BTSのグラミー賞エントリー見送りが評価されている。
一部では“事実上のボイコット”との見方もあるなかで、専門家はどのように受け止めたのか。
BTSのメンバーは7月29日、それぞれのインスタグラムを通じて、今年のグラミー賞へのエントリーを見送ったと発表した。その理由について「音楽が地域や言語によって区別されるのではなく、音楽そのものとして聴かれ、愛されることを願っています」と説明している。
この決断について専門家らは、グラミー賞の構造的な差別や不公平性に対抗する歴史的な判断だと評価している。
専門家たちの見解は?
韓国ジョージ・メイソン大学のイ・ギュタク教授兼グローバルKカルチャーセンター長は同日、本紙『スポーツソウル』の取材に応じ、BTSのグラミー見送りについて見解を示した。

イ氏は「これまでグラミー受賞は、音楽性を認められるための目標や象徴のように大衆やメディアに受け止められてきた。しかし今回の決定は、BTSがもはやグラミーの基準に左右されず、自らの価値基準で進むという主体的な判断を示したものだ」と評価した。
続いて、グラミー賞の「ベスト・アジアン・ポップ・ミュージック・パフォーマンス」部門新設については、「K-POPが世界市場で成果を上げているにもかかわらず、それをメインストリームとして受け入れるのではなく、別の領域として区分しようとしている」と指摘。「特定の地域やジャンルを排除してきたグラミー賞の公平性や透明性不足をめぐる議論は、今回も避けられないだろう」と述べた。
そして、今回のBTSの決断が文化面に与える影響については、「過去にはグラミー受賞が音楽性や成功を示す絶対的な指標とされていたが、現在は音楽消費の流れが変化し、特定の音楽賞での受賞が音楽性を保証する時代ではない」と説明。続けて、「K-POPはすでに世界市場で確固たる地位を築いており、欧米の音楽賞による評価を基準にする必要がない段階に達している。今回のBTSの行動は、特定の賞の評価基準に合わせなくても音楽の価値が認められることを示す重要な契機になる」と強調した。
「勇気ある宣言」

また、大衆音楽評論家のイム・ジンモ氏も、BTSのグラミー出品見送りについて、「これまでK-POP全体がグラミーという絶対的な基準に左右され、受賞に執着する傾向が強かった」とした上で、「今回の決定は、グラミーの不公平さに対するBTSの問題意識が込められた抗議であり、“グラミーからの独立宣言”とも言える」と評した。
さらに、BTSの正規5集『ARIRANG』については、「従来のアイドルミュージックを超えた、思索的で深みのある芸術的なアルバム」と評価。一方で、「それにもかかわらず、グラミーがアジアン・ポップカテゴリーを新設したことは、K-POPの世界的な成果があるにもかかわらず、メインストリームではなく特定の領域にとどめようとする差別だ」と指摘した。
イム氏は、グラミーの保守的な姿勢は今回に限ったものではないとも言及。「グラミーは初期のロックンロールからヒップホップに至るまで、新しい音楽を抑え、既存の権威ある音楽を守ろうとする傾向が強かった。すでに音楽界全体で、グラミーの不公平性に対する認識は広く共有されている」と語った。
BTSのエントリー見送りがもたらす影響については、「今後、K-POP界ではグラミー受賞を重視する傾向がこれまでより弱まる可能性がある」と予測。「これまで誰も容易にはできなかった勇気ある宣言であり、音楽界全体でBTSの決断に暗黙の支持を示す流れが続くだろう」と付け加えた。


