“韓国の至宝”イ・ガンインを、最後までピッチに送り出すことはなかった。
だが、ルイス・エンリケ監督は改めて自身の選択が正しかったことを結果で証明してみせた。
PSGは5月31日(日本時間)、ブダペストで行われたアーセナルとのUEFAチャンピオンズリーグ(UCL)決勝戦に臨んだ。120分間の死闘の末、PK戦までもつれ込む接戦を制した。インテルを5-0で圧倒した昨季に続き、PSGは大会2連覇を果たした。
ルイス・エンリケ監督は、この大一番でもイ・ガンインを1分も起用しなかった。イ・ガンインはベンチ入りしたものの、延長戦を含めた120分間、最後まで出番が訪れることはなかった。しかし、結果的にエンリケ監督の采配は完璧に的中したと言える。

試合は序盤、カイ・ハフェルツのゴールでアーセナルが先制。しかし後半、ウスマン・デンベレのPKでPSGが追いつくと、その後はポゼッションと激しいプレスで主導権を掌握。最終的にPK戦で頂点に立った。
試合後、エンリケ監督は「アーセナルのゴールは運が味方した場面だった」と振り返り、「非常にタフな試合だったが、我々には優勝する資格があった」と胸を張った。
「ポスト・エムバペ」の黄金時代
今回の優勝により、ルイス・エンリケは個人通算3度目のUCL制覇を成し遂げた(バルセロナ:14-15、PSG:24-25、25-26)。これはジョゼップ・グアルディオラ、ジネヌディーヌ・ジダン、ボブ・ペイズリーといった伝説的な名将たちと肩を並べる快挙であり、世界最高の指揮官としての地位を不動のものにした。
特に今回のタイトルは、単なるトロフィー以上の意味を持つ。キリアン・エムバペ退団後、若手中心へと舵を切り、チームの体質を完全に変えた末に手にした成果だからだ。特定のスター選手への依存を減らし、組織力とプレスシステムを極限まで高めることで、PSGを「完成形」へと脱皮させた手腕は高く評価されるべきだろう。

一方で、イ・ガンインのPSGにおけるキャリアは「終わった」と言っても過言ではないかもしれない。シーズン後半に進むにつれて出場時間が減少し、UCLなどの重要なゲームでも徹底して起用を避けられてきた。現地メディアも今夏の移籍の可能性を繰り返し報じており、退団はもはや既定路線と言えそうだ。
(記事提供=OSEN)
◇イ・ガンイン プロフィール
2001年2月19日生まれ。韓国・仁川広域市出身。身長174cm。大韓民国のサッカー選手で、サッカー大韓民国代表。幼少期に出演したKBSサッカーバラエティ番組『飛べ、シュットリ』で類まれなる才能を発揮し、“神童”として一躍注目を集めた。2011年にスペインに渡りバレンシア下部組織に入団し、2018年10月にトップチームで公式戦デビュー。2021年夏にフリーでマジョルカに加入、2023年夏にフランスのパリ・サンジェルマンに完全移籍。マジョルカ時代の同僚である日本代表MF久保建英(レアル・ソシエダ)とは同じ2001年生まれで、普段から仲が良いことで知られている。


