映画『暗殺者(たち)』(原題)をめぐる論争が広がり、市民向け試写会が中止となった。
出演俳優や関係者にも騒動が波及しており、事態は収まる気配を見せていない。
釜山映像委員会は10月1日、公式SNSを通じて、5日にCGVセンタムシティで開催する予定だった映画『暗殺者(たち)』の市民向け試写会を中止すると発表した。
当初は、同委員会がロケーション撮影を支援した作品の公開を記念し、釜山市民80人を招待して行われる予定だった。しかし、作品をめぐる最近の状況や市民から寄せられたさまざまな意見を総合的に検討した結果、やむを得ず中止を決定したという。
釜山映像委員会は「市民向け試写会を予定通り開催しようとしたが、最近の状況やさまざまな意見を検討した結果、中止を決定した。予定されていた日程を楽しみにお待ちいただいていた市民の皆さまに混乱を招くことになり、ご了承いただきたい」と伝えている。
一方で、今回の決定は作品の内容や特定の立場を支持したり、判断したりすることを意味するものではないと強調している。

『暗殺者(たち)』は、1974年8月15日に発生した韓国の朴正熙(パク・チョンヒ)大統領夫人・陸英修(ユク・ヨンス)氏銃撃事件をモチーフに、公式捜査の結果に疑問を抱いた刑事や記者たちが事件の背後を追う姿を描いた作品。
劇中では、当時の朴正熙大統領側や中央情報部(KCIA)が事件を計画した可能性を仮説として扱う場面が含まれており、一部からは「歴史歪曲だ」との強い批判が上がった。
一方で、実際の事件に映画的な想像力を加えた劇映画として、創作の範囲で受け止めるべきだとの反論もあり、意見が対立している。
制作会社と演出を担当したホ・ジノ監督はこれまで、作品の意図は事件の真相や背後関係を明らかにするドキュメンタリー的なアプローチではなく、実際の事件をモチーフにした創作作品だと繰り返し説明してきた。
しかし、こうした説明にもかかわらず、論争は容易に収まりそうにない状況となっている。


