「全てが終わっている」
19年前の韓国映画が、再び日の目を浴びている。
【画像】タランティーノが「必ず見るべき!」と絶賛した韓国映画
2007年に公開された映画『D-WARS ディー・ウォーズ』。韓国の説話に登場する、龍になり損ねた大蛇・イムギを題材にしたSF作品だ。
韓国で公開された当時は840万人超を動員し、同年の興行成績ランキング1位に輝いた。当時の韓国映画界では珍しかった大規模な怪獣映画だったことも、注目を集めた理由の一つとされている。
内容もさることながら、芸人のシム・ヒョンレが長い年月をかけて制作した作品だという点でも話題になった。また、韓国的な題材をハリウッド式のSF怪獣映画として映像化するという試み自体、当時としてはかなり異例だった。

しかし、興行成績とは別に、作品に対する評価は大きく分かれた。特に問題視されたのが完成度だ。ストーリーの説得力やキャラクター、演出などに対する酷評が相次いだほか、終盤に登場する民謡「アリラン」をめぐっても賛否が巻き起こった。
映画の完成度の低さを愛国心に頼って補おうとしているとの批判が出る一方、当時の韓国映画界の制作環境や技術水準を考えれば、新たな挑戦そのものを評価すべきだという反論もあった。
それでも、韓国では珍しかった規模のCGや怪獣アクションを実現したことなどが評価され、第45回大鐘賞映画祭では映像技術賞を受賞。結果的に、ヒット作であると同時に大きな論争を呼んだ作品となった。
そんな“問題作”が時を経て、再び注目を集めている。そのきっかけとなったのがNetflixだ。最近、一部の国々でストリーミングが始まると、現地の視聴者が作品を見始め、アルゴリズムにも乗って予想外の再ブレイクが始まった。
グローバル動画配信サービスの視聴ランキングを集計するサイト「FlixPatrol」によると、『D-WARS ディー・ウォーズ』は8月14日、Netflix映画部門のグローバルTOP10チャートで6位にランクインした。特にフランスやドイツなど欧州の主要国では、一時2位まで上昇したほか、複数の国でTOP10入りしている。
公開当時は作品の完成度をめぐって真剣な議論が交わされたが、現在の海外視聴者にとっては、少し風変わりで見慣れない韓国式怪獣映画であることが、新たな興味を引く要素になっているようだ。作品そのものの独特さが、一部の視聴者には一種の“ミーム”のように受け止められ、それがかえって関心を集めているとの見方もある。

もちろん、評価が完全に覆ったわけではない。米映画批評サイト「Rotten Tomatoes」では、『D-WARS ディー・ウォーズ』の評価はいまだ28%と低いままだ。作品の完成度に対する過去の酷評も、そのまま残っている。
日本のレビューサイトでも、「全てが終わっている」「どんな映画でも楽しめる自負があったが、最後まで観続けるのは少し大変だった」「韓国でヒットしたのが本当に信じられない」「当時の韓国で最もお金のかかっていた映画にもかかわらず、見事にクソ」といった辛辣な意見が少なくない。
ただ、酷評もまた、作品に対する関心の一つの形である。シム・ヒョンレは最近、自身のYouTubeチャンネルで『D-WARS ディー・ウォーズ』の続編を予告し、イムギや怪獣を軸とした世界観を再び広げていく意向を明らかにした。

もしシム・ヒョンレの構想が実現すれば、続編がどのような仕上がりとなり、現代の映画ファンにどこまで刺さるのか。そして、かつての酷評を覆すことができるのかも注目されるところだ。
■【画像】タランティーノが「必ず見るべき!」と絶賛した韓国映画


