韓国代表はなぜグループリーグ敗退に終わったのか。
理由はいくつもあるが、その一つとして挙げられるのが3バックの運用だ。
韓国は北中米W杯をグループリーグ敗退という結果で終えた。今大会は48チーム制で行われたが、韓国は過去最低順位となる34位という不名誉な成績で大会を去っている。
韓国は今大会の全試合で3-4-2-1を採用した。しかし、ホン・ミョンボ監督が就任当初に主戦術としていたのは4-2-3-1だった。
方向転換のきっかけとなったのは、中盤の軸となるべきパク・ヨンウやウォン・ドゥジェら守備的MFの相次ぐ負傷だった。

W杯本大会を前に「一つの戦術だけでは戦えない」と語っていたホン監督は、2025年のE-1選手権から3バックのテストを開始。当初はプランBとして導入されたものが、次第にチームのベースシステムへと変わっていった。
近年は可変システムの普及などによって3バックを採用するチームが増えている。日本代表もその流れに乗り、今大会を3バックで戦った。
日本との違い
だが、韓国の3バックは日本とは大きく異なっていた。キム・ミンジェを軸に、どちらかといえばフィジカルや守備力を重視した人選だったといえる。しかも、3バックの顔ぶれはイ・ハンボム(188cm)、キム・ミンジェ(190cm)、イ・ギヒョク(184cm)という高さのある3人でほぼ固定されており、変更があったのは最終戦で、後半途中にキム・ミンジェに代わってパク・ジンソプ(183cm)が起用された場面くらいだった。
一方の日本は、冨安健洋、伊藤洋輝、板倉滉、瀬古歩夢ら、中盤でもプレーできるほど技術と配球能力に優れたDFを揃え、相手や試合展開に応じて柔軟に使い分けていた。特に冨安や伊藤は積極的な縦パス、ロングフィードで攻撃の起点となり、ビルドアップも担っていた。
ホン監督も変化を試みなかったわけではない。W杯最終メンバーにサプライズ選出したイ・ギヒョクを軸に可変システムを導入。開幕前のトリニダード・トバゴ戦では左ストッパーとして起用し、攻撃時には左サイドバックのように振る舞わせた。
その形はチェコとのグループリーグ初戦で一定の効果を見せた。しかし、続くメキシコ戦と南アフリカ戦では相手にサイドを封じられ、攻撃は停滞した。

特に南アフリカ戦では、後半開始からソン・フンミンを左シャドー、イェンス・カストロップを左ウイングバックに配したものの、効果的な連係は生まれなかった。カストロップが大外でボールを受けても選択肢が乏しくビルドアップできず、韓国の左サイドは機能不全に陥っていた。
それでもホン監督は大きなシステム変更を行わなかった。後半18分頃に南アフリカが先制したあと、4バックへ移行してサイド攻撃に厚みを加えるなど、試合の流れを変える選択肢もあった。しかしホン監督は最後まで3バックにこだわり続け、得点を奪えないまま敗れた。
試合後、南アフリカ代表のヒューゴ・ブロース監督は「韓国は予想通りの戦い方をしてきた」と語った。それほど韓国の攻撃は単調で、相手に研究され尽くしていたということだ。
では、その過程で外国人コーチ陣は何をしていたのだろうか。
機能しなかった欧州コーチ陣
ホン監督は今大会、2014年ブラジルW杯に続いて外国人コーチとともに戦った。しかし、今回も目に見える成果は得られなかった。
ブラジル大会ではアントン・ドゥ・シャトニエ氏(オランダ)、デニス・イワムラ氏(ブラジル)ら分析スタッフを招へいしたものの、グループリーグ第2戦でアルジェリアに2-4で敗れるなど、相手分析と対策に失敗した。
今回も状況は似ている。就任当初から外国人コーチ招聘に力を注いだホン監督は、ジョアン・アローゾヘッドコーチ、チアゴ・マイア戦術分析コーチらポルトガル人スタッフを迎え入れた。

特にアローゾコーチは韓国代表に3バックを浸透させる中心人物とされていた。しかし、本大会までに十分な完成度へ到達させることはできなかった。
さらに今年4月にはポルトガルメディアとのインタビューで、自らを「現場監督」と表現し、韓国国内で物議を醸した。ホン監督を補佐する立場でありながら、まるで自身がチームを率いているかのような発言だったからだ。
ホン監督は外国人コーチ陣の招聘に際し、「最新トレンドを反映した柔軟かつ能動的な戦術運営をサポートしてもらう」と説明していた。
だが結果的に、韓国代表の3バックは時代の流れに乗り切れず、試合中の修正力も欠いた。ベンチワークを含めた戦術運営は期待を大きく下回ったと言わざるを得ない。外国人コーチ招聘も、結果的には機能しなかった。
もっとも、その責任の大部分はチーム全体を統括したホン監督自身にあるのだが。


