「なぜ北朝鮮チームの応援に血税が投入されるのか」
AWCL準決勝に対する批判が韓国国内で強まっている。
水原FCウィメン(韓国)とネゴヒャン女子蹴球団(北朝鮮)は、5月20日19時、水原総合運動場でAWCL準決勝を行う。勝利したチームは、メルボルン・シティ(オーストラリア)対日テレ・東京ヴェルディベレーザ(日本)の勝者と決勝で対戦する。
北朝鮮の女子サッカーチームが韓国を訪問するのは、2014年仁川アジア大会以来、実に12年ぶりだ。北朝鮮選手団の来韓自体も2018年以来とあって、関心は自ずと高まっている。実際、スタジアムの約7000席はほぼ完売状態で、取材申請も100人を超える熱を帯びているという。
しかし、試合そのものよりも場外での論争が過熱している。市民平和フォーラムやハンギョレ統一文化財団など約200の団体が先日、「水原FCウィメン・ネゴヒャン女子蹴球団合同応援団」を結成。両チームを共に応援するとの方針を打ち出した。

さらに、政府機関の統一部が、「南北協力基金」から約3億ウォン(約3000万円)の範囲内で応援グッズなどを支援することを決めると、論争は決定的となった。サッカーファンからは「なぜ韓国のチームではなく、北朝鮮の応援に国民の税金が使われるのか」という反発が相次いでいる。
特に今回の試合は、南北朝鮮の親善試合や交流戦ではない。勝敗によって脱落か決勝進出が決まる、AFC公式のクラブ対抗戦だ。水原FCウィメンの選手たちも、昨年からこの大会のために準備を重ね、決勝進出を目標に奮闘してきた。ところが、世間の注目は「水原FCの歴史的な挑戦」よりも、北朝鮮チームの来韓と合同応援を巡る政治的な論争にばかり集まっている。
本件について統一部は、拡大解釈を警戒している。統一部関係者は5月15日、本サイト提携メディア『OSEN』の電話取材に応じ、「支援金は民間団体の応援グッズなどに使用されると聞いている。特定のチームを応援するのではなく、試合そのものを応援するという趣旨だ。今回の試合を南北対話のきっかけと捉えているわけではない」と釈明している。
だが、批判の声は収まりそうにない。合同応援団は「勝敗を超え、スポーツの精神である『フェアプレー』と『平和』が具現化されるよう全力で応援する」との立場だが、この試合はあくまで選手たちが勝利のために汗を流してきた国際大会の準決勝だ。
サッカーを追っているファンなら分かる通り、チャンピオンズリーグは重みが違う大会でもある。ゴール一つに一喜一憂する真剣勝負の場で、「勝敗を超えて平和のために」という言葉自体が成立しないという指摘だ。
また、合同応援団の「決勝にどちらのチームが上がっても応援する」「両チームの健闘を祈る」という言葉も火に油を注いでいる。さらに、水原FCの公式サポーターズに対しても合同応援の提案が伝えられたという。

これに対し、クラブとサポーター側の温度差は明らかだ。水原FC関係者は「クラブとサポーターの間で合同応援の話は出ていない。当然、自分たちのチームである水原FCウィメンを応援するという雰囲気だ」と述べた。
水原FCサポーターズ「フォートレス」も、政治的フレームではなく「選手自身に集中すべきだ」との立場だ。「選手たちが特定の目的の“引き立て役”のように消費されることを望まない。水原FCウィメンの選手たちが試合の主人公として尊重されるべきだ」と強調した。
主催するAFCも、こうした現地の不穏な空気を注視しているようだ。大韓サッカー協会によると、AFCは今回の大会が政治的な解釈ではなく、純粋なスポーツイベントとして行われるべきだという趣旨のメッセージを伝えたという。しかし現実には、サッカーそのものよりも政治と論争が注目を集めるというアイロニーな状況が続いている。
(記事提供=OSEN)
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