北中米ワールドカップ・グループF第2戦でチュニジアに大勝した森保ジャパン。その見事な戦いぶりを韓国の英雄パク・チソン氏が絶賛したことは、日本でも各メディアを通じてすでに大きく報じられている。
だが、隣国の躍進に言及しているのはレジェンドだけではない。今大会を戦う韓国代表の現役選手もまた、日本代表について口を開いた。
【画像】日本代表4-0勝利の裏で韓国教授が“旭日旗応援”に怒り
初出場のW杯で韓国代表の最終ラインを支える24歳のDFイ・ハンボム(ミッティラン)だ。

アジア大会で日本とも戦った大型CB
2002年生まれの彼は、2021年にFCソウルでプロデビューを果たすと、ビルドアップ能力と対人戦の強さで頭角を現し、次世代の大型センターバックとして期待を集めた。
2023年夏にデンマークのミッティランへ移籍し、2025-2026シーズンは主力CBとして公式戦49試合に出場。デンマーク・カップ決勝では日本代表DF鈴木淳之介擁するコペンハーゲン相手に決勝点となるヘディングゴールを決め、チームのタイトル獲得にも貢献した。
代表においても世代別から着実にステップアップしてきた。2019年U-17W杯で10年ぶりのベスト8進出を経験したほか、2023年杭州アジア大会では決勝で日本を下し、金メダル獲得で兵役特例の恩恵を受けた。
2025年6月に行われたクウェートとの北中米W杯アジア最終予選でA代表デビューを飾ると、その後もメンバーに定着し、そのままW杯本大会のメンバーにも選ばれた。
今大会ではDFキム・ミンジェ(バイエルン・ミュンヘン)らとともに3バックの右CBとして定位置を確保。ここまで第1節のチェコ戦、第2節のメキシコ戦と連続でフル出場を果たしている。
そのイ・ハンボムが6月23日(日本時間)、メキシコ・モンテレイ郊外のエスタディオ・ウニベルシタリオで行われた記者会見に出席。25日に控えた第3節南アフリカ戦に向けた意気込みなどを語った。

「日本は欧州組も多いが、だからといって…」
メキシコ戦では、開幕戦で1ゴールを決めた相手のエースFWフリアン・キニョネス(アル・カーディシーヤ)と対峙。「キニョネスを過度に意識はしなかった。(キム・)ミンジェ兄さん、(イ・)ギヒョク兄さんとしっかり準備して防いだだけだ。運も味方した」とマッチアップを振り返った。
一方で、“決定的瞬間”での後悔も口にした。後半5分、GKキム・スンギュ(FC東京)がハイボール処理時にDFイ・ギヒョク(江原FC)と交錯してボールをこぼし、痛恨の決勝点を許したシーンだ。
「スンギュ兄さんとギヒョク兄さんがたくさん話しているのを見た。ああいう状況は起きてはならない。自分も当時ゴールの近くにいたので、もう少し準備していれば防げたのではないかという思いがあり、悔しかった。もっとしっかり準備しなければならないと考えた」
自らの責任ではない不運な失点に対しても、「自分が防げたかもしれない」と自責の念を口にする姿勢は、彼の責任感の強さを物語っている。
そして冒頭でも触れた通り、イ・ハンボムは会見中に日本代表について問われ、冷静な分析を示した。日本代表がチュニジア代表を4-0で破ったエスタディオ・モンテレイは、韓国代表と南アフリカ代表の最終節が行われる舞台でもある。
W杯におけるアジア勢の1試合最多得点記録も塗り替えた森保ジャパンの戦いぶりについて聞かれたわけだが、彼は「日本は我々より欧州のチームに所属する選手、経験のある選手が多いが、だからといって日本の選手を憧れるなど、そういったこともない。自分たちがやることをしっかり準備するということだけを考えている」とコメントした。表情を変えず、至って淡々と話す様子が印象深かった。

そんなイ・ハンボムは、引き分け以上でベスト32に進出が決まる南アフリカ戦に向けて静かに闘志を燃やしている。「引き分けるという考えは絶対にない。無条件で勝つ。安易な考えはない。もっと高い位置に行きたい。良い結果と内容をお見せしたい」と、やはり冷静な口ぶりで決意を伝えた。
また、昼間の気温が34度に達するモンテレイでの戦いとなるが、「飛行機を降りるなり暑くて湿気があると感じた。運動してみて呼吸の状態を確かめなければならない」と着実に環境への適応を進めることを明かした。
欧州の地で着実に成長し、大舞台で韓国の最終ラインを支えるイ・ハンボム。南アフリカとの大一番でも堅固な壁となり、自国を決勝トーナメントに導くことを期待したい。


