編集部はインターネット回線の速度計測サービス「RBB SPEEDTEST」(アプリ版)の2026年6月のログ(81,420計測)を集計し、Wi-Fi接続時の10G回線サービスに絞ってその実態を分析した(対象はスマートフォンアプリによる測定結果のため、ほぼ全てがWi-Fi接続での結果となる)。
10G回線サービス全体の平均は330.79Mbps、中央値は284.88Mbpsとなり、光回線の全体平均(198.15Mbps)を大幅に上回るハイレベルな水準となった。
平均値1位は「NURO 光 10ギガ(戸建て)」(ソニーネットワークコミュニケーションズ)で507.5Mbps、中央値1位は「コミュファ光(ホーム 10G)」(中部テレコミュニケーション)で457.5Mbpsとなった。
中でもコミュファ光10Gは、平均454.6Mbpsに対して中央値が457.5Mbpsと平均を上回っており、中部エリア限定サービスながら10G回線の実効速度の安定性で全国トップに立った。
※表中の速度はすべて下り速度
※対象は10G回線サービスかつ30以上の計測があるもの
Wi-Fi接続時の10G回線サービス 全国ランキング(平均値)
順位 | サービス名(プラン名) | 事業者名 | 平均速度(Mbps) | 計測数 |
1 | NURO 光 10ギガ(戸建て) | ソニーネットワークコミュニケーションズ | 507.5 | 107 |
2 | コミュファ光(ホーム 10G) | 中部テレコミュニケーション | 454.6 | 373 |
3 | KDDI auひかり ホーム10ギガ | KDDI | 439.7 | 103 |
4 | NTT西日本 フレッツ 光クロス(最大10Gbps)戸建て | NTT西日本 | 405.4 | 466 |
5 | ビッグローブ光 ファミリー10ギガタイプ | ビッグローブ | 400.0 | 47 |
6 | <戸建て>J:COM NET 光 10Gコース(J:COM光回線) | JCOM | 389.9 | 172 |
7 | <戸建て>J:COM NET 光 10Gコース on auひかり | JCOM | 367.5 | 138 |
8 | NTT西日本 フレッツ 光クロス(最大10Gbps)集合住宅 | NTT西日本 | 360.4 | 55 |
9 | ドコモ光10ギガ(マンション) | NTTドコモ | 351.9 | 166 |
10 | ドコモ光10ギガ(戸建て) | NTTドコモ | 345.3 | 262 |
11 | NURO 光 10ギガ(マンション向け) | ソニーネットワークコミュニケーションズ | 326.9 | 83 |
12 | NTT東日本 フレッツ 光クロス(最大10Gbps)集合住宅 | NTT東日本 | 321.4 | 67 |
13 | eo光(ホームタイプ)10ギガコース | オプテージ | 320.9 | 197 |
14 | So-net光10ギガ(戸建て) | ソニーネットワークコミュニケーションズ | 307.7 | 31 |
15 | ソフトバンク光 10G(戸建住宅) | ソフトバンク | 253.1 | 390 |
16 | NTT東日本 フレッツ 光クロス(最大10Gbps)戸建て | NTT東日本 | 237.1 | 778 |
17 | ソフトバンク光 10G(集合住宅) | ソフトバンク | 208.5 | 54 |
18 | <集合住宅>J:COM NET 光 10Gコース(J:COM光回線) | JCOM | 166.0 | 129 |
平均値ランキングをみてみると、首位のNURO 光 10ギガ(戸建て)は507.5Mbpsで唯一500Mbps台に到達しており、ソニーネットワークコミュニケーションズの高速サービスの実力の高さを示す結果となった。2位以下も400Mbps超が6サービス並ぶハイレベルな争いとなっており、上位はほぼ全国主要事業者と地域主体型事業者が混じっている。地域展開のコミュファ光10Gが2位に食い込んでいる点は、10G回線の激戦区における注目ポイントといえるだろう。
一方、下位は、計測数が最多のNTT東日本フレッツ光クロス戸建て(778計測)が237.1Mbpsで16位、ソフトバンク光10G戸建(390計測)が253.1Mbpsで15位と、計測数が多く提供エリアが広いサービスほど平均値が低くなる傾向もみられた。
Wi-Fi接続時の10G回線サービス 全国ランキング(中央値)
順位 | サービス名(プラン名) | 事業者名 | 中央値(Mbps) | 計測数 |
