LE SSERAFIMの宮脇咲良の一部ファンが、トラックデモに踏み切った。
ただ、そのメッセージは単純な「彼女への待遇を改善してほしい」という要求だけではなかった。
彼らは、所属事務所SOURCE MUSICに対して「サクラを冷遇した責任を取れ」「ブランドラブコールを拒否した責任を取れ」「悪質コメントを放置するな」と強く抗議した。
もう一方では、宮脇咲良本人に向けて「あなたの舞台はここだけではありません」「もっと広い世界があなたを待っています」と呼びかけている。
会社への怒りと、本人への応援。改善要求と、どこか“別れの準備”にも見える言葉。
今回のトラックデモが目を引くのは、ファンの不満が単なる待遇改善の訴えを超え、所属事務所への深い不信にまで達しているように見える点だ。
HYBE前に現れたトラック

6月3日、宮脇咲良の中国ファンによるものとされるトラックデモが、HYBE社屋前で行われた。
トラックには韓国語と英語で、SOURCE MUSICやHYBEに向けた抗議文が掲げられていた。
そこには、「SOURCE MUSICはヒルのような存在」「咲良を連れてきたあと、放置し冷遇した責任を取れ」「数え切れないブランドラブコールを拒否した責任を取れ」「活動機会を奪った所属事務所は責任を取れ」といった、かなり強い文言が並んでいる。
また、別のメッセージでは「悪質コメントを放置するSOURCE MUSICを告訴しろ」「沈黙するSOURCE MUSICは責任を取れ」「コミュニケーションを拒否するSOURCE MUSICは公式立場を出せ」「職務を放棄したSOURCE MUSICに資格はない」とも訴えている。
もちろん、これらはファン側の一方的な主張であり、SOURCE MUSIC側がそうした指摘を認めたわけではない。

ただ、少なくとも一部のファンは、宮脇咲良がLE SSERAFIMの中心メンバーの一人でありながら、個人活動やブランド活動、悪質コメント対応、会社とのコミュニケーションの面で十分に守られていないと感じているようだ。
実際、トラックデモの告知文でも、ファン側はLE SSERAFIMのデビュー以降、宮脇咲良が不公平な待遇を受け、リソース配分や個人発展の機会に偏りがあったと主張している。
さらに、ファンが何度も意見を伝えてきたにもかかわらず、所属事務所が意味のある回答や支援を示さなかったとしている。たしかに2023年7月から8月にかけて、同じようなトラックデモの動きがあった。
こうした文面だけを見ると、典型的な“事務所への抗議デモ”に見える。
しかし、今回のトラックデモには、もう一つの側面があった。
「あなたの舞台はここだけではない」
それは、宮脇咲良本人に向けられたメッセージだ。
「サクラ、あなたの舞台はここだけではありません。もっと広い世界が、すでにあなたを待っています」
「世界が今あなたに十分温かくなくても大丈夫。あなたが本当に望む道を歩いてください」
「人生があなたをどこへ導こうとも、私たちはいつも変わらずあなたを愛します」
「ALL FOR SAKURA. ONLY FOR SAKURA. 私たちはいつもあなたのそばにいます。これからは、自分自身のために生きてほしい」

これらの文言は、会社に向けた抗議文とは明らかに温度が違う。そこにあるのは、「今の事務所でもっと良い待遇を受けてほしい」という要求だけではなく、宮脇咲良の次の選択まで見据えたような言葉だ。
この点が、今回のデモを少し異様に見せている。
ファンはSOURCE MUSICに改善を求めながらも、同時に宮脇咲良には「別の道を選んでもいい」と語りかけているように見える。告知文でも、ファン側は「会社の態度が突然変わるという非現実的な期待はもう持っていない」「特定の成果を得ることに集中しているわけではない」と説明している。
つまり、これは会社を動かすための抗議であると同時に、宮脇咲良本人へ向けた“覚悟の応援”でもあるのかもしれない。
そもそも宮脇咲良は、LE SSERAFIMのメンバーである前に、すでに長いキャリアを持つスターだ。
HKT48、AKB48、IZ*ONEを経て、LE SSERAFIMとして再デビューした彼女は、日本、韓国、中国圏まで広く知られ、個人ファンダムも強い。
だからこそ、一部のファンは彼女の個人活動にも敏感になる。LE SSERAFIMとしてのグループ活動が成功していても、宮脇咲良個人の露出、ブランド活動、広告、ソロでの機会が十分かどうかは、ファンにとって別の問題だ。
特に彼女ほど長く活動し、何度もキャリアを作り直してきたメンバーであれば、「もっと個人としての可能性を広げられるはずだ」と考えるファンが出るのも自然なことだろう。
今回のトラックでは、「ブランドラブコールを拒否した」「活動機会を奪った」といった表現まで使われている。これが事実として確認されたわけではないが、ファン側がそう受け止めるほど、個人活動の少なさや会社の方針に不満を抱いていることは伝わってくる。
“もっと広い世界”という言葉の重さ
一方で、こうしたトラックデモに対する受け止め方は、ファンの間でも一枚岩ではない。
ネット上では、「トラックデモだけでは会社は動かない」「記事化して拡散したほうがいい」「会社は株価に悪影響が出ない限り動かない」といった声がある。
他にも、「トラックデモは本人に悪影響を与える可能性がある」「そのお金を投票や応援に使ったほうがいいのではないか」といった疑問も出ている。

宮脇咲良への待遇に不満を持つファンがいる一方で、抗議の方法としてトラックデモが最善なのかについては、意見が割れている状況だ。
特に今回のように、本人へ向けた「あなたの舞台はここだけではありません」というメッセージまで掲げられると、受け止め方はさらに複雑になる。
それを心強い応援と見る人もいるだろう。一方で、LE SSERAFIMのメンバーとして活動している本人にとって、負担にならないかと心配する人もいるはずだ。
いずれにしても、今回のトラックデモで最も印象に残るのは、やはり「もっと広い世界があなたを待っています」という言葉だ。
これは、SOURCE MUSICへの不信と、宮脇咲良の可能性への信頼が同時に込められた言葉に見える。
宮脇咲良が今後どんな道を歩むのかは、本人が決めることだ。ただ、少なくとも一部のファンは、今いる場所だけが彼女の居場所ではないと考えている。
「もっと広い世界があなたを待っています」は、応援であり、抗議であり、そして所属事務所への最後通告のようにも響く。
◇宮脇咲良 プロフィール
1998年3月19日生まれ。鹿児島県出身。HYBE初のガールズグループLE SSERAFIM(ル セラフィム)のメンバー。2011年にHKT48の1期生オーディションに合格、2014年にAKB48との兼任が発表され、数々のヒット曲を生んだ。その後、2018年8月に放送された韓国Mnetのオーディション番組『PRODUCE 48』を通じてIZ*ONE(アイズワン)のメンバーとしてデビューし、2021年4月まで活動。2022年3月にHYBE傘下のSOURCE MUSICと専属契約を締結し、同年5月にLE SSERAFIMのメンバーとしてデビューした。テレビ番組などを通じてたびたびプロ意識の高さを見せ、気配り上手であることも相まってファンの間では“宮脇プロ”と呼ばれるほど。
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