルライブというより、巨大ロックフェスの熱狂に近かった。

 そんなバンドアレンジによって覚醒した楽曲が、歴代のヒット曲たちだ。

『Stray Kids : The dominATE Experience』場面写真

 「God's Menu」は、低音の効いたバンドサウンドによって、原曲以上に攻撃的な空気感に昇華されていた。炎が吹き出す演出が相まって、「とんでもないライブが始まる」という高揚感に包まれる。さらに、「MANIAC」では激しく打ち込まれるドラムがダークな世界観を際立たせ、「락 (樂) (LALALALA)」では、生バンドならではの疾走感が会場のボルテージを一気に押し上げていく。

 Stray Kidsのライブが面白いのは、“音楽”と“演出”が一体化していることだ。

 バルーンの巨人がステージを支配する「GIANT」、大型ビジョンにファン全員の名前が映画のエンドロールのように映し出される「CINEMA」。ダンスと水しぶきの音と映像がリンクする「Walkin On Water」、メンバー同士のコミカルなやり取りが繰り広げられる「Burnin' Tires」。一曲ごとに空気がガラリと変わり、まるで短編映画を立て続けに観ているような感覚になる。

『Stray Kids : The dominATE Experience』場面写真

 彼らは、すべての楽曲を自主制作しているグループだ。だからこそ、音楽・映像・ダンス・照明などがバラバラにならず、ひとつの世界観として完成されているのだろう。

壁にぶつかりながら、鳴らし続けた音楽

 そして本作は、そんな華やかなライブだけでなく、彼らが歩んできた“泥臭い時間”にも光を当てていく。

 Stray Kidsは、バンチャン、リノ、チャンビン、ヒョンジン、ハン、フィリックス、スンミン、アイエンの8人で構成されるグループ。

 今でこそ世界的人気を誇るStray Kidsだが、デビュー当初から順風満帆だったわけではない。音楽番組内のランキングで1位を獲得したのは他の新人グループと比べて遅かったし、彼らの音楽は時に“うるさい”、“工事現場の音みたいだ”と批判され、独特なサウンドはなかなか受け入れられなかった。いわゆる“不遇の時代”があったグループだ。

『Stray Kids : The dominATE Experience』場面写真

 独占インタビューでは、「ロックスターのように音楽でエネルギーを届けたい」、「全世界を食ってやるという強い意思が込められています」などライブへの意気込みを語る場面もあれば、自身の弱さや葛藤を静かに打ち明ける場面もある。そこに映っていたのは、“完璧なスター”ではなく、悩みながらも前に進み続けてきた8人の人間らしい姿だった。

ファンの表情が映し出す、8人との絆

 そんな彼らだからこそ、ライブ後半のトロッコ演出がより強く心に残る。メンバーたちは客席のすぐ近くまで移動し、ファン一人ひとりへ笑顔を向ける。その光景は単なるファンサービスというより、これまで共に歩んできた時間を確かめ合っているようにも見えた。

『Stray Kids : The dominATE Experience』場面写真

 さらに印象的だったのが、会場全体を包み込むコールアンドレスポンスだ。メンバーたちの呼びかけに対し、ファンたちは歓声や掛け声、時には歌で応える。なかでも、メンバーたちの伸びのあるボーカルが堪能できるバラード「Cover Me」で、ファンたちが歌うサビは鳥肌級に美しかった。歌詞の一節ひとつ、掛け声のタイミングひとつに至るまで、Stray KidsとSTAY(Stray Kidsのファンネーム)が積み重ねてきた時間が詰まっているようだった。その熱量は、スクリーン越しでもはっきりと伝わってくる。

 そして、スクリーンに映るファンたちの表情も見逃せない。涙を流しながら歌う人、笑顔で手を振る人、全力で想いを届ける人。その姿を見ていると、Stray Kidsのライブは、“音楽を共有する場所”なのだと改めて感じる。

『Stray Kids : The dominATE Experience』場面写真

 Stray KidsのStrayには、“古い伝統や形式、システムを打ち破り、そこから抜け出す”という意味が込められている。

 本作は、単なるK-POPアーティストのライブドキュメンタリー映画ではない。自分たちの音楽を武器に、何度も壁にぶつかりながら、それでも前に進み続けてきた8人の現在地だ。そんな彼らが今鳴らす音楽を、ぜひ劇場で浴びてほしい。

■作品概要
『Stray Kids : The dominATE Experience』(ストレイキッズ:ザドミネイト・エクスペリエンス)
2026年5月15日(金)より全国の映画館にて公開
https://straykidscinemas.jp

《山田有真》

特集

【注目記事】
【注目の記事】[PR]

この記事の写真

/

関連ニュース