女優ハン・ソヒは正直だ。自身を巡る疑惑や議論に対し、考えを包み隠さず、あらわにする。他人の視線に合わせるより、自分なりの方法で声を上げる。
ただ、正直さは常に諸刃の剣だ。自分を守る勇気にもなるが、意図とは異なり、相手を不快にさせたり議論を大きくしたりする原因になることもある。
最近、ハン・ソヒが失言で再び物議を醸した。映画『インターン』(原題)のプロモーションのため、俳優チェ・ミンシクとともにMBC FM『ソン・ソッキの12時』(原題)に出演し、「逝くのに順番はない」という旨の発言をしたことで、俎上にのった。
特に、大先輩のチェ・ミンシクとソン・ソッキの前でした発言であるだけに、軽率だったという指摘が相次いだ。
それと同時に、当時の番組の全体的な文脈を考える必要もある。番組で、チェ・ミンシクとジャーナリストのソン・ソッキは、ハン・ソヒの若さに終始羨ましさをあらわにした。
これに対し、先輩たちに対抗しようとする意図よりは、年齢に関する会話で自分の考えを説明しようとしたなかで、やや防御的な言葉が飛び出た可能性もある。

もしかするとハン・ソヒにとって、自分の考えを隠さない態度は、一種の防御なのかもしれない。自分への視線と誤解に対し、黙っているより直接声を上げ、考えを明確に伝える。
これに先立ち、俳優リュ・ジュンヨルとの熱愛説が浮上したときも、リュ・ジュンヨルの元交際相手で女優のヘリと公開的に議論したのも、同じ文脈で見ることができる。ただ、こうした正直さが、ときには意図とは異なる受け止め方をされ、また別の議論を生むこともある。
問題は、1度形成されたイメージが新たな場面でも当事者を判断する物差しになるという点だ。同じ失言であっても、「誰が言ったか」によって反応が変わる。
こうした出来事が重なり、ハン・ソヒには“正直さ”という修飾語がつきまとうようになった。彼女は、これまでインタビューでも、自分の考えをストレートに明かしてきた。「どうせ私たち全員、100年後に死ぬ」というような表現は、他人の視線に縛られないという彼女の態度を示している。

ただ、そうした正直さがいつも美徳としてのみ作用するわけではない。正直であることが自分の声を上げる行為であるならば、慎重であることはその声が相手にどのように届くかを推し量る行為だ。2つとも大衆の前に立つ俳優にとって、必要な態度だ。
自分の感情を隠さないことと、相手が不快感を抱く可能性のある表現に注意することは十分に両立できる。
ハン・ソヒも同様だ。正直さを自分の武器にしてきたのであれば、その武器がときには自分に向かい得るということも受け入れなければならない。
だからといって、正直さ自体を捨てる必要はない。自分らしさを失わずに、言葉の重みを推し量る術を身につけることがいっそう重要だ。
今回の発言についても指摘されて然るべき部分はあるだろうが、過度な非難へと繋がることには、気をつける必要がある。間違った表現に対する指摘と、人そのものを裁く行為は明確に区分されなければならない。
◇ハン・ソヒ プロフィール
1994年11月18日生まれ。韓国・蔚山(ウルサン)出身。身長166cm。2016年にSHINeeの楽曲『Tell Me What To Do』のミュージックビデオの出演で芸能界入りし、2017年のドラマ『ひと夏の奇跡~Waiting for you』で本格女優デビュー。ドラマ『夫婦の世界』でブレイクし、以降『わかっていても』『マイネーム:偽りと復讐』『京城クリーチャー』など数々の話題作に出演した。デビュー時から大手食品メーカーや化粧品メーカーなど、様々な企業のCMモデルを務めた。


