中古スマホ市場でiPhone SEが13か月首位の理由…「にこスマ」に聞く中古スマホ市場の今 | RBB TODAY

中古スマホ市場でiPhone SEが13か月首位の理由…「にこスマ」に聞く中古スマホ市場の今

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中古スマホ市場でiPhone SEが13か月首位の理由…「にこスマ」に聞く中古スマホ市場の今
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 RBB TODAYでは、株式会社Belongが運営する中古スマートフォン販売サービス「にこスマ」から提供される中古スマートフォン販売数ランキングを紹介している。その中で目を引くのが、iPhone SE(第3世代)の強さだ。直近のランキングでも同機種は1位となり、これで13か月連続の首位となった。

 発売からすでに4年が過ぎているiPhone SE(第3世代)だが、中古市場ではなぜこれほど支持され続けているのか。新品スマートフォンの価格が高騰し、中古端末への関心が高まるなか、にこスマのプロダクト事業部門マネージャーを務める遠藤幸馬氏に、中古スマホ市場の現状と今後について聞いた。

iPhone SEが支持される理由は「サイズ感」と「価格」

 iPhone SE(第3世代)が支持される理由として、遠藤氏が最初に挙げたのはサイズ感だ。

「大きめのスマホがどんどん増えてきている中で、あのサイズ感を維持しているものは少なくなっているという認識です。そのサイズ感が人気の理由になっていると思います」

 近年のスマートフォンは大画面化が進み、片手で扱いやすいコンパクトな端末は少なくなっている。iPhone SE(第3世代)は、そうした中で小型・軽量なiPhoneとして存在感を放っている。

 遠藤氏は、子ども用の端末やシニア層向けの端末としても、このサイズ感が評価されていると見る。

「小さいお子様でも持ちやすいサイズであったり、年齢層が上がるとスマホが重いという話にもなってきます。あのサイズだからこその軽さや持ちやすさを感じている方はいらっしゃると思います」

 スマホの高性能化が進む一方で、すべてのユーザーが大画面や最新機能を求めているわけではない。日常的に使いやすい大きさ、軽さ、持ちやすさが、あらためて評価されている。

2万~3万円台の価格帯も支持を後押し

 価格面も大きな理由だ。にこスマで販売されているiPhone SE(第3世代)は、容量などによって変動するものの、おおむね2万~3万円台。直近のランキングでは平均販売価格が3万1,788円となっており、新品スマートフォンと比べて手に取りやすい価格帯に収まっている。

 中古端末の場合、人気が高まれば価格が上がる可能性もあるが、遠藤氏は「基本的には古くなればなるほど金額は下がりやすい」と説明する。チップの世代やバッテリーの劣化など、端末としての経年による下落圧力があるためだ。

「需要があればもちろん上がる可能性はありますが、基本的にはその『下がり方』に負けるという認識です」

 発売から4年以上が経過したiPhone SE(第3世代)だが、中古市場においては「古すぎるという認識ではなく、少し古くなってきたぐらい」と遠藤氏は話す。価格と性能のバランスが、中古端末としてちょうどよい位置にあるといえそうだ。

「最後のホームボタン」が持つ価値

 iPhone SE(第3世代)を語るうえで欠かせないのが、ホームボタンの存在だ。同モデルは、ホームボタンを搭載した最後のiPhoneとしても知られている。

 現在のiPhoneはFace IDによる顔認証が主流だが、Touch IDによる指紋認証を好むユーザーも根強い。遠藤氏も、ホームボタンは人気の理由の一つだと話す。

「Face IDがあまり好みではない、扱いづらいと感じる方もいらっしゃると思います。その点、ホームボタンの指紋認証で開けられるiPhone自体に特異性があり、人気になる要因の一つだと思います」

 ホームボタンは、ガラケーからスマートフォンへ移行するシニア層にとっても分かりやすい。画面内のジェスチャー操作に慣れていないユーザーでも、物理的なボタンがあることで操作の起点が明確になる。

 子ども用、親世代用、サブ端末としての需要もあり、iPhone SE(第3世代)は「安いiPhone」というだけではなく、「扱いやすいiPhone」として選ばれている。

新品スマホの高騰で中古市場に追い風

 MM総研の調査によると、2025年度の中古スマートフォン販売台数は360.7万台(前年度比12.4%増)と7年連続で過去最高を更新。新品スマートフォンが2026年度以降は減少トレンドに転じると予測される一方、中古は2029年度に500万台超に拡大する見込みだ。新品と中古の合算に占める中古比率も2025年度は10.3%に達しており、スマートフォン選びの選択肢として中古が確実に存在感を増している。

 iPhone SE(第3世代)の人気も、この中古スマホ市場全体の広がりとも無関係ではない。新品スマートフォンの価格は年々上昇しており、端末購入の負担は増加している。

