夏の“びしょ濡れフェス”が華やかに幕を閉じた。
しかし、今年もSNS上の“ウォーターボム”はまだ終わらない。
韓国の夏を代表する音楽フェス「ウォーターボム(WATERBOMB)ソウル2026」が、7月24日から26日までの3日間、京畿道高陽市のKINTEX屋外グローバルステージで開催された。
今年も多くのアーティストが水しぶきの中で華やかなステージを繰り広げ、現場を熱く盛り上げた。
だが、ウォーターボムが毎年のように生むのは、歓声だけではない。称賛と同時に、過激な衣装や演出をめぐる論争もまた、フェスを象徴する話題となった。
今年、その中心に立ったのが、歌手のBIBIだ。
BIBIの“19禁演出”に賛否
BIBIは7月25日、白いタイトなジャンプスーツ姿でステージに登場し、『Bam Yang Gang』『Vengeance』などのヒット曲を披露した。

ウォーターボム特有の水を浴びながらのパフォーマンスと、彼女らしい挑発的な表現が合わさり、現場の熱気は一気に高まった。
議論を呼んだのは、公演中盤の演出だった。BIBIは男性ダンサーたちの間で膝をつき、濡れたジャンプスーツのジッパーを一部下ろして、内側に着用していたビキニトップを見せる演出を行った。
さらに、上半身を露出した男性ダンサーたちに囲まれた状態で、膝をついたままマイクを受け取る場面もあった。
現場では強烈なパフォーマンスとして歓声を浴びた。しかし、映像がオンラインに拡散されると、評価は大きく割れた。

一部からは「ウォーターボムの雰囲気に合っていた」「BIBIらしい破格のステージ」「ステージの掌握力が圧倒的だった」といった好意的な反応が出た。ウォーターボムが満19歳以上を対象とする成人向けフェスである以上、アーティストの表現に過度に厳しい物差しを当てるべきではないという意見もある。
一方で、「動作があまりに露骨だった」「ストリップショーを連想させる」「成人向けイベントであっても、SNSで全体公開されるなら話は別だ」といった批判も相次いだ。水着や露出度の高い衣装が珍しくないフェスであっても、今回の演出は性的な意味合いがあまりに直接的に読めたという指摘だ。
BIBIが論争まで計算していたのかは確認できない。ただ、結果的に彼女の名前はポータルサイトやオンラインコミュニティの上位に並び、今年のウォーターボムで最も大きな話題の一つとなった。
事故ではなく、明確な演出だったからこそ、賛否はより大きくなったともいえる。
カリナやパク・ジニョンも注目の的に
もちろん、今年のウォーターボムをBIBIの論争だけで語ることはできない。
aespaのカリナは、清涼感あふれるビジュアルとスポーティーなスタイリングで観客を引きつけた。

蛍光グリーンのスイムウェアに白いメッシュTシャツ、レオパード柄のショートパンツを合わせ、ステージでは大型の水鉄砲を手に観客と呼吸を合わせた。水しぶきの中でも崩れないパフォーマンスと華やかな存在感は、今年のポジティブな話題の一つだった。
KISS OF LIFEも、3年連続でウォーターボムのステージに立ち、強い印象を残した。
『Sticky』で会場の熱気を最高潮に引き上げ、発売を控える新曲『SWEAT』の一部も先行公開。ボディスーツにショートパンツを合わせた衣装や、ナッティとジュリーのキスパフォーマンスなど、自由で大胆なステージを見せ、“ウォーターボム女神”候補として存在感を高めた。

さらに、J.Y. Parkことパク・ジニョンも独自の存在感を放った。54歳とは思えない体力でステージを駆け回り、メッシュトップ姿で観客を沸かせた。

BIBIやカリナのような女性アーティストだけでなく、男性アーティストもまた、身体性やビジュアルで注目を集める場になっていることを示した。
ウォーターボムは、もはや単なる音楽フェスではない。短い動画で切り取られた数秒のパフォーマンスがSNSで拡散され、アーティストのイメージを一気に変えるステージだ。
2023年にはクォン・ウンビが同フェスをきっかけに“ウォーターボム女神”と呼ばれ、『Underwater』の音源チャート逆走につながるなど、新たな全盛期を迎えた。
つまり、今やウォーターボムは、スターを生む装置となった。普段の音楽番組では見せにくい大胆なスタイリング、観客との距離が近い水の演出、夏フェス特有の開放感。そのすべてが合わさったとき、アーティストは一夜にして新たなイメージを獲得することがある。
音楽性よりも視覚的刺激が拡散
しかしスターを生む装置は、同時に炎上を生む装置でもある。
問題は、現場が成人向けフェスであることと、映像が全年齢のSNS空間へ流れていくことの間に、大きなズレがある点だ。
現場では熱狂として受け止められた演出も、切り取られた動画として流通すれば、別の文脈で消費される。さらに無断撮影、過度な切り抜き、二次的なセクハラコメントにつながる危険もある。

また、ウォーターボムの話題が毎年のように「誰がどれだけ露出したか」「誰の演出が過激だったか」に集中することへの違和感も残る。音楽フェスでありながら、音楽性よりも視覚的刺激が先に拡散される構造が、アーティスト自身を縛ることにもなりかねない。
今年のウォーターボムは、BIBIの賛否、カリナの清涼感、KISS OF LIFEの躍動感、パク・ジニョンの衰えないエネルギーなど、さまざまな話題を残した。
称賛も論争も含めて、ウォーターボムは今年も“夏のK-POP”を象徴する舞台だった。だが、その熱狂の裏で問われているのは、音楽、身体表現、SNS拡散の境界線をどこに引くのかという問題でもある。
ウォーターボムは、スターを生む。同時に、スターを“見られる身体”として過剰に消費してしまう危うさも抱えている。
今年のウォーターボムも、その宿題を残したままだった。
■【写真】こぼれ落ちそう…クォン・ウンビの“びしょ濡れ”ステージ


