初動11万1300枚で、歴代10位。
JYPエンターテインメントが送り出した新ガールズグループ「OURBIRTHDAY(アワーバースデー)」が、そんな記録を残した。
8月19日にリリースされたデビューシングル『Our Birthday』は、HANTEOチャート基準で発売初週11万1300枚を記録。
韓国メディアによると、これは歴代ガールズグループの「デビューアルバム初動」で10位に当たるという。
まずは順調なスタートを切ったといっていいだろう。
ただ、この「歴代10位」という言葉を見ていて、少し気になった。
実は、わずか2年ほど前には、今よりはるかに少ない数字でも「歴代10位」と報じられたガールズグループがいたからだ。
2年前の「歴代10位」は3万4100枚

そのグループが、今年に入って大きく存在感を高めているRESCENE(リセンヌ)だ。
RESCENEが2024年3月にリリースしたデビューアルバム『Re:Scene』は、初動3万4100枚。当時、韓国メディアはこれを「歴代K-POPガールズグループのデビューアルバム初動10位」と大きく報じた。
『韓国日報』は「人気に青信号」、『韓国経済』は「K-POPダークホース浮上」と伝えるなど、3万枚超という数字は新人ガールズグループとして十分にインパクトのある記録だった。

ところが、それから約2年4カ月。
今回、OURBIRTHDAYが「歴代10位」に入るために必要だったのは11万1300枚だった。
同じ「歴代10位」でも、ボーダーは3万4100枚から11万1300枚へ。単純計算で3倍以上になっている。
しかもRESCENEの3万4100枚は、現在のランキングではトップ10圏外まで押し出された。8月25日時点では歴代17位だ。
つまり、「歴代10位」という肩書きそのものが、思っている以上のスピードで更新されていることになる。
現在のトップ10は20万~40万枚がずらり
改めて現在のランキングを見ると、その“インフレ”ぶりがよくわかる。
歴代1位はHearts2Heartsの『The Chase』で40万8800枚。2位はILLITの『SUPER REAL ME』で38万枚、3位はNewJeansの『New Jeans』で31万1200枚だ。

4位はLE SSERAFIMの『FEARLESS』で30万7400枚、5位はiznaの『N/a』で25万1100枚。
以下、6位NMIXX『AD MARE』22万7300枚、7位KiiiKiii『UNCUT GEM』20万6700枚、8位Kep1er『FIRST IMPACT』20万6500枚、9位IVE『ELEVEN』15万2200枚と続き、OURBIRTHDAYが11万1300枚で10位に入った。
ちなみにBABYMONSTERは少し事情が特殊だ。
2023年11月に『BATTER UP』を発表した後、7人体制となった2024年4月をYGエンターテインメントが「正式デビュー」と位置づけたため、「デビューアルバム」の定義によってランキングへの入り方が変わってくる。
いずれにしても、今の歴代トップ10を見る限り、デビュー時点で10万枚以上を売らなければ入れない世界になっている。
上位陣の多くは、その後も成長している
では、歴代上位に入っているガールズグループは、その後どうなったのか。
2位ILLIT、3位NewJeans、4位LE SSERAFIM、9位IVEの活躍は周知の通りだ。いずれもデビュー時の勢いを一過性で終わらせず、ヒット曲や海外活動、大型公演などへとつなげてきた。
6位NMIXXや7位KiiiKiiiも、それぞれワールドツアーや音源チャートで成果を残している。
そして現在、デビュー初動歴代1位のHearts2Heartsも順調に歩みを進めている。

2025年2月のデビュー作で40万8800枚を記録した後、音源でも存在感を高め、新人賞9冠を達成。今年に入っても、『RUDE!』『Lemon Tang』とヒット曲をリリースしており、8月には日本で正式デビューした。
東京ドームで行われたプロ野球の特別試合でもパフォーマンスを披露し、8月27日にはKIAの主要車種「ブラックエディション」のプロモーションにも起用されている。
デビュー時に集めた大きな期待を、その後の人気や知名度へ着実につなげている例といえそうだ。
ただし、上位グループのすべてが同じ曲線を描いているわけではない。
歴代5位のiznaはデビュー作で25万1100枚を記録したが、その後の『Not Just Pretty』は20万3800枚、『SET THE TEMPO』は10万2300枚。アルバム初動だけを見れば、デビュー時から数字を落としている。

8位のKep1erも20万6500枚という強いスタートを切り、現在も活動を続けているが、IVEやLE SSERAFIMのような世代を代表する存在まで成長したかと問われれば、評価は分かれるだろう。
また、NewJeansのように、圧倒的な人気を獲得しても、所属事務所との契約問題によって活動が長期間停滞するケースもある。
つまり、初動上位に入ったグループの多くはその後も活躍しているが、初動順位だけで未来まで決まるわけではないのだ。
「歴代10位」、どこまで意味があるのか
前述した通り、RESCENEは2024年、3万4100枚で「歴代10位」と報じられた。
それから約2年4カ月。OURBIRTHDAYが同じ10位に入るために必要だったのは、11万1300枚。ボーダーは3倍以上になった。
もちろん、今後さらに販売枚数の多い新人が現れれば、OURBIRTHDAYもトップ10から押し出される可能性がある。
ただ、重要なのは順位がいつまで残るかではない。同じ「デビュー初動10位」という肩書きでも、その意味するところが時代によってまったく違うということだ。
そして、この急激なボーダー上昇は、今のK-POPにおける「デビュー」のあり方そのものも映しているように思える。

今や正式デビューの日が、必ずしも“ゼロからのスタート”とは限らない。大手事務所のブランド、オーディション番組、デビュー前コンテンツ、SNSなどを通じ、正式デビュー前からファンを抱える新人も珍しくなくなった。
少なくとも現在のK-POPでは、デビュー初動は「デビューしてからどれだけ人気を得たか」という数字よりも、「デビューする瞬間までに、どれだけ大きな期待と購買力を作れていたか」を強く映す数字になっている。
その意味では、RESCENEの存在は象徴的だ。2024年に「歴代10位」と報じられた3万4100枚は、今ではトップ10圏外となった。
それでもグループ自身は2026年になって大ブレイクし、音楽番組1位を重ねるまでになった。
順位は後発グループによって塗り替えられていく。だが、それがそのままグループの価値や、その後の成功を決めるわけではない。逆に、デビュー初動で上位に入ったからといって、その先まで保証されるわけでもない。
そう考えると、OURBIRTHDAYの11万1300枚も、「歴代10位」という肩書きそのものより、その数字をどこまで次のヒットや人気につなげられるかを見るほうがおもしろい。
2年後、OURBIRTHDAYは何位にいるのか。そして、そのときグループ自身はどこにいるのか。本当に気になるのは、むしろそちらだ。
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