BTS、グラミー賞を事実上“ボイコット” 韓国メディアはどう見たか「新設アジア部門への明確な抗議だ」 | RBB TODAY

BTS、グラミー賞を事実上“ボイコット” 韓国メディアはどう見たか「新設アジア部門への明確な抗議だ」

エンタメ 韓国・芸能
注目記事
BTS、グラミー賞を事実上“ボイコット” 韓国メディアはどう見たか「新設アジア部門への明確な抗議だ」
BTS、グラミー賞を事実上“ボイコット” 韓国メディアはどう見たか「新設アジア部門への明確な抗議だ」 全 1 枚
/
拡大写真

BTSがグラミー賞を事実上、ボイコットした。

来年2月に開かれる第69回グラミー賞に作品を出品しないと発表したのだ。

【注目】BTS、グラミー賞の見送りを発表

BTSメンバーたちは7月29日、それぞれのSNSを通じて「私たちは今年、グラミー賞に出品しないことにした」と明かした。

続けて「音楽が地域や言語で区分されるより、音楽そのものとして聴かれ、愛されることを願う」と伝えた。

韓国メディアはこの発表を、単なる出品見送りではなく、グラミー賞が新設した「ベスト・アジアン・ポップ・ミュージック・パフォーマンス」部門への事実上のボイコットと見ている。

“アジア枠”は評価か、それとも線引きか

BTS
(写真提供=BIGHIT MUSIC)BTS

今回のBTSの決定について、『聯合ニュース』はまず、「大衆音楽界最高権威を持つグラミー賞に挑戦しない意思を明らかにしたことは、先月グラミー側が韓国・中国・日本などアジア圏の音楽を区分して『ベスト・アジアン・ポップ・ミュージック・パフォーマンス』部門を新設すると発表したことへの批判次元と解釈される」と伝えた。

そのうえで、韓国、中国、日本の大衆音楽を「アジア」という地域単位でまとめたことについて、「別段の音楽的共通分母を見いだしにくい韓国、中国、日本の大衆音楽をアジアという“地域単位”でくくった点に、西欧中心的思考が反映されたとの指摘が提起された」と紹介している。

グラミー賞そのものへの視線も厳しい。同記事は、グラミー賞について「非白人アーティストに対して、ひときわ保守的で排他的だという批判が絶えなかった」とし、主催団体であるレコーディング・アカデミーの会員構成についても、「米国主流音楽界の伝統的集団で構成される閉鎖性」のために「新しい選択に消極的だ」という指摘を伝えた。

『聯合ニュース』は、大衆音楽評論家イム・ヒユン氏の言葉も紹介している。イム氏はBTSの決定を「最高権威とされるグラミー賞を相手にした勇敢な歩み」とし、「BTSはすでにグラミー賞をあえて受賞しなくてもいいアーティストになった」と評価した。

より直截的に、「ガラスの天井」という表現を持ち出しているのが『東亜日報』だ。

同メディアは、グラミー賞が「アジアの歌に与える賞」を別に作ったことについて、「一部ではこれを“ガラスの天井”、“囲い”に例える批判が出ている」と指摘した。

BTS
(写真提供=OSEN)BTS

その意味は明確だ。「本賞は英語圏の歌に与え、BTSのようなアジア歌手には、どれだけ人気を得ても本賞ではなく、別に作ったアジア賞を与えるつもりではないか」という疑念だ。

BTSが「地域」「言語」で音楽を分けるなと直接言及したことも、こうした解釈に力を与えているという見方だ。

「ガラスの天井」から「ゲットー化」まで

『朝鮮日報』は、新設された「アジアポップ部門」の“格”に注目した。

同紙は、グラミー賞で最高栄誉とされる本賞は「ジェネラル・フィールズ」と呼ばれる6部門のみだと説明。「通常、ジェネラル・フィールズをはじめ注目度の高い一部部門だけが本授賞式でトロフィーを受け取り、主要パフォーマンスの舞台も割り当てられる」と紹介した。