 遠藤氏は「金額が高くなってくると、さらに安いものが欲しいと思う方も多いので、中古に目が向くことはあると思います」と話す。

 BelongのCMOの冨田悠氏は、通信料金と端末代金の分離が進んだことも、中古スマホ市場の拡大を後押ししていると補足する。

「通信会社は通信回線、端末は端末で販売するという形になったことで、端末にきちんと値付けがされるようになりました。その中で、端末を検討する際に中古品をリーズナブルに使いたいというニーズも増えてきていると考えています」

 かつてはキャリアの販売施策によって、端末価格を意識しにくい時期もあった。しかし現在は、端末価格そのものが見えやすくなり、ユーザーが新品以外の選択肢を検討するきっかけになっている。

 さらに、円安や部品価格の上昇も新品価格に影響している。遠藤氏は「これまで新品でしか購入してこなかった方々にも、中古スマホが広がっていく可能性がある」と見る。

“詳しい人の買い方”から一般層へ

 中古スマホはかつて、ITデバイスに詳しい人が専門店で選ぶものというイメージも強かった。冨田氏は、そうした状況が変わりつつあると話す。

「これまでは、ITデバイスに詳しい方が秋葉原などの専門店で、リーズナブルに端末を買うという、詳しい方の特権のようなところがありました。そこがよりライトなユーザーさんにも広がっていく流れができてきていると思います」

 実際、通信キャリアが認定中古品(Certified)の取り扱いを強化したことも、裾野拡大を後押ししている。MM総研によると、キャリアの認定中古品の販売台数は2022年度から2025年度の間に約17.5倍に増加。「中古に縁がない人も、キャリアへの信頼感で購入ハードルが下がっている」という。

 また、にこスマでは、端末の状態を分かりやすく見せることや、安心して購入できる環境づくりを重視しているという。中古品に対する抵抗感は以前より薄れてきているものの、「誰かが使っていたものを使う」ことに不安を覚える人はまだいる。

 遠藤氏は、そうした不安を解消するため、端末写真の分かりやすい掲載や、工場での検品体制を打ち出していると説明する。

「不安を持たれている方はまだいらっしゃると思っています。写真を分かりやすくサイトで見せて、工場でちゃんと検品をしているという安心感を持って購入いただけるように運営しています」

 購入後の利用開始までのサポートも重要だ。中古スマホでは、SIMの入れ替えや初期設定に不安を感じるユーザーもいる。にこスマではSIMピンを同封するなど、届いた後に使い始めやすいよう配慮しているという。

ランキングはiPhone中心、AndroidはPixelに割安感も

 にこスマのランキングを見ると、上位はiPhoneが中心だ。遠藤氏は、その背景には日本市場におけるiPhone人気の根強さがあると見る。

「事実として、販売台数はiPhoneが日本では大きいものだと認識しています。徐々に変わりつつあるという認識はありますが、未だにiPhoneの人気は日本で根強いと理解しています」

 一方で、Android端末にも動きはある。Google Pixelシリーズでは、Pixel 7aのような廉価モデルが中古市場で割安に見え、選ばれる可能性があるという。

 ただ、現時点では中古スマホ市場においてもiPhoneの存在感は大きい。特にiPhone SE(第3世代)は、価格、サイズ、操作性のバランスが取れた端末として、長期にわたり首位を維持している。

中古スマホ選びは「用途のイメージ」が重要

 中古スマホを選ぶ際に大切なのは、自分の使い方に合った端末を見つけることだと遠藤氏は話す。

「高齢者の方だったりお子様にはこういうのがいい、サブスマホとして持つならこれがいい、というように、ユーザーのニーズがあると思います。それに合ったスマホを選べるというのが中古スマホの利点でもあります」

 最新モデルだけが正解ではない。子ども用、シニア向け、サブ端末、動画視聴用、連絡用など、用途によって必要な性能やサイズ、価格帯は変わる。

「どの端末が自分に合っていて、どう使えるのかというイメージを持って買っていただくのが一番重要だと思います」

 新品スマートフォンの高価格化が進む中で、消費者が求める価値は必ずしも最新スペックだけではなくなっている。iPhone SE(第3世代)が13か月連続で首位を維持していることは、コンパクトさ、ホームボタン、価格の手頃さといった実用面を重視するユーザーが多いことを示している。

 中古スマホは、もはや一部の詳しいユーザーだけの選択肢ではなくなりつつある。新品か中古かではなく、自分の使い方に合う端末をどう選ぶか。スマートフォン選びの基準そのものが、少しずつ変化している。




《福田マリ》

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