公開前に叩かれまくった韓国ドラマ、大ヒットで“手のひら返し” 「正義の批判」は本当に正しかったのか | RBB TODAY

公開前に叩かれまくった韓国ドラマ、大ヒットで“手のひら返し” 「正義の批判」は本当に正しかったのか

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公開前は、ほとんど“袋叩き”状態だった。

だが、ふたを開けてみると、反応はまるで違っている。

【写真】なぜ『鉄槌教師』はここまで“袋叩き”にされるのか

Netflixシリーズ『鉄槌教師』が、配信直後から韓国で大きな反響を呼んでいる。

6月5日に公開された同作は、公開翌日にNetflix「今日の韓国TOP10シリーズ」1位を記録。さらに6月1週目のTV-OTT統合ドラマ話題性では2位に入り、主演のキム・ムヨルはドラマ出演者話題性1位に立った。

しかも、単に「話題になっている」だけではない。

視聴者からは「痛快だ」といった反応が相次ぎ、キム・ムヨルには「人生キャラ」という評価まで出ている。公開前には「なぜこの作品に出るのか」と批判されていた俳優が、公開後には作品の中心として絶賛されているわけだ。

この落差は、かなり大きい。

『鉄槌教師』をめぐる公開前の批判は、本当に正しかったのか。あるいは、作品を見る前に、原作の過去だけでドラマと俳優を裁きすぎていたのではないか。

公開直後からNetflix韓国1位に

『鉄槌教師』
(画像提供=Netflix)『鉄槌教師』

『鉄槌教師』は、被害者の側に立って学校を立て直す「教権保護局」の活躍を描くNetflixシリーズだ。教育現場で起きるさまざまな問題を、教権保護局の監督官たちが解決していく物語である。

主演のキム・ムヨルは、教権保護局の監督官ナ・ファジン役を演じた。

『鉄槌教師』は公開から一日でNetflix「今日の韓国TOP10シリーズ」1位を記録。さらに、6月9日にグッドデータコーポレーションが発表した6月1週目のTV-OTT統合ドラマ話題性では、作品がドラマ部門2位、キム・ムヨルが出演者部門1位に入った。

同作の初週話題性スコアは5万4881点。これは今年公開されたNetflixオリジナルシリーズのなかで、最も高いオープニングスコアだという。

加えて、ニュース部門と動画部門でも1位を記録した。キム・ムヨルだけでなく、チン・ギジュ、イ・ソンミン、ピョ・ジフンも出演者話題性TOP10に入っており、作品全体への関心の高さが数字にも表れている。

グッドデータコーポレーション側は、ネットユーザーの反応について「肯定的な割合が高かった」と分析している。作品を見た視聴者からは「痛快だ」「サイダーだ」といった反応に加え、現実の問題への共感や多様な討論が出ており、早くもシーズン2への期待が高まっているという。

『鉄槌教師』出演者
(写真提供=OSEN)『鉄槌教師』に出演したキム・ムヨル、イ・ソンミン、チン・ギジュ、ピョ・ジフン(左から)

作品への好反応は、一般視聴者だけにとどまらない。

キム・ムヨルがSNSに『鉄槌教師』のビハインドカットを投稿すると、同僚芸能人たちも反応した。

女優キム・ヘスは、炎の絵文字を連ねて応援のコメントを残した。キム・ヘスはNetflixシリーズ『未成年裁判』で、キム・ムヨル、ホン・ジョンチャン監督、イ・ソンミンらと共演・協業していた縁もある。それでも、韓国を代表する俳優の一人である彼女が公開後のタイミングで反応を示したことは、作品の評価を後押しするものとして受け止められている。

さらに、SUPER JUNIORのキム・ヒチョルも『鉄槌教師』に強い反応を見せた。彼はキム・ムヨルの投稿にコメントしただけでなく、劇中でいわゆる“迷惑な保護者”役として登場した女優パク・ジヨンのSNSにも「ここにも悪口を書きそうになった。めちゃくちゃ悪口を言いながら楽しく見た」という趣旨のコメントを残し、作品への没入ぶりを見せた。

もちろん、有名人が褒めたから作品が正しいという話ではないが、少なくとも公開後の『鉄槌教師』が、視聴者だけでなく業界内からも好意的な反応を引き出していることは確かだろう。

キム・ヘスとキム・ヒチョル
(写真提供=OSEN)キム・ヘス(左)とキム・ヒチョル

公開前に「問題作」として語られたドラマが、公開後には視聴者だけでなく、スターたちからも反応を引き出している。

この変化は見逃せない。

公開前には“出演俳優”まで叩かれていた

そもそも『鉄槌教師』は、公開前から強い逆風を浴びてきた作品だった。

理由は、原作である同名ウェブトゥーンが“問題作”だったからだ。

原作『鉄槌教師』は、教権崩壊を背景に、教育部傘下の「教権保護局」から派遣された監督官が、問題を起こす学生、教師、保護者を相手に“鉄槌”を下していく物語として知られていた。

