「障害はあるが社会的には強者」韓国の車いすユーチューバー、100万人炎上で何度もひっくり返った“正義” | RBB TODAY

「障害はあるが社会的には強者」韓国の車いすユーチューバー、100万人炎上で何度もひっくり返った“正義”

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「障害はあるが社会的には強者」韓国の車いすユーチューバー、100万人炎上で何度もひっくり返った“正義”
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車いすで列車を降りる途中、転倒した。

この事実だけを聞けば、“車いすユーチューバー”のパク・ウィは明らかに「被害を受けた側」に見える。

【画像】事故に遭った車いすユーチューバーに批判殺到

ところが、この騒動はそこから何度もひっくり返った。

事故をめぐって批判されたのは、パク・ウィの乗降を手伝っていた社会服務要員(駅スタッフ)だけではない。やがて矛先はパク・ウィ自身へ向き、さらに炎上が拡大すると、その妻まで巻き込まれる事態になった。

その過程で、ある現役弁護士が示した「障害者であっても、社会的には強者になり得る」という見方が印象的だった。

一見すると矛盾して聞こえる。しかし今回の騒動を追っていくと、最初に見えていた構図が、次の事実を知ると変わり、さらにその先でまたひっくり返る。「弱者」「強者」という言葉は、私たちが思っているほど簡単に固定できるものではないのかもしれない。

まずは「事故の被害者」だった

パク・ウィは、事故によってまひが残り、現在は車いすで生活している人気ユーチューバーだ。

妻ソン・ジウン(左)とパク・ウィ
(写真提供=OSEN)妻ソン・ジウン(左)とパク・ウィ

自身のYouTubeチャンネルは100万人近い登録者を抱え、障害に関する発信などでも知られてきた。

そんな彼が8月14日、KTX(高速鉄道)から降りる際に転倒した。

報道によると、車いすで移動式の傾斜路を下りていたところ、車輪が傾斜路を固定していた駅スタッフの足に引っかかり、転倒したという。

ここだけを見るなら、パク・ウィは事故に遭った側だ。しかも車いす利用者の移動中に起きた事故だ。本人が同様の事故を防ぎたいと考え、移動環境の改善を訴えようとしたこと自体は不自然ではない。

実際、パク・ウィは事故から約1週間後、自身のYouTubeチャンネルに現場の防犯カメラ映像を公開した。ここまでは「事故に遭った当事者が問題提起した」という話にも見える。

事故について話すパク・ウィ
(画像=「WERACLE」)事故について話すパク・ウィ

だが、その映像公開によって状況が変わった。

100万人に公開した瞬間、立場が逆転?

問題視されたのは、事故の責任そのものよりも、その伝え方だった。

駅スタッフはパク・ウィを助けようとしていた過程でミスをし、現場ですでに謝罪していたとされる。

しかし、その後、その場面が100万人規模のYouTubeチャンネルで公開された。

ネット上では「再発防止を訴えるにしても、関係者には一人の職員が特定されかねない映像を、大勢が見る場所に公開する必要があったのか」といった批判が相次いだ。

ここで、さっきまで「被害者」に見えていたパク・ウィの立場が反転する。

事故に遭った瞬間には助けを必要とする側だった人が、YouTubeという巨大な発信力を使った瞬間には、逆に一人の職員よりはるかに強い影響力を持つ側になる。

この点について、現役弁護士のイ・ジフン氏は「パク・ウィは社会的弱者ではない」と指摘した。

イ・ジフン弁護士
(画像=「アヌン弁護士」)イ・ジフン弁護士

イ弁護士は、弱者と強者は相対的な概念であり、障害の有無だけでなく、社会的背景や職業、経済力なども含めて判断すべきだという趣旨だった。

そして今回のパク・ウィと駅スタッフの関係で見れば、100万人近い登録者を持つパク・ウィのほうが「社会的強者」だと見たのだ。

かなり刺激的な言葉だが、たしかに考えさせられるところはある。

障害によって日常生活で不便や危険に直面していても、別の場面では大きな社会的影響力を持つことがある。「障害者だから弱者」「有名人だから強者」と、一つの肩書きだけで決められるほど単純ではないのだ。

謝罪すると、今度は「叩かれる側」に

批判が拡大すると、パク・ウィは問題の映像を削除した。

そして、「現場で私を助けるために最善を尽くしてくださり、丁寧に謝罪してくださった職員の立場を考えることができなかった。私の伝え方が未熟で、考えが浅かった」と謝罪した。

ここまで来ると、また見え方が変わってくる。

本人は問題を認め、映像を削除し、謝罪した。ならば「もう十分なのではないか」と思う人もいるだろう。

ところが、批判は止まらなかった。

登録者数は100万人を割り込み、予定されていた講演やトークイベントにもキャンセルが相次いだと報じられた。

妻ソン・ジウン(左)とパク・ウィ
(写真提供=OSEN)妻ソン・ジウン(左)とパク・ウィ

さらに批判は、今回の映像公開には関与していないと報じられている妻で歌手のソン・ジウンにまで飛び火した。夫婦は相次いでSNSのコメント機能を制限することになった。

ここまで来ると、今度はネット世論の側が圧倒的な「強者」にも見えてくる。

一人のスタッフのミスを巨大なチャンネルで公開したとして批判された人物が、今度は自分と家族まで大勢から集中的に攻撃される側になったわけだ。

では、結局誰が「悪い」のか

今回の騒動は、見る場面によって評価が驚くほど変わる。

転倒事故だけを見れば、パク・ウィは被害を受けた人だ。防犯カメラ公開まで見れば、「100万人という影響力を使いすぎたのではないか」という疑問が生まれる。

一方、謝罪まで見れば、「本人も非を認めたのだから、これ以上叩く必要があるのか」と感じる人もいるだろう。さらに、批判が妻にまで向かったとなれば、今度は「ネットの側が行き過ぎている」と思えてくる。

ほんの少し情報が加わるだけで、「かわいそう」「いや、この人が悪い」「やはり叩きすぎだ」と、評価は簡単にひっくり返る。

それでもオンライン上では、一つの映像や一つの投稿が出た瞬間に、「被害者はこちら」「悪いのはこちら」と答えが決まったかのように語られやすい。

誰かを「悪い側」と決めてしまえば、批判する自分を「正しい側」に置くことも簡単になる。だが、現実はそこまで単純ではない。

パク・ウィ
(写真提供=OSEN)パク・ウィ

パク・ウィは事故の被害者だった。それと同時に、100万人近い登録者に直接語りかけられる強い発信者でもあった。

そしてその発信方法を批判され、今度は本人や妻まで大量の批判を受ける側に回った。

現役弁護士が語った「社会的強者」という言葉も、今回の一場面を切り取れば理解できる。

ただ、その一場面だけを見て、パク・ウィという人間そのものを「強者」と決めてしまえば、結局また一つのラベルで人を判断することになる。

今回の騒動で最も興味深いのは、誰が強者で、誰が弱者だったのかという“答え”そのものではないのかもしれない。

事故では被害を受けた側だった人物が、その後は強い発信力を持つ側になり、さらに炎上すると今度は大勢から批判を浴びる側になった。問題視された行動への批判が、妻にまで広がれば、また話は変わってくる。

情報が一つ加わるたび、「誰が悪いのか」という見え方まで変わっていく。

パク・ウィをめぐる騒動は、「被害者か加害者か」「強者か弱者か」と人を二つに分けることが、思っているほど簡単ではないことを妙にはっきりと映し出している。

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