1 | コミュファ光(ホーム 10G) | 中部テレコミュニケーション | 457.5 | 373 |
2 | NURO 光 10ギガ(戸建て) | ソニーネットワークコミュニケーションズ | 443.1 | 107 |
3 | NTT西日本 フレッツ 光クロス(最大10Gbps)集合住宅 | NTT西日本 | 435.0 | 55 |
4 | NTT西日本 フレッツ 光クロス(最大10Gbps)戸建て | NTT西日本 | 424.5 | 466 |
5 | <戸建て>J:COM NET 光 10Gコース(J:COM光回線) | JCOM | 400.5 | 172 |
6 | ドコモ光10ギガ(マンション) | NTTドコモ | 353.2 | 166 |
7 | KDDI auひかり ホーム10ギガ | KDDI | 332.5 | 103 |
8 | So-net光10ギガ(戸建て) | ソニーネットワークコミュニケーションズ | 330.7 | 31 |
9 | eo光(ホームタイプ)10ギガコース | オプテージ | 324.7 | 197 |
10 | ビッグローブ光 ファミリー10ギガタイプ | ビッグローブ | 320.8 | 47 |
11 | ドコモ光10ギガ(戸建て) | NTTドコモ | 282.4 | 262 |
12 | NURO 光 10ギガ(マンション向け) | ソニーネットワークコミュニケーションズ | 219.8 | 83 |
13 | <戸建て>J:COM NET 光 10Gコース on auひかり | JCOM | 212.1 | 138 |
14 | NTT東日本 フレッツ 光クロス(最大10Gbps)戸建て | NTT東日本 | 138.7 | 778 |
15 | NTT東日本 フレッツ 光クロス(最大10Gbps)集合住宅 | NTT東日本 | 130.6 | 67 |
16 | ソフトバンク光 10G(戸建住宅) | ソフトバンク | 127.3 | 390 |
17 | ソフトバンク光 10G(集合住宅) | ソフトバンク | 103.0 | 54 |
18 | <集合住宅>J:COM NET 光 10Gコース(J:COM光回線) | JCOM | 101.0 | 129 |
中央値とは、全計測データを速い順に並べた際に総計測者数の中心となる値で、平均値のように一部の突出して速い計測や遅い計測の影響を受けにくく、「典型的なユーザーが体験する速度」を表す指標。
この中央値ランキングで注目したいのが、中央値が平均を上回るサービスの存在。コミュファ光10G(平均454.6→中央値457.5)、NTT西日本 光クロス集合住宅(平均360.4→中央値435.0)、NTT西日本 光クロス戸建て(平均405.4→中央値424.5)、J:COM NET 光10Gコース戸建(平均389.9→中央値400.5)、eo光10ギガコース(平均320.9→中央値324.7)の5サービスがこれに該当する。
これらは「典型的なユーザーが平均並みかそれ以上の速度を体験できている」ことを意味し、10G回線としてのサービスの安定性が特に高いといえるだろう。
対照的に、中央値が平均を大きく下回るサービスにも注目したい。NTT東日本 光クロス集合住宅(平均321.4→中央値130.6と平均の4割)、<戸建て>J:COM NET 光10Gコース on auひかり(平均367.5→中央値212.1と平均の6割)、NURO 光 10ギガ(マンション向け)(平均326.9→中央値219.8と平均の7割)、ソフトバンク光10G戸建住宅(平均253.1→中央値127.3と平均の5割)などは、平均が中央値の2倍前後まで開いており、速度のばらつきが非常に大きく、利用環境による当たり外れが大きいサービスといえる。
特に、NTT東日本のフレッツ 光クロス戸建て(計測数778件と全10Gサービス中最多)は中央値138.7Mbpsと、10G回線として物足りない実効速度水準にとどまっている。提供エリアの広さゆえに多様な利用環境が混在していることの反映と考えられるが、10Gクラスとしては課題が残る結果といえるだろう。

10G回線サービス 事業者別ランキング(中央値順)
30計測以上の10G回線サービスを保有する事業者について、10G回線に限定して事業者ごとに集計した結果が以下である。
順位 | 事業者名 | 10G総計測数 | 平均(Mbps) | 中央値(Mbps) | 対象サービス数 |
