ガールズグループILLIT(アイリット)の動画が、海外SNSで思わぬ波紋を広げている。
わずか12秒の祝福メッセージが、“スター性”論争に発展した。
きっかけとなったのは、『VOGUE KOREA』創刊30周年を記念した「#VogueCoverStar」企画だ。
これは、1996年から2026年まで『VOGUE KOREA』と縁を結んできたカバースターたちが、祝福メッセージを送るというもの。
IVE・ウォニョン、BLACKPINK・ロゼ、ENHYPEN、女優ソン・ヘギョらも登場しており、韓国エンタメ界を代表するスターたちが並ぶ記念企画となっている。
その一環として登場したILLITの動画が、海外ユーザーの間で注目を集めた。

映像は12秒ほどの短いものだ。冒頭、メンバーたちは「VOGUE KOREAの創刊30周年、おめでとうございます」と声をそろえて祝福。
その後、「「VOGUEの撮影で最も記憶に残っている瞬間は?」という質問に、ウォンヒが「パリでVOGUEと一緒にした瞬間が記憶に残っています」と答え、他のメンバーたちもうなずく。内容そのものは、ごく穏やかな祝賀メッセージだった。
「本当にスター性がない」投稿が400万表示超え
ところが、注目されたのは発言ではなく、そのビジュアルだった。

メンバーたちは独特なヘアスタイルと衣装で登場。モード色の強いスタイリングともいえるが、海外SNSではこれが「似合っていない」「メンバーの魅力を生かせていない」と受け止められたようだ。
ある海外ユーザーは、ILLITの映像の一場面を引用し、「このグループには本当にスター性がない」と辛辣に投稿した。このポストは投稿確認時点で表示400万件を超え、関連投稿には厳しい反応が相次いだ。
「衣装がひどい」「それぞれ別のグループのように見える」「可愛いコンセプトに戻ったほうがいい」といった趣旨の声が寄せられ、目立ったのはスタイリングや全体の統一感に対する批判だった。

一方で、一部ではメンバー本人の容姿や“スター性”にまで踏み込むような反応もあり、議論は過熱した様相を見せた。
ILLITはデビュー曲『Magnetic』で、軽やかで親しみやすい少女的なイメージを強く印象づけたグループだ。柔らかく、幻想的で、親しみやすい可愛らしさ。その世界観が、彼女たちの魅力の一つとして受け止められてきた。
だからこそ、今回のような実験的でモード寄りのスタイリングは、従来のILLIT像との落差が大きく映った可能性がある。
もちろん、雑誌企画において普段とは違う姿を見せること自体は珍しくない。むしろVOGUEのようなファッションメディアでは、アイドルに新しいビジュアルをまとわせることも企画の醍醐味である。
ただ、その挑戦が必ずしも好意的に受け止められるとは限らない。特にK-POPアイドルの場合、ステージ、空港、雑誌、SNS、ショート動画まで、あらゆる場面のビジュアルが即座に切り取られ、評価の対象になる。
数秒の動画であっても、そこに映ったヘアメイクや衣装が「似合う」「似合わない」を超えて、グループ全体のイメージや“スター性”にまで結びつけられてしまうのだ。

今回の反応も、単なるスタイリング批判にとどまらない。ILLITに求められているイメージは、可愛いコンセプトなのか、それともより成熟したモードな姿なのか。グループの見せ方そのものに対する違和感が、SNS上で一気に噴き出した形ともいえる。
もちろん、表示400万件超えの投稿が、ILLITへの評価全体を代表しているわけではない。SNSでは強い言葉ほど拡散されやすく、辛辣なコメントが目立ちやすい。実際、今回のビジュアルについても、ファッション企画としての挑戦や、普段とは違う雰囲気を評価する見方もあるだろう。
それでも、これほど反応が広がったことは見過ごせない。『VOGUE KOREA』の30周年を祝う短いメッセージ動画が、衣装やヘアメイクをめぐる議論を呼び、さらには「スター性」という言葉で語られるまでになった。
わずか12秒のILLITの動画が呼んだ波紋は、K-POPアイドルにとって“ビジュアルコンセプト”がいかに重要で、同時に危ういものかを改めて示している。
◇ILLIT プロフィール
2023年6~9月に放送された『R U Next?』を通じて、YUNAH、MINJU、MOKA、WONHEE、IROHAで結成された、日本人メンバー2人(MOKA、IROHA)を含む多国籍5人組グループ。HYBE傘下レーベルの芸能事務所BELIFT LAB所属。自主的で積極的な意志(I WILL)と特別な何かを意味する代名詞(IT)の組み合わせで作られたグループ名には、「何にでもなれる潜在力を持つグループ」という意味が込められている。2024年3月25日、1stミニアルバム『SUPER REAL ME』をリリースしてデビュー。


