今回紹介するのは、軽キャンピングカーの車内を仕事場にしている人の作業デスクだ。
元新聞社の競馬記者として活躍し、現在は独立してYouTubeチャンネル「Horse racing x van life.」を運営する鈴木ショータさん。定住をやめ、軽キャンピングカー「インディ727」とホテル暮らしを行き来しながら、日本各地を旅打ちする30歳の競馬記者だ。週末のG1レースに向けた予想原稿は、立ち寄り先の駐車スポットや北海道の風景の中で書き上げられる。
軽キャンピングカーという限られた空間でどのように快適なパソコン作業環境を実現しているのか。ソーラー発電による電力自給、延長テーブルを使ったゾーニング、そして車中ワークならではの機材選びなど、軽キャン愛好家はもちろん、車内で作業をする人にとって参考になる工夫が詰まっている。
太陽を味方につける!ソーラーパネルで電力自給するオフグリッド作業環境
鈴木さんの車中ワークを支えているのが、屋根に搭載されたソーラーパネルによる発電システムだ。
「この木に止めれば太陽がちょうど正面なので、ソーラー発電もうまくいけそうなので、これでちょっと電気を作りながら、電力プラマイゼロで作業していこうと思います」
停車する位置を「太陽が正面に来る場所」に決めるのは、オフグリッド生活ならではの発想である。車内にはJackeryの1000Wクラスのポータブル電源と、同じくJackeryの700Wクラスのポータブル電源の2台体制でバッテリーを構築している。
電力を無駄にしないため、調理はIHではなくガスコンロで済ませ、電気は仕事に必要なパソコンへ優先的に回す。これぞ、限られたリソースを賢く配分する旅をする鈴木さんの知恵だ。

延長テーブルで実現する「食事・仕事・調理」の3wayゾーニング
軽キャンピングカーの狭い車内で快適に作業するために愛用しているのが自作の延長テーブルだ。既存のテーブルの側面に白い金属製の折りたたみブラケット(ロック式ヒンジ)を2つ取り付け、そこに濃い赤褐色の木製天板を接続することで作業面を大幅に拡張している。使わない時はブラケットを90度下方向に折り畳めば、天板が座席側面に沿って垂直に収納可能となっている。
「テーブルを広くしておいて良かったです。この延長テーブルがあるおかげで、こっちが食事スペースで、こっちが仕事の道具をそのまんま置きっぱなしにしておいてもなんとかなるので」
食事のたびにパソコンや資料を片付ける必要がなく、「作業の流れを止めない」導線が確保されているのがポイントである。
さらに、この延長テーブルは寝る時にはベッド展開の「足」として機能する優れもの。折り畳んだ状態で奥側の支えになり、テーブルを置いたままでも足を伸ばして寝られる設計になっている。限られたスペースでは、一つのアイテムに複数の役割を持たせる発想が欠かせない。

バッテリー内蔵モバイルモニターで、ポータブル電源に頼らないデュアルディスプレイ環境
競馬予想の作業効率を上げるため、鈴木さんはノートPCにモバイルモニターを接続したデュアルディスプレイ環境を車内に構築している。ここで注目すべきは、選ばれているモニターがバッテリー内蔵タイプであることだ。
「意外とポータブル電源がなくても6時間ぐらいしのげるんで。ほぼ1日ぐらいはなんとかなる備えはしております」
ノートPC本体のバッテリーで約6時間、モバイルモニターも内蔵バッテリーで約6時間駆動する。ポータブル電源の充電が切れたとしても、機材単体のバッテリーだけで丸1日は業務を継続できるという計算だ。停電・悪天候・想定外の長時間停車など、どんな状況でも「電源がなくて競馬予想ができない」という最悪の事態を回避するための、プロフェッショナルな備えといえるだろう。

停車スポット選びも仕事のうち
車中ワークで意外に重要なのが、停車する場所そのものの選び方である。鈴木さんが訪れた道の駅では、無料Wi-Fiが利用可能だった。
「今、道の駅のWi-Fiつなぐことができました。速度はね1.1Mbpsなので、かろうじて繋がってると言っても過言ではないので、動画とかは厳しいんですが、普通に使うことはできます」
動画視聴は厳しいものの、メールチェックや原稿執筆といった業務利用には十分。加えて、この道の駅には温泉・レストランも併設されており、生活と仕事が1か所で完結する理想的な環境だ。

仕事場は「場所」ではなく「工夫」でつくる
鈴木さんのデスクツアーが教えてくれるのは、快適な作業環境は広さや設備ではなく、工夫と発想で作れるということだ。
「狭いなりに工夫を楽しむっていうのも、大変なんだけどこのトライアンドエラー乗り越えるのが楽しいっていうのも、軽キャンピングカー生活の醍醐味ではないでしょうか」
在宅ワークやリモートワークで「部屋が狭い」「設備が足りない」と感じている人こそ、鈴木さんの車中デスクから学べることは多いはずだ。環境に左右されず、工夫次第でどこでも快適な仕事場は作れる。そんな前向きなメッセージが、この軽キャンから届いている。





