ハリウッド映画『マイ・インターン』が、韓国版として生まれ変わる。
チェ・ミンシクとハン・ソヒが主演する映画『インターン』(原題)が、9月16日に韓国で公開されることが決まった。
【画像】韓国版『マイ・インターン』、予告編原作は、ロバート・デ・ニーロとアン・ハサウェイが共演した2015年の映画『マイ・インターン』。韓国版では、37年の社会経験を持つベテランのキホが、スタートアップ企業に“シルバーインターン”として入社し、仕事一筋の若きCEOソヌと出会う物語として再構成される。
チェ・ミンシクが新入インターンのキホを、ハン・ソヒが3年目のスタートアップCEOソヌを演じる。世代差、職場、経験、再出発、人生の後半戦。原作の持つ温かいテーマは、韓国社会にも置き換えやすい題材に見える。
韓国リメイク映画、成功例は?

ただし、期待が大きいぶん、不安もある。
なぜなら『マイ・インターン』は、すでに韓国でもよく知られた作品だからだ。2015年公開当時、韓国では361万人以上を動員し、世界でも製作費3500万ドルに対して1億9400万ドルを超える興行収入を記録したと報じられている。
つまり韓国版『インターン』は、まったく新しい物語として見られるのではなく、多くの観客の記憶に残る“あの映画”と比較される宿命を背負っているわけだ。
もちろん、韓国映画界にはリメイク成功例がある。
代表的なのが『LUCK-KEY/ラッキー』だ。日本映画『鍵泥棒のメソッド』を韓国でリメイクした同作は、韓国で697万人超を動員する大ヒットとなった。
原作の設定を借りながらも、主演したユ・ヘジンのキャラクター性と韓国コメディのテンポに置き換えたことが成功につながった作品といえる。

香港映画『ドラッグ・ウォー 毒戦』をリメイクした『毒戦 BELIEVER』も成功例だ。韓国版は単なる焼き直しではなく、韓国ノワールとして再構成され、506万人超を動員した。
さらに、イタリア映画『おとなの事情』を韓国でリメイクした『完璧な他人』も529万人超を集めた。スマートフォンをめぐる会話劇を、韓国的な夫婦関係、友人関係、見栄や秘密の物語に置き換えたことが観客に刺さったと評価されている。

これらに共通するのは、原作をそのままなぞったのではなく、韓国の観客が笑い、驚き、共感できる感情の形に作り替えたことだ。
リメイクが成功するかどうかは、原作の知名度だけでは決まらない。その国の観客が自然に共感できる形へ“現地化”できるかどうかが大きい。
豪華キャストでも難しい
一方で、リメイクは必ずしも安全牌ではない。
伊坂幸太郎の小説を原作とし、日本でも映画化された『ゴールデンスランバー』の韓国版は、カン・ドンウォン主演で注目されたが、観客動員は約138万人にとどまった。

また、中国映画『全民目撃/Silent Witness』を原作とした韓国映画『沈黙、愛』は、チェ・ミンシク、パク・シネ、リュ・ジュンヨル、イ・ハニという豪華キャストをそろえながら、観客動員は約49万人だった。
もちろん、観客数だけで作品の価値を決めることはできない。それでも、よく知られた原作と有名俳優をそろえれば自動的に成功するわけではないことは、これらの例が示している。
韓国版『インターン』が難しいのは、原作が派手な事件で引っ張る映画ではないからだ。『マイ・インターン』の魅力は、ロバート・デ・ニーロの品の良さ、アン・ハサウェイの繊細さ、そして2人の距離感にあった。
大きな悪役や強いどんでん返しではなく、世代を超えた関係性そのものが映画を支えていた。

だからこそ、韓国版が単なる“MZ世代とシルバーインターンの世代ギャップコメディ”に寄りすぎれば、原作の温かさは薄れてしまう。一方で、原作に忠実すぎれば、今度は「デ・ニーロとアン・ハサウェイの再現」に見えてしまう危険もある。
鍵を握るのは、チェ・ミンシクとハン・ソヒの関係性だろう。
チェ・ミンシクは圧倒的な存在感を持つ俳優だが、その圧の強さをどこまで柔らかく見せられるか。ハン・ソヒは若きCEOとして、仕事への強さだけでなく、孤独や未熟さをどこまで自然に出せるか。

韓国版『インターン』に求められるのは、原作の記憶を背負いながら、チェ・ミンシクとハン・ソヒでしか成立しない“韓国版の温度”を作ることだ。
『ラッキー』や『毒戦 BELIEVER』のように、原作を韓国映画として再発明できるのか。それとも、有名作の影に埋もれてしまうのか。
韓国版『インターン』は、リメイク映画の期待と不安を同時に背負って、秋夕シーズンの劇場に乗り込む。


