編集部はインターネット回線の速度計測サービス「RBB SPEEDTEST」(アプリ版)の2026年6月のログ(1万8,296計測)を集計し、光コラボレーション(以下、光コラボ)の10Gサービスに絞ってその実態を分析した(対象はスマートフォンアプリによる測定結果のため、ほぼ全てがWi-Fi接続での結果となる)。
光コラボとは、NTT東日本・NTT西日本のフレッツ光回線を各事業者が卸提供を受け、自社ブランドで販売する光ファイバー回線サービスの総称。今回はその中でも最大10Gbpsをうたう「10G」プランに絞り、Wi-Fi接続時の実効速度を比較した。
全国のランキングをみてみると、1位は「ビッグローブ光 ファミリー10ギガタイプ」(ビッグローブ)で、下り平均399.97Mbpsを記録。次いで「ドコモ光10ギガ(マンション)」(NTTドコモ)が351.93Mbps、「ドコモ光10ギガ(戸建て)」(NTTドコモ)が345.29Mbpsと続き、上位は僅差で並んだ。計測数の面では「ソフトバンク光 10G(戸建住宅)」と「ドコモ光10ギガ(戸建て)」がそれぞれ300計測を超え、光コラボ10G市場においてこの二社の存在感が際立つ結果となった。
※表中の速度はすべて下り速度
※対象は30以上の計測があるもの
Wi-Fi接続時の光コラボ10Gサービス【全国総合】
順位 | サービス名(プラン名) | 事業者名 | 速度(Mbps) | 計測数 |
1 | ビッグローブ光 ファミリー10ギガタイプ | ビッグローブ | 399.97 | 47 |
2 | ドコモ光10ギガ(マンション) | NTTドコモ | 351.93 | 166 |
3 | ドコモ光10ギガ(戸建て) | NTTドコモ | 345.29 | 262 |
4 | So-net光10ギガ(戸建て) | ソニーネットワークコミュニケーションズ | 307.66 | 31 |
5 | ソフトバンク光 10G(戸建住宅) | ソフトバンク | 253.06 | 390 |
6 | ソフトバンク光 10G(集合住宅) | ソフトバンク | 208.53 | 54 |
首位のビッグローブ光は、ファミリー10ギガタイプで下り約400Mbpsを記録し、ドコモ光・So-net光・ソフトバンク光といった大手勢を抑えて平均1位となった。KDDIグループの一員であるビッグローブが、光コラボ10Gにおいても健闘している状況がうかがえる。
2位・3位のドコモ光10ギガは、マンション・戸建て双方ともに約345~352Mbpsとバランスのよい成績。計測数もマンション166・戸建て262と多く、契約者数の裾野の広さと安定性を両立させているといえる。
一方、計測数が最も多いのはソフトバンク光10G(戸建住宅)の390計測で、これに戸建て版のドコモ光10Gが262計測で続いた。ソフトバンク光10Gは戸建て・集合住宅ともに200Mbps台にとどまっており、契約者数の多さゆえに利用環境のばらつきや混雑の影響を受けやすい可能性も考えられる。
ランキング圏外の注目サービス
計測数30未満のため今回の順位付けからは外れたが、「とくとくBB光 10ギガマンション」(GMOインターネットグループ)は下り平均549.55Mbps(12計測)、「So-net光10ギガ(マンション)」(ソニー)が437.66Mbps(6計測)と、いずれも500Mbps前後の高い数値を叩き出している。
事業者別 光コラボ10G 実力比較(全国)
事業者ごとに、提供する光コラボ10Gサービスの計測数と加重平均下り速度をまとめると以下の通り。
事業者名 | サービス数 | 総計測数 | 加重平均 下り速度(Mbps) |
GMOインターネットグループ | 2 | 38 | 424.05 |
ビッグローブ | 2 | 63 | 396.82 |
ニフティ | 2 | 29 | 355.27 |
NTTドコモ | 2 | 428 | 347.87 |
ソニーネットワークコミュニケーションズ | 2 | 37 | 328.74 |
ソフトバンク | 2 | 444 | 247.64 |
エキサイト | 1 | 2 | 175.31 |
計測数が少ないGMO・ビッグローブ・ニフティといった中堅ISPの光コラボ10Gが加重平均で上位を占めているのに対し、契約者数の多いソフトバンク・NTTドコモは計測数が400を超えつつも平均値では中堅勢に一歩譲る形となった。ユーザー層や設置環境の多様さが平均を押し下げていると考えられる。
Wi-Fi接続時の光コラボ10Gサービス【地域別】
全国ベースで見た場合と異なり、地域別では10G光コラボ自体の計測母数が限定的な地方が多く、30計測以上のサービス数はごく少数にとどまった。ここでは地域内で計測数が10以上あったサービスを中心に紹介する。
※表中の速度はすべて下り速度
北海道
順位 | サービス名 | 事業者名 | 速度(Mbps) | 計測数 |
1 | ソフトバンク光 10G(戸建住宅) | ソフトバンク | 321.48 | 27 |
2 | So-net光10ギガ(戸建て) | ソニーネットワークコミュニケーションズ | 200.18 | 16 |
