中村ゆりさん死去 韓国メディアが「在日同胞4世」と大きく報道、19年前の言葉も再注目 | RBB TODAY

中村ゆりさん死去 韓国メディアが「在日同胞4世」と大きく報道、19年前の言葉も再注目

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中村ゆりさん死去 韓国メディアが「在日同胞4世」と大きく報道、19年前の言葉も再注目
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女優・中村ゆりさんの訃報は、日本だけでなく韓国でも大きく伝えられている。

所属事務所は9月14日、中村さんが9月1日に直腸がんのため死去したと発表した。44歳だった。

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13年前にもがんを患い、一度は回復したものの、昨年1月に再発。今年8月には腸閉塞を再び起こし、余命わずかと告げられていたという。

日本では、あまりに早い死を惜しむ声とともに、『パッチギ!LOVE&PEACE』『そして父になる』『クロサギ』など数々の作品で活躍した女優としての歩みや、鈴木亮平、岩井俊二監督ら芸能関係者から寄せられた追悼の言葉が相次いで伝えられている。

一方、韓国メディアの記事を見ていくと、日本とは少し異なる中村さんの姿が浮かび上がってくる。

韓国で繰り返される「在日同胞4世」という紹介

韓国の通信社『聯合ニュース』は、「在日同胞女優・中村ゆり死去…『パッチギ LOVE&PEACE』主演」と題して訃報を報じた。

中村ゆりさん
(画像=映画『パッチギ LOVE&PEACE』)中村ゆりさん(中央)

記事の冒頭から中村さんを「在日同胞4世の女優」と紹介し、1982年に大阪で、在日同胞3世の父親とソウル出身の母親の間に生まれたと説明している。

そして大きく取り上げたのが、2007年の映画『パッチギ!LOVE&PEACE』だ。

中村さんは同作で、在日コリアンであることを理由に芸能界で壁にぶつかるキョンジャ役を演じ、女優賞や新人賞を受賞した。『聯合ニュース』は、その役柄と中村さん自身のルーツを重ねるように紹介している。

『京郷新聞』も、見出しから「在日同胞4世」を強調。「在日同胞の物語を扱った『パッチギ LOVE&PEACE』で主人公キョンジャを演じてスターダムに上がった」と、その出自と代表作を結び付けて伝えた。

さらに『ソウル新聞』は、より踏み込んで「日本で活動した韓国女優」と表現し、韓国籍であることにも触れている。

今回確認した日本の主な訃報では「女優・中村ゆり」として、その闘病や俳優としての歩みが中心に伝えられている。一方、韓国では「在日同胞」「韓国籍」というルーツそのものが、訃報を伝えるうえで重要な情報として扱われているのがわかる。

19年前の「韓国と日本、両方が好き」という言葉

中村ゆりさん
(写真提供=2022 TIFF/アフロ)中村ゆりさん

複数の韓国メディアが今回、改めて紹介しているのが、中村さん自身が19年前に語った言葉だ。

『聯合ニュース』は、2007年に中村さんが『パッチギ!LOVE&PEACE』とともに釜山国際映画祭を訪れた際のインタビューを引用。

当時、中村さんは2002年日韓ワールドカップについて、周囲から「韓国、負けろ」と言われると腹が立ったと振り返り、「在日だと堂々と言えることがうれしい」と語っていた。

そのインタビュー全文を見ると、中村さんは自らの韓国名が「ソン・ウリ」であること、当時の国籍が韓国だったことも明かしている。

一方で、どちらか一方に自分を寄せようとしたわけではなかった。

「私は韓国と日本、両方が好き」

そう語ったうえで、在日コリアンとして日本で生きる若い世代に対し、前向きに堂々と生きられる姿を見せたいという思いも口にしていた。

今回の訃報記事で、韓国メディアがこの19年前の発言を改めて紹介していることは印象的だ。

日本の「実力派女優」、韓国の「在日同胞・中村ゆり」

韓国メディアが強調するのは、ルーツだけではない。

『ニューシス』は、中村さんが2014年の日韓合作映画『ゲノムハザード ある天才科学者の5日間』に出演したことや、昨年Netflixで公開された『匿名の恋人たち』でハン・ヒョジュと共演したことにも触れ、韓国作品や韓国俳優との縁を振り返っている。

『匿名の恋人たち』
(画像=Netflix)『匿名の恋人たち』。左から中村ゆりさん、ハン・ヒョジュ、小栗旬、赤西仁

つまり韓国では、中村さんを単に「日本で活躍した女優」としてだけではなく、「在日同胞として自身のルーツを語り、韓国とも縁を持ち続けた俳優」として振り返る報道が目立つ。

日本では、44歳という若さで亡くなった実力派女優として、その闘病や出演作、共演者たちの追悼が大きく伝えられている。

一方、韓国ではそこに「在日同胞4世」というもう一つの視点が強調される。

『パッチギ!LOVE&PEACE』で在日コリアンを演じ、釜山で自身のルーツを語り、「韓国と日本、両方が好き」と話した中村さん。

同じ一人の女優の訃報でも、どこに焦点を当てるかによって、その人生の見え方は少し変わる。

韓国で相次いだ報道は、中村ゆりさんが日本の映画・ドラマ界で残した足跡とともに、日韓の間にまたがる自身のルーツを自然に受け止めながら歩んできた人物だったことを、改めて伝えている。

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