23年ぶりの記録更新、スリラー作品の世代交代 『サルモクチ』が『プラダ』や『マリオ』に負けず大ヒットした理由 | RBB TODAY

23年ぶりの記録更新、スリラー作品の世代交代 『サルモクチ』が『プラダ』や『マリオ』に負けず大ヒットした理由

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23年ぶりの記録更新、スリラー作品の世代交代 『サルモクチ』が『プラダ』や『マリオ』に負けず大ヒットした理由
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23年間破られることのなかった記録がついに塗り替えられた。

『サルモクチ』(原題)が、韓国スリラー映画史に新たな1ページを刻んだ。

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韓国の映画振興委員会統合ネットワークによると、『サルモクチ』は5月17日に累計観客動員数315万人を突破した。これまで同ジャンルの歴代1位を守り続けてきた『箪笥<たんす>』(314万人)を追い抜き、実に23年の時を経て、ついに“世代交代”が果たされたのだ。

『サルモクチ』は、ロードビューに映り込んだ正体不明の痕跡を追うために貯水池を訪れた撮影チームが、水の中に潜む“何か”と遭遇するという物語だ。お馴染みの怪談という素材に、リアリティのある恐怖を融合させている。

『サルモクチ』
(写真=ショーボックス)『サルモクチ』スチールカット

通常、スリラー映画は公開直後に一部のファンに動員が集中し、以降は急速にランクダウンするケースが多い。しかし『サルモクチ』は、公開6週目に入った現在もランキング上位をキープしており、『Michael/マイケル』『プラダを着た悪魔2』『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』などの話題作が続々と公開されるなかでも、ロングランヒットを続けている。

この異例のヒットの背景には、いくつかの要因がある。まず、近年の韓国映画界を取り巻く環境も大きい。韓国映画市場が相次ぐ興行不振で冷え込み、新作の公開が減少したことで、興行スケジュールに余裕が生まれた。そこに、映画館でしか味わえない没入感を持つスリラー映画が、思いがけない人気を博したのだ。劇場で楽しむスリラーコンテンツは、動画配信サービスでは代替しにくい“体験型コンテンツ”でもあるからだ。

もう一つの要因は、怪談そのものが持つ力だ。韓国のス리ラー映画は長年、学校の怪談、廃墟、貯水池、トンネルといった身近な都市伝説をベースに観客の恐怖心を刺激してきた。『サルモクチ』もまた、怪談の定番スポットの一つだ。単なる創作上の空間ではなく、実在の地名を使用した点が観客の好奇心をさらに刺激した。

『サルモクチ』
(写真=ショーボックス)『サルモクチ』

実際に映画のヒット後、オンラインコミュニティやSNSでは「実際のサルモクチ(殺木池)に行ってみた」という投稿が相次いだ。SNSやショート動画を中心に消費される現在のコンテンツ環境において、これが強力なバイラル要素となった。

さらに、新鮮なキャスト陣の力も無視できない。これまでスリラー映画は“新人の登竜門”とされてきた。本作も、初の長編演出に挑んだイ・サンミン監督と、スリラー初挑戦の俳優たちで構成されている。その結果、既存のスター俳優を中心とした他作品とは異なるエネルギーを生み出した。見慣れない顔ぶれだからこそ、より現実味が増し、予測不可能な恐怖が際立つことになったと言える。

何より『サルモクチ』のヒットは、韓国スリラー映画がいまだに競争力のあるジャンルであることを再証明した点で意味が大きい。

昨年は『層間騒音』が損益分岐点を超えて累計170万人動員と健闘したものの、『箪笥<たんす>』の壁を越えるには至らなかった。そして今回、ついに23年ぶりに世代交代を告げ、韓国の映画界に新たな可能性を提示した。

『箪笥<たんす>』
(画像=靑於藍)『箪笥<たんす>』

これらの作品以外にも、『コンジアム』『哭声/コクソン』『女神の継承』『トンソン荘事件の記録』など、良作が多い韓国。これから『サルモクチ』を超える作品が出てくるのが楽しみだ。

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《スポーツソウル日本版》

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