ついに幕を開けた2026年北中米ワールドカップ。海抜1571メートルのメキシコ第二の都市グアダラハラ近郊のアクロン・スタジアムを舞台に、全く異なるアプローチで準備を進めてきた韓国代表とチェコ代表が激突する。
この一戦の最大の見どころは、両チームが選択した「高地対策」のコントラストだ。酸素濃度の低い高地での試合は、ボールの軌道や選手の疲労度に多大な影響を及ぼすとされるが、ホン・ミョンボ監督率いる韓国は完全なる「順応」を選んだ。
5月19日から海抜約1460メートルの米国ソルトレイクシティで高地キャンプを張り、入念に体を慣らしてきたチームは、6月6日に決戦の地へ乗り込んだ。昨日の会見でホン・ミョンボ監督は、「当初は高地適応に苦労する選手もいたが、今は全体的に適応できた。選手たちは高地に順応できたという安心感と自信を持っている」と語り、準備の成果に胸を張った。

一方、4月のヨーロッパ予選プレーオフで本戦出場を勝ち取ったチェコは、キャンプ地の選択肢が限られていたこともあり、大胆な「回避」戦略を採った。直前まで海抜150メートルのアメリカ・ダラスでキャンプを行い、高地での疲労蓄積を避けることを最優先とした。試合前日の6月11日になってようやくグアダラハラ入りするという極端なスケジュールを組んだのだ。
この対照的なアプローチは、前日練習にも表れた。試合会場で行われる公式の「芝適応セッション」にチェコが参加してグラウンドの感触を確かめたのに対し、韓国はこれをスキップしたのだ。
韓国がベースキャンプとしている練習場が、アクロン・スタジアムと同じバミューダグラス(高温多湿に強い短めの芝)を使用しており、硬いピッチの特性に十分慣れていることと戦術の最終確認に時間を割くという実利を優先したのだろう。
しかし、韓国代表に不安材料がないわけではない。試合を目前に控えた昨日、ウォーミングアップ中にDFキム・テヒョン(鹿島アントラーズ)が足首を負傷するアクシデントに見舞われた。
3バックの左CBとして先発が濃厚視されていたスピードと空中戦に長けた主力DFの離脱は極めて大きな痛手であり、グループリーグ3試合の出場は絶望的とみられている。
代役にはイ・ギヒョク(江原FC)やチョ・ウィジェ(全北現代)が急浮上しているが、急造の守備陣がチェコの規格外の「高さ」にどう対抗するかが勝敗を分ける鍵となる。ホン監督は会見で「先発メンバーは明確に決断できている」と強気な姿勢を崩していないが、その危機管理能力が問われることになる。
対するチェコの中盤の要となるのが、イングランドのウェストハムで活躍する192cmのMFソウチェクだ。前日の練習前、ソウチェクは韓国の絶対的エース、ソン・フンミンとの対決について言及した。ソウチェクは「ソン・フンミンとは何度か対戦し、互いに良い試合をした記憶がある。ワールドカップでの再戦が楽しみだ」と敬意を示しつつ、「我々は高地についてもたくさん話し合い、対策のトレーニングをしてきた。準備はできている」と自信をのぞかせた。
時間をかけて高地に順応し、組織力を高めてきた韓国か。それとも、高地の疲労を避けて直前入りし、圧倒的なフィジカルを前面に押し出すチェコか。全く異なるプロセスを歩んできた両チームの選択、どちらが正解だったのか。その答えは、まもなくピッチの上で明らかになる。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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