日本への好感度は過去最高、それでも「親日派」は許されない “ひ孫女優叩き”が映す複雑な韓国の対日感情 | RBB TODAY

日本への好感度は過去最高、それでも「親日派」は許されない “ひ孫女優叩き”が映す複雑な韓国の対日感情

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日本への好感度は過去最高、それでも「親日派」は許されない “ひ孫女優叩き”が映す複雑な韓国の対日感情
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最新の世論調査では、日本に「良い印象」を持つ韓国人が過去最高に達した。

その一方で現在、曽祖父の「親日」疑惑をめぐって一人の韓国女優が激しい批判にさらされている。

【写真】“親日派”と叩かれている韓国女優

日本への好感が広がる一方で、なぜ「親日派」という言葉には今なおこれほど強い拒否反応が起きるのか。

韓国のシンクタンク「東アジア研究院」が7月に実施し、8月3日に結果が発表された日韓関係に関する世論調査では、日本への印象を「良い」と答えた韓国人は54.3%。2013年の調査開始以来、最も高い数字となった。

日韓関係が冷え込んでいた2020年の12.3%から考えれば、その変化は大きい。東アジア研究院は、日本への観光旅行や大衆文化など民間レベルの交流の拡大に加え、日韓間の「シャトル外交」も影響したと分析している。

そんななか、「親日」をめぐる騒動の渦中にいるのが女優ハヨンだ。

曽祖父をめぐって広がった騒動

ハヨン
(写真提供=OSEN)女優ハヨン

発端となったのは、ハヨンが8月7日に出演した韓国KBSのバラエティ番組で、自身が「4代続く医師家系」であることを明かしたことだった。

ハヨンは曽祖父について、日本で西洋医学を学び、帰国後に医院を開いた人物だと紹介。その後、ネット上で曽祖父が医師アン・サンホではないかとの指摘が出ると、過去の活動についても注目が集まった。

そして、1916年の大正親睦会(当時の親日団体とされる組織)の評議員名簿に、アン・サンホの名前が掲載されていた記録の存在が浮上した。

所属事務所は当初、親日行為をめぐる疑惑を「事実無根」と否定したものの、翌日には関連記録が実際に存在するとして説明を訂正し、謝罪した。

それでも騒動は収まらない。

予定されていたNetflix作品のインタビューは中止され、今後放送予定の主演ドラマについても制作側が事態を注視していると伝えられた。

しかも時期は、8月15日の「光復節」を目前に控えている。

韓国社会にとって日本統治からの解放を記念する重要な日だけに、「親日」をめぐる問題への視線が一段と厳しくなる時期でもある。

ここで、少し不思議に感じる部分があるかもしれない。

日本への好感度は過去最高なのに、なぜ80年以上前の曽祖父の行動をめぐって、ひ孫にまで厳しい視線が向けられるのか。

だが、この2つは韓国では必ずしも矛盾しない。

現在の日本に好感を持つことと、日本統治期に植民地支配へ協力したとされる人物をどう評価するかは、別の問題として受け止められているからだ。

日本を旅行し、日本の映画やアニメ、音楽を楽しむ。日本人に好感を持つ。日韓関係が良くなることを歓迎する。こうした感情と、「親日派」と呼ばれる歴史上の人物への評価は両立し得る。

むしろ、現在の日本と過去の歴史を切り分けて受け止める傾向があるからこそ、日本への好感度が高まる一方で、植民地時代への厳しい評価も残り続けていると見ることもできる。

それを象徴するような出来事は、ハヨン以前にもあった。

祖父について謝罪した『ペントハウス』女優

ドラマ『ペントハウス』などで知られる女優イ・ジアも昨年2月、「親日派」と分類された祖父をめぐって自ら謝罪している。

イ・ジア
(写真提供=OSEN)イ・ジア

イ・ジアによれば、祖父が亡くなったのは自身が2歳のとき。祖父についての記憶はなく、その行為についても知らずに育ったという。さらに、祖父を尊敬していると語ったこともなく、家系を自身の広報に利用したこともないと説明している。

それでも彼女は、祖父について関連資料を調べたうえで、「祖父の歴史的な過ちを深く認識し、子孫として心から謝罪する」と表明した。

本人が行ったことではない。それどころか、幼いころに亡くなった祖父の行為を知らなかった人物でさえ、自ら歴史に対する立場を示さなければならないほど、「親日派」という問題は現在の韓国社会でも重い。

一方、ハヨンの場合には、さらに事情が異なる。

彼女自身がこれまで「4代続く医師家系」を語り、曽祖父の経歴も紹介してきた。そのため、家系の華やかな部分を語ってきたのなら、疑惑が持ち上がった部分についても説明するべきではないかという批判につながったのだ。

加えて、所属事務所が一度「事実無根」と否定した後に説明を訂正したことも、騒動を大きくした一因とみられる。

つまり、単純に「先祖が親日派だから子孫も責任を負え」という話だけではない。

ハヨン自身が家系を公に語っていたこと、事務所の対応が一転したこと、そして光復節直前というタイミング。複数の要素が重なった結果といえそうだ。

いまなお続く「親日清算」

そして、韓国で「親日」をめぐる問題が決して過去の話ではないことを示す動きもある。

韓国政府は最近、「親日反民族行為者財産の国家帰属等に関する特別法」を公布し、今年12月3日から施行する予定だ。

これは、2010年に活動を終えた「親日反民族行為者財産調査委員会」を再び設置し、親日行為によって取得した財産だけでなく、すでに処分された財産の対価まで国家が回収できるようにする内容だ。

法務部は6月22日、同委員会の設立準備団を発足させた。新法では、日露戦争開戦日の1904年2月8日から日本統治が終わる1945年8月15日までの間に、「親日反民族行為者」が日本への協力の対価として取得した財産を回収対象としている。

今回、ハヨンの曽祖父として名前が挙がっているアン・サンホについても、今後、法的に「親日反民族行為者」と認定され、日本統治期に取得した特定の財産と、それが後世にどのように受け継がれたのかが確認されれば、実際の財産回収手続きにつながる可能性があるわけだ。

韓国国旗
(写真=スポーツソウル日本版編集部)

韓国では今なお、植民地時代の問題を「歴史として終わった出来事」とだけ捉えているわけではない。過去の行為を現在の制度の中でどう清算するかが、なお現実の政策課題として扱われているのだ。

一方で、日本に対する好感度は過去最高に達している。

この2つを並べると、現在の韓国社会の対日感情が見えてくる。

日本では韓国の対日感情を「親日か、反日か」という単純な二択で語ることも少なくなかった。しかし、今はそれだけでは説明できない。

日本旅行には行く。日本文化も好きだ。日本人にも好感を持つ。日韓関係の改善も歓迎する。それでも、日本統治期の行為については厳しく問う。

一見すると矛盾しているように見えるが、韓国社会ではむしろ、「今の日本への感情」と「過去の歴史への評価」を別々に扱うようになっていると考えたほうが実態に近いのかもしれない。

ハヨンをめぐる今回の騒動は、「韓国はいまだに反日だから」と片付けるだけでは見えてこない。

日本への好感度が過去最高となった今だからこそ、なお残り続ける「親日派」という言葉の重さが際立つ。現在の日本への好感と、植民地時代への厳しい歴史評価。その2つが同時に存在しているところに、今の韓国社会の対日認識の複雑さが表れている。

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《スポーツソウル日本版》

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