「BLACKPINKが永久解散した」
そんな衝撃的な“公式声明”がSNS上で拡散し、700万回を超える表示を記録している。
もちろん、これは事実ではない。
話題となった投稿には、BLACKPINKの写真とともに、「YGエンターテインメントがBLACKPINKのグループ活動終了を正式発表した」とする英文の声明文が添えられている。
ところが、よく見ると声明の日付は「2025年8月16日」。その後もBLACKPINKはグループとして活動しており、内容と現実は明らかに矛盾している。
実際、投稿につけられたXのコミュニティノートでも、YGからそのような公式発表は出ていないとして、フェイクニュースであることが指摘された。
それでもコメント欄には、「本当なの?」「フェイクで残念」「本当ならうれしい」といった反応まで並び、情報は一気に拡散した。
コミュノ「BTSファンによるデマ」
興味深いのは、コミュニティノートが単に「偽情報」と指摘するだけでは終わっていないことだ。

そこには、「BTSファンによるフェイクニュース投稿(Just another BTS fan posting a fake news)」という説明まで記されている。
すると今度は、投稿者側が反発。
「誰が始めたんだ?」という趣旨の投稿を行い、自分たちだけが一方的にデマを流しているわけではないと主張し、画像を添付した。
その画像には、BLACKPINK版とは逆に、「HYBEがBTSの永久解散を正式発表した」とする偽の“公式声明”が出回っている。
こちらもBTSのメンバー写真と英文の声明文を組み合わせ、本物の公式告知を思わせる作りだ。
ただし、BTS版を誰が最初に作ったのか、それが今回のBLACKPINK版につながったのかまでは確認できない。
少なくとも確認できるのは、BTSとBLACKPINKというK-POPを代表する2組をめぐり、双方の「永久解散」を装った偽情報が飛び交っているという異様な状況だ。
それにしても、なぜ題材が「解散」なのだろうか。相手ファンダムを挑発するだけなら、別の内容でもできるはずだ。
「永久解散」という言葉が選ばれるのは、グループを応援するファンにとって、それが最も聞きたくない言葉のひとつだからだろう。
とりわけBTSは2013年、BLACKPINKは2016年にデビューした。どちらもK-POP界のトップを長く走り続け、すでにデビューから10年以上が過ぎている。

活動が順調だからといって、グループが永遠に続く保証があるわけではない。むしろ長く応援してきたファンほど、「いつか終わる日」を意識する瞬間はある。
だからこそ、「永久解散」という言葉には強い破壊力がある。たとえ偽情報だと疑っていても、一瞬は目を止めてしまう。今回のデマは、そんなファン心理を突いたものともいえそうだ。
BTSとBLACKPINK、なぜ比較される?
ただ、ここで一つ考えたい。そもそも、なぜデマ合戦の相手がBTSとBLACKPINKなのか。
本人たちの間に、何か深刻な“因縁”があるという話ではない。むしろ対立してきたのは、一部のファンダムだ。そして、その背景は意外と単純なのかもしれない。
BTSとBLACKPINKが、それぞれ男性、女性K-POPグループの世界的成功を象徴する存在だからだ。
BTSはK-POPの世界進出を大きく押し広げたグループとして知られる。アメリカの音楽市場でも存在感を示し、世界規模のファンダムを築いた。現在もワールドツアー「ARIRANG」を展開している。
一方のBLACKPINKも、女性K-POPグループとして世界的な地位を確立してきた。大規模なワールドツアーや海外フェスへの出演だけでなく、4人それぞれがソロアーティストとして活動。さらにファッションや世界的ブランドとの仕事を通じて、音楽以外でも巨大な影響力を持つ。

活動スタイルも、音楽性も、男性グループと女性グループという条件も違う。本来なら、どちらが「上」なのかを単純に決める必要などない。
それでも両者が何年にもわたって比較され続けていること自体、BTSとBLACKPINKがK-POPという枠を越えて巨大な存在になった証拠でもある。
もちろん、偽の公式声明を作って拡散する行為を肯定することはできない。まして、相手グループの「解散」を喜ぶような反応まで出ている状況は、健全なファン文化とは言い難いだろう。
ただ、今回の騒動には皮肉な一面もある。
「BLACKPINKの永久解散」という偽情報だけで700万回以上表示されたという点だ。それは結局、BLACKPINKが消えるという話にも、BTSが消えるという話にも、それだけ巨大なニュース価値があるからだ。
一部のARMY(BTSファン)とBLINK(BLACKPINKファン)が相手を最大のライバルとして意識する。その感情が行き過ぎれば、今回のようなフェイクニュース合戦にまで発展してしまう。
だが、競うなら「どちらが消えるか」ではなく、「どちらがこれから何を成し遂げるか」で十分なはずだ。
BTSとBLACKPINKの“永久解散”という真っ赤な嘘が世界中を騒がせること自体が、皮肉にも、この2組が今なおK-POPを代表する特別な存在であることを物語っているのかもしれない。
■【画像】サマソニでポロリ?BLACKPINK・ジェニー、動画が急速に拡散中