ただ、その内容は長く論争を呼んできた。原作では、学校現場の問題を体罰や暴力によって解決するような描写が批判された。さらに、フェミニズムを教える女性教師を問題ある存在のように描いた場面、人種差別的表現をめぐる批判もあった。

北米プラットフォームでは連載中断に追い込まれ、韓国国内でも一部エピソードが削除されたと報じられている。

つまり、公開前の批判には理由があった。体罰正当化、人種差別、女性嫌悪。原作が背負ってきた問題は、決して軽くない。

原作『鉄槌教師』
(画像=NAVERウェブトゥーン)原作『鉄槌教師』

そのため、Netflixでドラマ化されることが伝えられると、教職員団体や市民団体からも批判が出た。作品そのものだけでなく、「なぜNetflixがこの原作を選ぶのか」という疑問も向けられた。

さらに批判は、出演俳優にまで及んだ。

当初、主人公ナ・ファジン役にはキム・ナムギルの名前が挙がっていた。しかし、原作の問題性を理由にファンから反対の声が上がり、キム・ナムギルは「多くの人が不快に感じるなら、そういう作品はやらないのが正しいと思う」といった趣旨で出演を辞退した。

その後、同役を引き受けたのがキム・ムヨルだった。

すると、矛先はキム・ムヨルにも向かった。「なぜこの作品を選んだのか」「原作の問題を知らないのか」といった批判が寄せられ、作品を見る前から、俳優の判断そのものが問われる空気が生まれていた。

キム・ムヨル
(写真提供=OSEN)キム・ムヨル

ここで誤解してはいけないのは、公開前の批判がすべて無意味だったわけではないということだ。

原作に問題視される要素があったのは事実だろう。体罰を“痛快な解決”として描くことへの違和感、女性嫌悪や人種差別的表現への批判は、現代のコンテンツに向けられて当然の視線でもある。

実際、Netflix側や制作陣も原作への懸念を把握していた。

制作発表会でホン・ジョンチャン監督は、原作への懸念に共感するとし、「整えられた視線」で良い物語を作ろうと努力したと説明した。キム・ムヨルも「俳優は作品で語る人だと思う。この作品を見て、作品を通じて私の真心をわかってほしい」と語っていた。

つまり、批判があったからこそ、制作陣は原作をそのまま映像化するのではなく、問題点を意識して作り直す必要に迫られたともいえる。

その意味で、批判そのものは必要だった。ただし、問題はその先だ。

公開前の段階で、まだ多くの人がドラマを見ていないにもかかわらず、「この作品はダメだ」「出演する俳優もダメだ」と結論を出しすぎてはいなかったか。『鉄槌教師』の公開後の評価を見ると、その疑問が浮かぶ。

少なくとも公開後の反応を見る限り、Netflix版は、原作の問題作ぶりをそのまま再現しただけの作品とは受け止められていないようだ。視聴者は、被害者の側に立つ物語、現実の教育問題への共感、そしてキム・ムヨルの演技に反応している。

「痛快だ」という評価が出ているのは、単に暴力を楽しんでいるからではない。理不尽な状況に置かれた被害者が守られること、現実では簡単に解決されない問題にドラマ的な答えが示されることに、視聴者がカタルシスを感じているからだろう。

“正義の批判”は本当に正しかったのか

『鉄槌教師』をめぐる騒動が興味深いのは、公開前と公開後で評価の重心が大きく変わった点だ。

公開前、作品は原作の問題性によって語られていた。公開後、作品はNetflix版としての完成度、俳優の演技、視聴者が感じる痛快さによって語られている。この差は大きい。

もちろん、公開後にヒットしたからといって、公開前の批判がすべて間違いだったとはいえない。原作の差別的表現や暴力性への批判は、今も無効になったわけではない。

それでも、作品を見る前からドラマそのものを断罪し、出演俳優の倫理観まで決めつけることが、本当に正しかったのかは別の問題だ。

キム・ムヨルは公開前、「なぜこの作品に出るのか」と問われた。だが公開後には、彼のナ・ファジンが「人生キャラ」と評価されている。

『鉄槌教師』
(写真提供=Netflix)『鉄槌教師』

これは単なる“手のひら返し”というより、作品はやはり作品そのもので判断されるべきだという、当たり前の事実を突きつけているようにも見える。

原作の過去を問うことは必要だが、その過去だけで、まだ公開されていないドラマと俳優の判断を裁き切ってしまうことには危うさがある。

結果的にドラマ『鉄槌教師』は、言葉ではなく作品で答えを出し始めている。

公開後の反応を見る限り、視聴者は、原作の問題性をそのままドラマに重ねるのではなく、Netflix版『鉄槌教師』を別の作品として受け止めているようだ。

公開前に叩かれまくった作品が、公開後に評価を覆す。その展開は、いかにもドラマ的でもある。

公開前の“正義の批判”は、本当にどこまで正しかったのか。その問いを突きつけているのは、ほかでもなく、批判の中心にいた『鉄槌教師』自身だ。

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《スポーツソウル日本版》

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