日本の人口が、わずか5年で300万人以上減った。
韓国メディアはこのニュースに「韓国の未来?」という見出しをつけた。たしかに、日本は韓国より先に少子高齢化と人口減少を経験してきた国だ。
だが、その見方は半分正しく、半分は楽観的すぎるかもしれない。
なぜなら、出生率と高齢化率で見る限り、韓国の人口危機は日本以上に急な坂を下っているからだ。
日韓の差は「出生率」と「高齢化」
日本の総務省が5月29日に発表した2025年国勢調査の速報値によると、外国人を含む日本の総人口は2025年10月1日現在、1億2304万9524人だった。
2020年の前回調査から309万6575人、率にして2.5%減少した。減少数、減少率ともに過去最大だ。
衝撃的なのは、人口減少がもはや地方だけの問題ではなくなっている点だろう。
今回の調査で人口が増えたのは東京都と沖縄県だけ。47都道府県のうち45道府県で人口が減少した。これまで地方からの転入で人口増を続けてきた神奈川、埼玉、千葉の首都圏3県や、愛知、福岡までも減少に転じた。
日本の人口減少は、ついに大都市圏にまで広がったといえる。
このニュースに韓国メディアが反応したのも無理はない。韓国紙『ハンギョレ』は「韓国の未来?…日本人口、5年で300万人減少」という見出しで報じた。日本で起きていることは、低出生率に苦しむ韓国にとっても、決して遠い国の話ではないということだろう。

ただし、ここで見落としてはならないのは、韓国は日本の後をゆっくり追っているだけではないということだ。
むしろ、出生率と高齢化率という2つの指標で見ると、韓国のほうがより厳しい未来に向かっている。
まず、出生率だ。
韓国統計庁によると、韓国の2024年の合計特殊出生率は0.75だった。9年ぶりに上昇したとはいえ、1人の女性が生涯に産む子どもの数が1人を大きく下回っている状況に変わりはない。
ソウル特別市にいたっては0.58で、全国平均をさらに下回った。
一方、日本の2024年の合計特殊出生率は1.15とされる。日本の少子化も深刻だが、韓国はその日本をさらに大きく下回る水準で人口減少局面に入っている。
もちろん、総人口の減少率だけを単純に比べれば、日韓に圧倒的な差があるわけではない。
国立社会保障・人口問題研究所によれば、日本の将来推計人口では、2020年の1億2615万人から2070年に8700万人へ減少すると見込まれている。減少率は約31%だ。また、高齢化率は2020年の28.6%から、2070年には38.7%に上昇すると推計されている。
韓国も、統計庁の将来人口推計では2072年に3622万人まで減少する見通しだ。2022年時点の人口規模から見ると、こちらもおよそ3割減という水準になる。
つまり、「人口が何%減るか」だけを見れば、日本と韓国はともに約3割減で、大きくかけ離れているわけではない。
それでも韓国のほうが深刻に見える理由は、人口の中身だ。
韓国では2072年、65歳以上の高齢者の割合が47.7%に達すると予測されている。つまり、人口のほぼ半分が高齢者になる計算だ。日本も2070年に高齢化率38.7%とされ、十分に重い未来が予測されているが、韓国はそれをさらに上回る。
ここに、韓国の人口危機の本質がある。
日本の人口減少は、長い時間をかけて進んできた危機ともいえる。韓国の人口減少は、より低い出生率と、より急な高齢化を伴って進む危機だ。
韓国ではすでに、2020年に初めて出生数が死亡数を下回る自然減に転じた。その後も自然減は5年連続で続いており、2024年は出生児数23万8000人に対して死亡者数35万8000人。1年間で12万人の自然減となった。2020年以降の5年間では、45万6000人の自然減だ。
さらに気になるのは、若い世代の減り方だ。

性平等家族部の「2026青少年統計」によると、韓国の2026年の青少年人口、つまり9~24歳の人口は740万9000人とされた。40年前の1385万3000人から46.5%も減っている。学齢人口も減少しており、2070年には青少年人口が325万7000人まで縮むと推計されている。
若者が減れば、学校も減り、労働市場に入る人も少なくなる。結婚し、子どもを持つ可能性のある世代も細っていく。消費市場も縮み、地方都市の維持も難しくなる。人口減少、特に若い世代の減少は、社会の土台そのものを薄くしていく問題といえる。
今回、日本の人口減少が注目されたのは、300万人という数字の大きさに加え、首都圏3県まで減少に転じ、人口減少が国全体に広がったことが可視化されたからだろう。
一方で、韓国はまだ日本ほど大きな人口減少数を記録しているわけではない。しかし、出生率は日本よりはるかに低く、将来の高齢化率も日本を上回る見通しが出ている。
人口減少の規模だけを見れば日本の衝撃は大きいが、社会構造の変化という意味では、韓国のほうがさらに急角度で進む可能性がある。
「韓国の未来?」という韓国メディアの見出しは、たしかに正しい。日本の現在は、少子高齢化が進んだ社会の一つの到達点だからだ。だが、韓国にとって本当に怖いのは、日本と同じ未来が来ることではない。日本より低い出生率のまま、より高い高齢化率へ向かっていくことだ。
「いずれ日本のようになる」ではなく、韓国はすでに、日本より低い出生率と、より高い高齢化率へ向かう別の危機に入っている。日本の人口減少は韓国にとって未来の警告だが、その未来は、より急な形で現実になろうとしている。
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