一方で、「今回新設されたアジアポップ専用部門のような特定地域ジャンル賞は、主に事前授賞式でトロフィーが授与されてきた」と指摘した。

つまり、アジアポップ部門が新設されたとしても、それがグラミー本賞と同じ場所に置かれるとは限らない。K-POPがグラミー賞に「認められた」のではなく、本流とは別の枠に移されたと受け止められる余地がある。

『朝鮮日報』はさらに、「一部では、グラミー賞がアジアンポップ部門の資格要件を特に“言語”で分けた点が、BTSを狙ったものではないかという分析も出た」と踏み込んでいる。

同部門が「アジア言語を一部の文句や単語、アドリブ、短いフレーズだけで使用した場合や、全編英語の歌詞は除外する」と明示した点に触れ、BTSのアルバム『ARIRANG』の収録曲の多くが英語詞中心だと説明した。

BTS
(写真提供=OSEN)BTS

さらに強い言葉を紹介したのは『中央日報』かもしれない。

アジアポップ部門については、「アジア文化固有の音楽性を保存し照明する空間になりうる」という肯定的評価もある。だが、同時に別の懸念もあるという。

それが、「K-POPとアジアンポップを主流の西欧音楽リストから隔離し、“今年の歌”や“今年のレコード”など本賞競争への進入を根本的に遮断する、一種の“ゲットー化(Segregation)”の試みではないか」という指摘だ。

「ゲットー化」という言葉は強い。もともと特定の民族や人種、社会的集団が限られた区域に隔離されることを指す言葉であり、それだけ同紙が紹介した懸念の強さがうかがえる。

グラミー賞がK-POPを評価するための新しい扉を開いたのか、それとも主流部門から切り離すための新しい枠を作ったのか。その見え方によって、今回の新部門の意味はまったく変わってくる。

『京郷新聞』は、BTSが出品資格を持っていたにもかかわらず、あえて出品を拒否した点を強調している。

来年のグラミー賞の出品対象期間にBTSの5thフルアルバム『ARIRANG』も含まれており、「候補に上がる資格を備えていたが、出品そのものを拒否した」と整理した。

また、大衆音楽評論家キム・ドホン氏の分析を紹介している。キム氏は「BTSが地域と言語を名指しして立場を出したのは、ベスト・アジアン・ポップ・ミュージック・パフォーマンスをめぐる論争を狙ったもの」とし、「世界的な波及力を持つBTSが立場を出した以上、関連論争も大衆音楽界でさらに激化するだろう」と述べた。

BTSがグラミー賞に突きつけた問い

韓国メディアの分析を総合すると、BTSの出品拒否は単なる授賞式ボイコットではない。

グラミー賞がK-POPを認めたように見えるアジアポップ部門が、実は主要部門から切り離す新たな境界線ではないか。その疑念に対し、BTSが最も強い形で意思表示したという構図だ。

BTS
(写真提供=BIGHIT MUSIC)BTS

K-POPにとって、アジアポップ部門の新設はチャンスでもある。これまでグラミー賞に届かなかったアーティストにとって、新たな受賞ルートが開かれたことは事実だ。

だが問題は、K-POPがグラミー賞の中心に進んだのか、それとも“アジアポップ”という別枠に固定されるのかという点にある。

BTSはかつて、グラミー賞への意欲を隠さなかった。だが今、彼らはグラミー賞のトロフィーで自分たちを証明する道ではなく、グラミー賞の枠組みそのものに問いを投げる道を選んだ。

BTSの出品拒否は、「グラミー賞はK-POPを正式に迎え入れたのか、それとも主流部門の外側に押し出したのか」という問いを、真正面から突きつけるものになった。

もはやBTSがグラミー賞に選ばれるかどうかだけが問題ではない。グラミー賞がK-POPを、どの場所で、どのように評価するのか。その視線こそが問われている。

「もう終わっている」からこそ複雑 BTS・JIMINは女優と…破局で知る“過去形の熱愛”

K-POPは認められたのか、“排除”されたのか 「アジアポップ部門」新設に韓国が揺れているワケ

「彼らが崩れ落ちる音」BTSの新アルバムに酷評レビュー 背負わされた“韓国の誇り”

《スポーツソウル日本版》

【注目記事】
【注目の記事】[PR]

この記事の写真

/