ありえない誤審だ。
アジア最高峰の舞台が一気に草サッカーになった。
8月11日、ACLEのプレーオフとして江原FCとガンバ大阪が江原のホーム、江陵総合運動場で戦った。
試合は103分に名和田我空が決めた1点でガンバが勝利。ACLE本戦に駒を進めることとなった。
物議を醸したのは延長前半のことだ。開始と同時に、江原のチョン・ギョンホ監督はキム・ドヒョンとイ・ジホの2人を交代させようとした。しかし、ヨルダン出身の第4審判が「規定上、交代できるのは1人だけ」と制止したことにより、交代は実現しなかった。
しかし、これは誤った説明だった。ACLEの規定によれば、交代回数は3回(ハーフタイムを除く)、交代できる選手は5人。そして延長戦に入った場合、交代回数が1回、交代枠が1人分追加となるのだ。
江原FCは90分間で3回にわたって3人を交代させていたため、1回分の交代と3人分の交代枠が残っていた。
チョン監督が描いていた延長戦のプランは、第4審判が規定を把握していなかったことで完全に狂うことに。そして、実際に交代する予定だったカン・ジュンヒョクのポジションで守備が手薄になり失点し、0-1で敗れた。
ただ、問題は第4審判だけではない。試合を統括するLGC(Local General Coordinator)によると、第4審判はカタール人主審、ウズベキスタン人の審判評価員、中国人のマッチコミッショナーに規定を確認したという。
しかし、主審も同様に規定を正しく把握していなかったのだ。もみて、審判評価員とマッチコミッショナーは介入しなかったという。責任を負うことを避けるため、問題に関わろうとしなかったとのことだ。
試合後も同様だった。審判団と審判評価員は“我関せず”といった態度を取り、説明をしようともしなかった。説明が必要だとするLGCの要求を無視し、慌ただしく会場を後にする姿を取材陣に目撃されていた。マッチコミッショナーは審判団と距離を置き、“自己正当化”のための文書をLGCに要求したとされる。

江原とガンバは互角に戦っていた。相手の監督も「どちらが勝っても、どちらが負けてもおかしくない試合だった」と振り返り、両チームに大きな差はなかったと認めている。
もしもチョン監督が予定していた通りに交代カードを切っていれば、結果は変わっていたかもしれない。審判団が試合を台無しにしたと言っても過言ではない。
ACLEはアジア最高峰の大会だ。優勝賞金だけでも1000万ドル(約16億円)に上る。ただ、そのような巨額の賞金が懸かった大会でありながら、審判団のレベルはそれに見合っていないことが露呈。アマチュアの草サッカーでもめったに見られない杜撰な運営と言っても過言ではない。

江原FCはAFCに正式に問題提起する手続きを進める方針だという。もちろん、結果が覆る可能性は高くない。AFCがどのような立場を示すのかは分からないが、受けた被害は言葉では説明しきれないほど甚大だ。


