時代劇にそぐわない“現代的な唇”だとして、波紋を呼んだ女優ナナ。
Netflixシリーズ『スキャンダル』のキャスティングをめぐる批判に、監督が自ら言及した。
9月28日午後、ソウル・鍾路(チョンノ)区三清洞(サムチョンドン)のカフェで、『スキャンダル』のチョン・ジウ監督のインタビューが行われた。
9月18日に公開された『スキャンダル』でナナは、夫を早くに亡くし、貞節を守りながら生きてきた朝鮮時代の女性ヒヨンを演じた。ソン・イェジン演じるチョ氏夫人と、チ・チャンウク演じるチョウォンが繰り広げる危険な恋の賭けに巻き込まれる役どころだ。ナナは本作で、大胆な露出シーンを含め、これまでとは異なる姿を披露している。
しかし、作品公開後には、朝鮮時代の未亡人役にナナのふっくらとした唇が合っていないとして、「ミスキャスティングではないか」との声が上がった。
これについてチョン・ジウ監督は、「ここは教会ではないけれど、すべて私のせいだ。監督の責任だ」と切り出した。

チョン監督は、「物語の後半で、ヒヨンがチョウォンから事件の真相を知ったあと、どう生きていくのかという点が、私にとって非常に重要だった」と説明。
続けて、「彼女は“見返すように生き抜いてやる”と言えるキャラクターでなければならない。もし“愛にすがって生きたい”ということだけがすべてだったなら、愛が崩れ、裏切られた時に、再び立ち上がる力がなくなってしまう。そうではなく、“それでも生き抜いてやる”と言える力があるのか。その点が非常に重要だった」と語った。
また、ナナの唇の形が作品への没入を妨げるという反応について、演出者として撮影現場では問題を感じなかったのかと問われると、チョン監督は再び「すべて私の責任だ」としながら、「それ以上に重要な部分を見ていた、ということだと思う」と慎重に答えた。
さらに、「感情について、本当に数え切れないほど多くの対話を重ね、深い時間をともに過ごした」とし、「曖昧にまとめようとしているのではなく、監督の責任だ。フレームの中に映る視覚的な部分に関する問題は、監督の責任だと思っている」と話した。
チョン監督はナナについて、「これから良い作品をたくさんやっていく俳優だと思う。実際に会ってみると、ここまで生々しい感情で演じようとして、自分の身体を酷使する人がいるのかと思うほどだった」と評価した。

続けて、「だから撮影では、最初のテイクをナナの顔に向けて、カメラを2、3台置いて撮ろうと努力した。その本当の感情が一度過ぎてしまったら、逃してしまう気がしたから」と明かした。
特にナナは、最後の撮影を終えた後、涙を流していたという。 これについてチョン監督は、「彼女が死ぬ覚悟を決めた状態から、生き残ろうとする状態へと変わる過程に、あまりにも深く感情移入していた。演出者としては、同時にとても心配になる瞬間でもあった」と振り返った。
また、「ナナ本人は、このキャラクターに死んでほしいと思っていた。“こんなふうに裏切られて、どうやって生き残れるのか。私はそんなことはできない”と言っていた」と、当時のやり取りを明かした。
一方で監督は、「でも私は、“それなら、今この原作を新しく作り直す意味がなくなる。絶対に死んではいけない。最初から私は、この人物を死ねないキャラクターとして始めた。どうにかして生きなければならない”と伝えた」と説明した。
さらに、「撮影の途中からその話を始め、スタッフが全員撤収した後も、ナナと私、マネージャー、制作スタッフ1、2人だけが残って、3~4時間話し合ったこともある」と明かした。
そして、「そうやって長い間、キャラクターへの感情移入を維持してきたため、最後のテイクを撮り終えたあと、ナナがあまりにも涙を流していて、近づくのもためらわれるほどだった」と、役の感情を理解するために重ねた濃密な過程を振り返った。
(記事提供=OSEN)


