「韓流20周年」を記念したプロジェクトが、なぜか3年目に入っている。
しかも、まだ終わる気配はない。
8月14日、韓国メディアは『冬のソナタ』をはじめ、『秋の童話』『夏の香り』『春のワルツ』という、いわゆる“四季シリーズ”のOSTをK-POPアーティストらが歌い直す「韓流開始20周年記念プロジェクト」に、新たな参加者が加わると報じた。
EXOのチャンヨル、i-dleのミヨン、チュウ、PENTAGONのフイ、THE BOYZのサンヨン、ギュビン、SAY MY NAMEらに続き、最近では歌手ハルも参加。さらに後半の制作にもK-POPアーティストや俳優が加わる予定だという。
だが、ここで少し引っかかる。
そもそも、このプロジェクトが始まったのは2024年だ。「韓流20周年」を掲げた企画が、2026年になった今も続いているのだ。
2024年に始まった「20周年プロジェクト」
そもそもこのプロジェクトは、日本で『冬のソナタ』が放送された2003年を、日本における第一次韓流の大きな起点として、その20周年を記念する形で企画された。

中心となっているのは、『冬のソナタ』だけではない。
ユン・ソクホ監督の“四季シリーズ”として知られる『秋の童話』『冬のソナタ』『夏の香り』『春のワルツ』の代表的なOSTを、現在のK-POPアーティストたちが新たに歌い直すというものだ。
第1弾として登場したのはチュウだった。
2024年7月、『夏の香り』のOST『二番目の愛』をリメイク。当時の記事では、国内のK-POPアーティスト9組が参加し、チュウを皮切りに順次公開されると伝えられていた。

続く第2弾は同年11月。ミヨンが『秋の童話』のOST『祈り』を歌った。また、第3弾は2025年2月のフイで、選ばれたのは『冬のソナタ』の『My Memory』だった。


比較的ゆっくりではあるものの、「20周年記念リメイク企画」が順番に進んでいるように見える。
その後もプロジェクトは続いた。
2025年12月にはチャンヨルが『冬のソナタ』のメインテーマ『最初から今まで』をリメイク。今年に入っても、4月にはギュビンが『春のワルツ』の『Flower』を歌った。


そして現在、プロジェクトはまだ続いている。
気がつけば、スタートから2年以上。「20周年記念」の看板を掲げたまま、企画は3年目に突入したことになる。
当初の“記念企画”から少しずつ拡大?
興味深いのは、時間が延びているだけではないことだ。プロジェクトの規模や計画も、少しずつ変化している。
2025年2月の段階では、日本の有名レコード会社との契約を控え、日本でのアルバム発売を準備していると伝えられていた。
それが今年4月になると、9~10月に韓国、日本、中国でパッケージアルバムを発売し、参加アーティストによる大型コンサートを開催する予定だと報じられた。
そして最新の8月14日の報道では、今年下半期にパッケージアルバムを発売し、韓国と日本で参加アーティストによるコンサートを予定しているとされている。
当初の記事では「K-POPアーティスト9組が参加するOSTリメイク企画」として紹介されていたが、その後の報道では、パッケージアルバムや海外展開、さらにはコンサートまで具体的に伝えられるようになった。
そう考えると、「20周年なのになぜまだやっているのか」という疑問にも、少し違った見え方が出てくる。
もはやこれは、単純な“周年イベント”ではなくなっているのではないか。
20年前の韓流と現在のK-POPをつなぐ
そもそも、この企画の顔ぶれには象徴的なものがある。
題材になっているのは、『冬のソナタ』をはじめとする2000年代初頭の韓国ドラマだ。日本で第一次韓流を広げた中心にあったのは、ドラマだった。

一方、その20年以上後の現在、世界で韓流を牽引する存在の一つとなっているのはK-POPだ。そのK-POPアーティストたちが、かつて韓流ブームを作ったドラマのOSTを歌い直している。
言ってみれば、20年前の韓流と今の韓流を、音楽でつなぐ試みでもある。
しかも、今回のプロジェクトを総括するパク・ジョンウォン音楽監督は、『冬のソナタ』『秋の童話』『夏の香り』『春のワルツ』の音楽を手掛けてきた人物だ。
過去の名曲を単に若い歌手がカバーするのではなく、当時“四季シリーズ”の音楽を担った人物自身が、新しい世代の声とともに再構築しているという点にも、この企画ならではの意味がある。
もちろん、これほど長期化した理由が公式に説明されているわけではない。
当初から3年近く続ける計画だったのか。途中で規模が拡大したのか。それとも音源制作や海外展開を進めるなかで、結果として長期プロジェクトになったのか。
そこまでは今回の報道だけではわからない。
ただ、少なくとも一つ確かなのは、「20周年を祝うための短期企画」という枠には、すでに収まりきらなくなっていることだ。
2024年に始まり、2025年を越え、2026年も新たな参加者が発表される。さらにパッケージアルバムの発売や、韓国と日本でのコンサートまで予定されている。
「韓流20周年」を入り口に始まった企画が、いつの間にか『冬のソナタ』をはじめとする“四季シリーズ”の音楽を、新しい世代へ受け渡していく長期プロジェクトへと姿を変えつつある。
そう考えれば、「20周年なのに3年目」という少し不思議な時間の流れも、この企画そのものの変化を映しているといえるだろう。
始まったきっかけは「20周年」だった。しかし3年目に入った今、このプロジェクトを動かしているのは、もはや周年という数字だけではないのかもしれない。