北海道では30計測以上のサービスは確認できなかったが、ソフトバンク光10G戸建てが27計測で321.48Mbpsを記録した。
東北
順位 | サービス名 | 事業者名 | 速度(Mbps) | 計測数 |
1 | ソフトバンク光 10G(戸建住宅) | ソフトバンク | 592.50 | 46 |
- | ドコモ光10ギガ(マンション) | NTTドコモ | 730.29 | 15 |
東北エリアでは、ソフトバンク光10G(戸建住宅)が46計測で592.50Mbpsと、全国平均を大きく上回る高速な結果となった。ドコモ光10ギガ(マンション)も15計測で730Mbps超と地域内で突出した速度を示している。
関東
順位 | サービス名 | 事業者名 | 速度(Mbps) | 計測数 |
1 | ドコモ光10ギガ(マンション) | NTTドコモ | 448.49 | 88 |
2 | ドコモ光10ギガ(戸建て) | NTTドコモ | 329.24 | 105 |
3 | ソフトバンク光 10G(戸建住宅) | ソフトバンク | 203.66 | 159 |
計測数が最も多い関東では、ドコモ光10ギガのマンション版が448.49Mbpsで首位。ソフトバンク光10G戸建住宅は159計測と最多の測定数を集めたものの、下り平均は203.66Mbpsにとどまった。ユーザー数が多い地域ほど混雑やWi-Fi環境のばらつきが平均を押し下げる傾向がみられる。
北陸・甲信越
北陸・甲信越はいずれも10G光コラボの計測数が全体的に少なく、30計測以上の対象サービスは存在しなかった。参考として、北陸ではドコモ光10ギガ(戸建て)が4計測ながら1,043.68Mbpsと1Gbpsを超える速度を記録している。
東海
順位 | サービス名 | 事業者名 | 速度(Mbps) | 計測数 |
1 | ドコモ光10ギガ(戸建て) | NTTドコモ | 258.34 | 30 |
2 | ドコモ光10ギガ(マンション) | NTTドコモ | 63.32 | 52 |
東海エリアはコミュファ光(独自回線)が強い地域として知られるが、光コラボ10Gに絞るとドコモ光10ギガ(戸建て)が258.34Mbpsで首位。一方、同(マンション)は52計測ありながら平均63.32Mbpsと苦戦しており、集合住宅の宅内配線環境が影響している可能性が考えられる。
近畿
順位 | サービス名 | 事業者名 | 速度(Mbps) | 計測数 |
1 | ドコモ光10ギガ(戸建て) | NTTドコモ | 369.97 | 69 |
2 | ソフトバンク光 10G(戸建住宅) | ソフトバンク | 264.25 | 44 |
eo光(オプテージ)を擁する近畿圏だが、光コラボ10Gではドコモ光10ギガ(戸建て)が369.97Mbpsでリード。ソフトバンク光10G戸建住宅がこれに続いた。
九州・沖縄
九州・沖縄エリアもBBIQなど独自回線の強い地域で、30計測以上の光コラボ10Gサービスは存在しなかった。参考値ではドコモ光10ギガ(戸建て)が21計測で404.44Mbpsを記録している。
光コラボ10Gは「大手勢の量」対「中堅勢の質」
2026年6月のRBB SPEEDTESTデータをもとに光コラボ10Gを分析した結果、いくつかの明確な傾向が浮かび上がった。
全国ランキングで首位に立ったのは「ビッグローブ光 ファミリー10ギガタイプ」で、下り平均約400Mbpsを記録した。事業者別の加重平均でもGMOインターネットグループやビッグローブといった中堅ISPが上位を占めており、"質"の面での存在感を示す結果となっている。
一方、計測数ではソフトバンク光10Gとドコモ光10ギガの二大勢力が圧倒的なシェアを見せ、契約者裾野の広さで他社を寄せつけない状況がうかがえる。ただし、その広い普及度ゆえに利用環境のばらつきが平均値に影響しているとも考えられ、平均速度の面では中堅勢に一歩譲る形となった。
地域別にみると、光コラボ10Gの計測母数はまだ限定的で、特に北陸・甲信越・北海道・九州沖縄の各エリアでは30計測以上を満たすサービスは確認できなかった。10Gプランが全国津々浦々に浸透するまでにはなお時間を要する状況といえるだろう。
もっとも、独自回線が強い東海・近畿・九州といった地域でも、光コラボ10Gの速度はドコモ光を中心にまずまずの水準を確保しており、地方ユーザーにとっても現実的な選択肢となりつつある点は見逃せない。
10Gという最大速度をフルに引き出すには、Wi-Fi環境や宅内配線を含めたトータルの品質が不可欠となる。今回の結果は「10Gプランを契約すれば必ずしも1Gbps級の実効速度が出るわけではない」という現実を改めて示す一方、上位サービスでは400~500Mbps帯という一昔前では考えられない速度が定着しつつあることも見て取れる。
高速通信への需要が高まる中、各事業者の10Gサービスにおける品質差はいっそう明確になってきており、今後の競争がさらに激化していくものと思われる。
¥350
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)





