映画『暗殺者(たち)』(原題)が、歴史歪曲論争に包まれた。ホ・ジノ監督の過去の作品まで再び注目を集め、議論が拡大している。
去る9月23日、韓国で公開された映画『暗殺者(たち)』は、1974年8月15日の光復節(韓国独立記念日)記念式典で発生した陸英修(ユク・ヨンス)大統領夫人の狙撃事件を題材にしたミステリー追跡劇だ。
映画は、事件の真実を暴く記者と刑事の物語を通じて、当時の公式捜査の結果とは異なる可能性を提示する。
議論の核心は、作品が、朴正熙(パク・チョンヒ)元大統領が事件の背後にいた可能性まで暗示している点だ。
当時の特別捜査本部は、北朝鮮と在日本朝鮮人総聯合会側の指令を受けた在日韓国人の文世光(ムン・セグァン)が、朴元大統領を狙撃しようとしたところ、陸夫人が銃弾に当たって死亡したと結論づけた。

その後、別の可能性を提起する主張も続いたが、確定された事実として受け入れられたわけではない。
政界からは批判が殺到した。韓国の政党、国民の力のチュ・ホヨン議員は、映画が朴元大統領を事件の背後であるかのように描写したと主張した。チャン・ドンヒョク代表もまた、9月28日にSNSを通じて映画の内容を強く批判した。
元医学専門記者のタレント、ホン・ヘゴルも自身のSNSに「『暗殺者(たち)』は不快だ」として、映画が「こじつけの陰謀論」を扱っていると批判した。これについて、一部のネットユーザーも賛成する反応を見せた。
問題が大きくなっているなか、ホ・ジノ監督の歴史を扱った過去の映画にも、再び焦点が当たっている。
2016年に韓国で公開された『ラスト・プリンセス 大韓帝国最後の皇女』は、記録にない独立運動や亡命の試みなどを劇映画にして、歴史的事実と映画の想像力の境界を巡る論争が起きた。
当時、ホ監督は作品を「ファクション」(ファクト+フィクション、歴史的事実に虚構の要素を加えた物語)だと説明し、「歴史を美化していると問題になるだろうと思い、すごく悩んだ」と明かした。

そして、2019年の映画『世宗大王 星を追う者たち』も、歴史的な記録に想像力を加えた作品だった。監督は当時、「歴史的な事実とまったく同じように作るのは、演出する側として面白くない作業だ」として、想像力を発揮した部分に対する評価は、観客に任せると語った。
ネット上では、監督の前作『ラスト・プリンセス 大韓帝国最後の皇女』『世宗大王 星を追う者たち』まで再び取り沙汰され、批判が続いている。
一部のネットユーザーは、「歴史歪曲のプロではないか」という反応を見せた。その一方で、劇映画であるだけに、ある程度の虚構と想像力は許容されるべきだという対立する意見もある。
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