“スターバックス騒動”から何も学ばなかったのだろうか。
韓国の高校野球界が騒然としている。
韓国で最も長い歴史を持つ高校野球大会「青龍旗全国高校野球選手権大会」で、培材(ペジェ)高校の選手が「5・18民主化運動」を揶揄するような野次を飛ばしたことが問題視されている。
被害を受けた光州(クァンジュ)第一高校のチョ・ユンチェ監督は7月1日、ラジオ番組『パク・ソンテのニュースショー』に出演し、「あのような掛け声が出たのは今回が初めてだった」と困惑した様子を見せた。そして、「試合中は興奮して相手と口論になることもあるが、当時は単なる冷やかし程度だと思っていた」と振り返った。

また、「試合中、うちの選手たちと培材高校の選手たちの間で口論に発展しそうな雰囲気があった」としながらも、「まずは試合を終えることが最優先だと判断した。選手たちを落ち着かせながら試合を終えた」と、試合の進行を優先したことを明かした。
特に、「騒動が大きくなったことで、選手たちは大きな衝撃を受けている」と述べ、「練習やプレーにも影響が出ているのは事実だ。問題が円満に収束し、次の試合に集中できるようになってほしい」と選手たちを気遣った。
最後に、「今回の件をきっかけに、応援文化やアマチュア野球がよりフェアプレーの精神を守るようになってほしい」と願いを語り、「自分のチームを応援する文化自体は良いことだが、相手を侮辱したり傷つけたりする言葉を使わないよう、指導者が選手たちに教育してほしい」と呼びかけた。
問題となったのは、6月30日にソウル・木洞(モクトン)野球場で行われた「第81回青龍旗全国高校野球選手権大会」兼、週末リーグ「王中王戦」での出来事だ。この試合で培材高校の選手たちは、対戦相手である光州第一高校に向かって「スターバックスに行かなきゃ」「タンクデー」などの野次を飛ばしたとされる。
「タンクデー」とは、1980年5月に光州で発生した5・18民主化運動を想起させる言葉として知られている。当時、民主化を求める市民や学生らに対して戒厳軍が投入され、多くの死傷者が出た。現在の韓国では、民主化の歴史を語るうえで欠かせない出来事として記憶されている。
今年5月には、スターバックスコリアが「タンクデー」というイベント名と、「机をタッ!」というキャッチコピーを用いたプロモーションを展開し、大きな批判を浴びた。「タンクデー」という名称は、戒厳軍による戦車投入を連想させるとの指摘が相次ぎ、キャッチフレーズは1987年の朴鍾哲さん拷問致死事件をめぐる当局の有名な釈明を想起させるとして問題視された。

この騒動の余波は芸能界にも及び、スターバックスの商品を購入したり、SNSや配信でスターバックスのドリンクを飲んだりした芸能人が批判を受ける事態にも発展した。
なお、韓国野球・ソフトボール協会は同日、スポーツ公正委員会を開き、培材高校への懲戒処分の有無や残り試合の開催可否などについて協議する予定だ。
また、培材高校側も「倫理意識と歴史認識の欠如から生じた重大な問題と受け止めている」としたうえで、「光州第一高校野球部員と関係者、光州市民、そして国民の皆さまに深くおわび申し上げる」と謝罪している。


