世界の大学を比べるランキングが発表された。
英教育専門誌『タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)』が9月30日に発表した2027年版「世界大学ランキング」だ。
そこで、日本と韓国の上位校に対照的な動きが出た。
日本トップの東京大学は世界27位。前年の26位から1つ順位を落とした。京都大学も前年61位から62位となり、日本を代表する2校がそろって1ランク下落したことになる。
一方、韓国勢は上位校の多くが順位を上げた。
韓国トップのソウル大学は前年58位から56位、韓国科学技術院(KAIST)は70位から64位へ上昇。成均館大学は87位から68位へ一気に19ランク上げ、延世大学も86位から80位となった。
今回のランキングだけを見れば、日本は足踏み、韓国は上昇という構図が浮かび上がる。
最上位校は日本、「100位以内」は韓国が倍

もっとも、単純に「韓国が日本を追い抜いた」と結論づけるのは早い。
最上位校の順位では、東京大学(27位)がソウル大学(56位)を大きく上回っている。京都大学も62位で、KAISTの64位より上だ。
日本勢ではそのほか、東北大学106位、大阪大学147位、東京科学大学185位、名古屋大学242位となっている。
ところが「世界トップ100に何校入っているか」で見ると、様相が変わる。
日本は東京大学と京都大学の2校。一方の韓国は、前出のソウル大学とKAISTだけでなく、成均館大学、延世大学の計4校だ。
つまり、トップ大学単体の順位では日本が上だが、100位以内に入る大学数では韓国が日本の2倍となる。アジアのトップ100校を国・地域別に見ても、中国8校、香港5校、韓国4校、日本とシンガポールが各2校だった。
ランキングの範囲を広げた200位以内でも、日本は東京大学、京都大学、東北大学、大阪大学、東京科学大学の5校に対し、韓国は先の4校に高麗大学(128位)、浦項工科大学(143位)を加えた6校となる。
今回のランキングに含まれた全2297校のうち、日本からは計112校がランクインしており、国別では世界4番目に多い。全体の裾野が狭いわけではない。韓国は計44校だ。それでも、世界200位圏を見ると、韓国の大学の層の厚さが目立つ。
なぜ韓国勢は順位を上げたのか
『THE』による世界大学ランキングは、単純な知名度順ではない。
教育29.5%、研究環境29%、研究の質30%、国際性7.5%、産業4%という比重で、計17の指標を用いて評価する。
韓国メディアの分析では、今回の上位校の順位上昇を牽引した大きな要因のひとつが「研究環境」だった。
韓国のトップ100入り4校は、すべて前年より総合順位を上げた。4校の総合得点は平均2.58点上昇し、そのなかでも研究環境は平均3.63点上がり、5分野のなかで最も伸び幅が大きかったという。
特にKAISTは5年連続で順位を上げており、2022年版の99位から今回64位まで上昇。成均館大学も2023年版170位から145位、102位、87位、そして今回68位と4年連続で順位を伸ばしている。

少なくとも今回の結果からは、韓国の上位大学が1校だけ突出したのではなく、複数校がそろって世界順位を上げている様子が見えてくる。
日韓のはるか先を行く中国
今回の世界大学ランキングは、1位オックスフォード大学(イギリス)、2位マサチューセッツ工科大学(アメリカ)、同率3位にプリンストン大学(アメリカ)とスタンフォード大学(アメリカ)、5位ケンブリッジ大学(イギリス)となっている。
続いて、6位ハーバード大学(アメリカ)、7位カリフォルニア工科大学(アメリカ)、8位インペリアル・カレッジ・ロンドン(イギリス)、同率9位にカリフォルニア大学バークレー校(アメリカ)とエール大学(アメリカ)で、トップ10に入ったのはアメリカとイギリスの大学だけだ。
ただ、視野をアジア全体に広げると、日韓比較とは別の変化が見えてくる。
アジア最高は中国の清華大学で11位。北京大学が13位、シンガポール国立大学が15位に入り、アジアから3校がトップ15に入るのは史上初めてとなった。
さらに世界200位以内に入った中国の大学は、前年の13校から17校へ増加。韓国は6校のままで、中国との差は前年の7校から11校へ広がった。
『THE』は今回の結果について、「学術界の勢力が西から東へと歴史的な転換を遂げつつあることを示唆している」と分析している。
2027年版では、日本の最上位校が韓国を上回る一方、トップ100の大学数では韓国が日本を上回った。そして、その日韓のさらに上では、中国勢が存在感を強めている。
世界大学ランキングから見えてくるのは、「日本と韓国のどちらが上か」という単純な勝ち負けだけではない。アジアの大学勢力図そのものが、静かに変わり始めているようだ。
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