1 | 中部テレコミュニケーション(コミュファ) | 378 | 456.3 | 458.2 | 1 |
2 | NTT西日本 | 521 | 400.6 | 425.1 | 2 |
3 | ビッグローブ | 63 | 396.8 | 345.5 | 1 |
4 | ソニーネットワークコミュニケーションズ | 240 | 413.6 | 338.7 | 3 |
5 | KDDI(auひかり) | 103 | 439.7 | 332.5 | 1 |
6 | NTTドコモ | 428 | 347.9 | 309.7 | 2 |
7 | オプテージ | 223 | 304.3 | 301.4 | 1 |
8 | JCOM | 439 | 317.1 | 247.7 | 3 |
9 | NTT東日本 | 845 | 243.8 | 137.5 | 2 |
10 | ソフトバンク | 444 | 247.6 | 126.8 | 2 |
事業者別に中央値でみると、中部テレコミュニケーション(コミュファ)が458.2Mbpsで断トツの首位、続いてNTT西日本が425.1Mbpsで2位となった。中央値ベースで400Mbps台をキープしているのはこの2社のみであり、10G回線サービスの品質でトップグループを形成している。
特にコミュファは提供エリアが中部圏に限定されているにもかかわらず、平均・中央値ともに全事業者中最高水準を維持しており、地域限定でエリア内をしっかり最適化した10Gサービスの安定性の高さが際立つ。
対照的に、NTT東日本(中央値137.5Mbps)とソフトバンク(同126.8Mbps)は最下位グループとなった。両社は総計測数がそれぞれ845件、444件と多く、それだけ多くのユーザーが10Gサービスを利用しているといえるが、その分実効速度のばらつきが大きく、10Gクラスとしては物足りない体験速度となっているのが現状となっている。
高速通信への需要が高まる中、10G回線サービスは事業者・地域・住居形態によって速度の差がはっきりと出てきており、単純な「最大10Gbps」というスペックだけでなく、中央値でみた実効速度の安定性こそがサービス選びの決め手になっていくものと考えられる。今後の10G競争は、単なる平均速度ではなく実効速度と安定性の勝負となり、さらに激しくなっていくものと思われる。

有線接続時の実効速度分布は?
参考として、同期間(2026年6月)の有線接続によるログ(657件)についても分析した。
有線接続では、1Gbps以上を達成した計測は38.5%にのぼり、10G回線の実力を発揮できる環境にあるユーザーが一定数存在することが確認された。500~1000Mbpsが11.5%、300~500Mbpsが9.6%と続き、300Mbps以上に達しているのは全体の59.6%となる。

一方で、有線接続でありながら100Mbps未満にとどまる計測が28.8%存在しており、有線化しさえすれば必ずしも10Gの実力を引き出せるとは限らないこともうかがえる。集合住宅の共有設備や、宅内配線・ルーター性能・機器のLANポート規格など、さまざまな要因が実効速度に影響している可能性が考えられる。
参考:有線 10G サービス別ランキング(5計測以上)
有線接続の10G回線サービスは全16サービスの計測データがあったが、そのうち5計測以上計測されたのは以下の3サービスだった。
順位 | サービス名 | 事業者 | 計測数 | 平均(Mbps) | 中央値(Mbps) | 最大(Mbps) |
1 | <戸建て>J:COM NET 光 10Gコース(J:COM光回線) | JCOM | 5 | 3,002.7 | 3,167.9 | 3,856 |
2 | NTT西日本 フレッツ 光クロス(最大10Gbps)戸建て | NTT西日本 | 13 | 992.8 | 177.6 | 2,759 |
3 | NTT西日本 フレッツ 光クロス(最大10Gbps)集合住宅 | NTT西日本 | 5 | 65.8 | 62.4 | 77 |
驚くべきは1位のJ:COM 10Gコース戸建てで、有線接続では5件全てが1Gbps以上(最大値は3,856Mbps)を達成しており、10G回線の実力をしっかり発揮していること。一方、集合住宅向けサービスは有線接続でも低速にとどまる傾向がみられた。
6月計測数
アプリ版計測数:81,420 件
WEB版(LAN接続)計測数:657件
¥11,980
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)






