ファン・ハナが一審で実刑を免れた。
覚醒剤事件を起こし、国外逃亡まで図った再犯者であるにもかかわらずだ。
水原地裁安養支院刑事第3単独のパク・ジュンソプ部長判事は7月9日、「麻薬類管理に関する法律違反」などの罪で起訴されたファン・ハナに対し、罰金4000万ウォン(約400万円)と追徴金2万ウォン(約2000円)を言い渡した。
判決後、裁判所が釈放を命じると、ファン・ハナは顔を覆いながら涙を拭ったとされている。
彼女は韓国3大乳業メーカーの一つとされる「南陽乳業」創業者の孫であることから、“ミルク姫”の異名で知られる。また、元東方神起のパク・ユチョンの元婚約者としても有名だ。

ファン・ハナは2023年7月、ソウルのマンションで知人2人に覚醒剤の使用を勧め、自ら注射器で投与したとして起訴された。
捜査が始まると同年12月にタイへ出国。その後、パスポートが無効化され、ICPO(インターポール)による赤手配が出されたにもかかわらず帰国せず、カンボジアに不法入国していたことが明らかになった。
その後、昨年末に自ら出頭の意思を示したことで、韓国警察がプノンペン国際空港へ向かった。ファン・ハナは韓国行き航空機内で逮捕されている。
当時、ファン・ハナはカンボジアで出産した子どもに対する責任を果たしたいとの思いから帰国を決意したという趣旨の説明をしていた。
そうしたなか、今回裁判所が実刑ではなく罰金刑を選択した理由にも注目が集まっている。ファン・ハナにはすでに複数回の薬物犯罪による前科があるためだ。
裁判所の見解
ファン・ハナは2015年の薬物使用容疑により、2019年に懲役1年・執行猶予2年の判決を受けた。その後、執行猶予期間中に再び薬物を使用したとして起訴され、2022年には最高裁で懲役1年8カ月の実刑が確定し、服役している。
先立って今年3月に行われた初公判で、ファン・ハナは公訴事実をすべて否認していた。
だが裁判所は、「被告は同種の犯罪で実刑を終えて間もない時期に再び犯行に及んだ」と指摘した。
ただ、量刑では別の事情も考慮された。裁判所は「知人の依頼を受けて投与した点、覚醒剤の使用量が比較的少量だった点などを踏まえると、相対的に犯行の重大性は大きくない」と判断した。
また、ファン・ハナ本人の薬物使用容疑については、証拠不十分などを理由に無罪と判断した。一方で、知人に薬物を投与した容疑などについては有罪と認定した。
海外逃亡についても、裁判所は単純な“高飛び”目的とはみなさなかった。「捜査開始後に海外へ出国したのは、捜査から逃れるためというよりも、社会的関心や重圧から逃れようとしたものとみられる」と説明。さらに、「知人への投与後に残っていた覚醒剤を自らに追加使用しなかった点も考慮した」と付け加えた。
今回の判決は、同種前科や海外逃亡の事情がありながらも、犯行の具体的経緯や覚醒剤の使用量、本人使用容疑を巡る証拠関係などを総合的に勘案し、罰金刑を言い渡した事例となった。
今後、検察が控訴した場合、量刑の妥当性は二審で改めて争われる見通しだ。


