NHKは、1996年9月に東京・葛飾区で発生した「上智大生殺害放火事件」を取り上げるドキュメンタリー番組「未解決事件 File.18」を、11日夜10時30分から放送する。


この事件は、アメリカ留学を目前に控えていた上智大学の学生・小林順子さん(当時21歳)が自宅で殺害され、現場が放火されたものだ。事件発生から約30年が経過した現在も犯人は逮捕されておらず、これまでに延べ12万人以上の捜査員が投入されてきた。

番組では、NHKが独自に入手した膨大な捜査資料と関係者証言をもとに、改めて事件の全貌に迫る。放火による焼損で多くの痕跡が失われるなか、被害者の両手首を縛っていた粘着テープの状態や、現場に残されたスリッパの位置といったわずかな手がかりを丹念に検証。捜査員たちが「どこかに必ず真実へつながる手がかりが残されている」と信じ続けてきた執念の捜査の軌跡を追う。
さらに、30年にわたって捜査が続けられるなかで、ついにたどり着いたとされる犯人に繋がる「決定的な証拠の存在」についても言及。何が壁となって未解決のままなのか、知られざる事件の内幕に迫っていく。


番組では遺族の歩みにも焦点を当てている。父・賢二さんは事件後、時効制度の見直しを求める活動に尽力し、殺人や強盗殺人事件における時効廃止の法改正を後押しした。「明日、逮捕の知らせが届くかもしれない」という言葉が、今を生きる心の支えだと語っている。
また、今回は姉・亜希子さんが「わずかな記憶が事件解決の糸口になるかもしれない」として、初めてインタビュー取材に応じた。「犯人が捕まったと報告したい」と強く語る遺族の願いは、30年を経てもなお途切れることはない。
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