TWICEにとって、ひとつの時代が終わった。
ジョンヨンがJYPエンターテインメントを離れることが正式発表された。
8月10日、芸能事務所VAROエンターテインメントがジョンヨンと専属契約を結んだことを発表した。
ジョンヨン自身も直筆の手紙で、「10代の頃から今まで長い時間をともにしてきたJYPを離れ、これからは新しい場所で新たなスタートを切ろうと思います」と、自らJYPを離れることを明言した。
ただし、TWICEを脱退するわけではない。
彼女は手紙で「私の中で最も大きな軸であるTWICEは、これまでと変わらず大切にしていきます」「TWICEのメンバーとしてONCE(TWICEファン)の前に立つことは、いつでも一番です」と強調している。
新所属先のVAROエンターテインメントも、女優としての新たな挑戦だけでなく、「グループ活動も円滑に続けられるよう支援する」と明言した。
「9人が同じ会社にいるTWICE」は終わった

それだけを見れば、安心材料は十分にある。では、本当に何も変わらないのだろうか。
今回のジョンヨンの移籍によって、TWICEでは初めて、「9人全員がJYPに所属する」という11年間続いてきた前提が崩れた。
TWICEは2015年のデビュー以降、9人全員がJYPエンターテインメントに所属して活動してきた。
2022年の最初の再契約でも9人全員が契約を更新し、「魔の7年」を越えたグループとして大きな注目を集めた。
しかし今回は違う。
ジョンヨンはJYPエンターテインメントを離れ、今後はVAROエンターテインメントを新たな所属先として個人活動を行うことになった。
つまり今後は、ジョンヨン個人の活動をVAROが担う一方、TWICEとしての活動ではJYPを含む複数のマネジメント間で調整が必要になる形だ。
これは、近年のK-POPでは決して珍しい方式ではない。BLACKPINKをはじめ、個人活動では別々の所属先を持ちながら、グループ活動だけ従来の事務所と続ける例は増えている。
「ソロ活動は各自で、グループ活動は一緒に」。一見すれば、メンバーそれぞれの自由とグループ存続を両立できる理想的な形だ。

とはいえ、解散しないことと、これまでと同じようにグループ活動を続けられることは同じではない。
“完全体”が日常から特別なものに?
その難しさを象徴したのが、奇しくも同じ時期に起きたBLACKPINKの10周年イベントだった。
BLACKPINKも現在は、グループ活動ではYGエンターテインメントと契約しながら、個人活動はそれぞれ別の体制で行っている。
ところがデビュー10周年のファンイベントでは、開催告知がわずか2日前。当初は「スケジュール上可能なメンバー」が参加すると案内され、4人全員の出席が確定したのは前日だった。
もちろん、これが所属先の分散によって起きたと断定することはできない。
それでも、「グループを残すこと」と「グループとして機動的に動くこと」が必ずしも同じではないことを考えさせる出来事だった。
そしてTWICEのメンバー数は、BLACKPINKの倍以上である9人だ。
ジョンヨン一人が別会社に移っただけでも、完全体活動ではJYPとVAROの間で少なくともスケジュールなどの調整が必要になる。

アルバム制作、ワールドツアー、テレビ出演、ファンイベント。9人全員を集めるためには、それぞれの個人活動との兼ね合いを考えながら、複数の会社間でスケジュールなどを調整する必要が出てくる。
だからといって、TWICEがすぐに活動できなくなるわけではない。むしろ大規模なツアーやアルバムであれば、かなり早い段階から日程を確保し、調整することも可能だろう。
問題は、その先だ。これまで当たり前だった「9人でいる時間」が、少しずつ“特別な時間”へ変わっていく可能性がある。
完全体でのカムバック、9人そろっての番組出演、何気ないライブ配信、周年イベントなど。こうした活動が、以前のような日常ではなく、「9人がそろった貴重な機会」と呼ばれるようになるのだとすれば、それはファンにとって決して小さな変化ではない。
「これまでのTWICE」は変わる
ジョンヨンは手紙の中で、「TWICEのメンバーとしてONCEの前に立つことは、いつでも一番」と語った。
この言葉から、本人がTWICEを離れる意思がないことは明確だ。だから今回の移籍を「脱退への第一歩」と受け止める必要はない。
ただ一方で、ジョンヨンがここまで強くTWICEへの思いを伝えたこと自体、所属先を離れるという選択が、ファンにとってグループの未来への不安と直結することを物語っているようにも映る。
TWICEはこれからも、“これまでと同じTWICE”でいられるのか。

9人全員が同じ会社に所属し、同じマネジメントのもとで動いてきた11年間は、ジョンヨンの移籍によってひとつの区切りを迎えた。
これから始まるのは、「解散するか、しないか」という単純な二択ではない。メンバーそれぞれが自分の人生とキャリアを広げながら、それでも9人でTWICEを続けていくという、もっと難しい挑戦だ。
グループの名前が残り、メンバーが全員残ったとしても、ファンがこれまで見てきたような頻度と距離感で、9人が集まり続けられるかどうかは別の話だ。
ジョンヨンのJYPエンターテインメント退社は、TWICEの終わりではない。だが、「9人全員が同じ所属先にいて、同じマネジメントのもとから動き出すTWICE」という11年間の前提が終わったことだけは、確かだ。
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