パク・チャンホ氏が歴史的な一歩を踏み出した。
MLB球団のオーナーグループに加わり、株式を保有することになった。
これは韓国人としては初のケースで、韓国野球の発展にも大きな追い風となる可能性がある。将来的には韓国人選手のメジャー挑戦を後押しする“架け橋”的な存在になるとの期待も高まっている。
パク・チャンホ氏が率いるコンソーシアム「TEAM61」はこのほど、アスレチックスと戦略的パートナーシップを締結したと発表した。総額7000万ドル(約114億円)を投資し、球団株式の約3%を取得する予定だという。

また、パク氏はオーナーのジョン・フィッシャー氏のシニアアドバイザーにも就任。選手育成やアジア戦略の立案・推進などについて助言を行うとされている。
パク・チャンホ氏は今回にあたって、「韓国とアメリカ、韓国野球とMLB、そして選手とファンをつなぐ架け橋になりたい」と意欲を語った。
保有比率3%は決して大きな数字ではないが、球団とのつながりを持つこと自体に大きな意味がある。さらに、パク・チャンホ氏はメジャーで長年プレーし、引退後もサンディエゴ・パドレスの特別顧問を務めるなど、メジャーリーグとの深い関係を築いてきた。
特に期待されるのは、韓国人選手のMLB進出を後押しする存在になることだ。アスレチックスが、これまで以上に韓国人選手に関心を寄せる可能性もある。
その前例として挙げられるのが、任天堂とシアトル・マリナーズの関係だ。
1991年、任天堂の北米法人「任天堂オブアメリカ」は、シアトル・マリナーズ株式の49%を取得して筆頭株主となった。その後、2026年に大部分を売却し、現在は約10%を保有するにとどまっている。
任天堂が大株主だった時代には、イチロー、佐々木主浩、岩隈久志、城島健司、川﨑宗則ら多くの日本人選手がマリナーズでプレーした。

イチローは後に野球殿堂入りを果たし、“大魔神”佐々木は一時代を代表する守護神として活躍。岩隈もエース級の投手へと成長した。一方で、城島は苦戦の末に日本へ復帰し、川﨑も1シーズンのみの在籍となった。それでも、マリナーズが日本人選手のMLB進出の受け皿となったことは間違いない。
ただ当時、任天堂は球団運営には直接関与せず、主に財政面で支援していたとされる。
それでも、任天堂の存在が全く影響しなかったと考える関係者は少ない。イチローの成功をきっかけに日本企業とのスポンサー契約も徐々に増え、球団が日本人選手を積極的に獲得するメリットは大きかった。
パク・チャンホ氏も同様の役割を果たす可能性がある。
もちろん、任天堂の49%とTEAM61の約3%では影響力に大きな差がある。しかし、球団シニアアドバイザーという立場は軽視できない。
自ら「架け橋になる」と語ったように、選手獲得などにも一定の影響力を発揮できる立場にあり、韓国人選手がメジャーに挑戦するための重要な足掛かりになることが期待される。
ビジネス面での相乗効果も見込まれる。アスレチックスは今後、ラスベガスへの本拠地移転を予定しており、観光を含めた各種プロモーションを展開しやすい環境が整う。
かつてロサンゼルス・ドジャースは“パク・チャンホ効果”の恩恵を受けた。現在もサンフランシスコ・ジャイアンツはイ・ジョンフの獲得をきっかけに球団首脳が自ら韓国を訪れるなど、マーケティングに力を入れている。

韓国人選手の獲得は、今後のアスレチックスにとって競技面だけでなく、ビジネス面でも大きな利益をもたらす可能性がありそうだ。


