「大韓体育会が最も多く抗議した大会ではないかと思う」大韓体育会の柳承敏(ユ・スンミン)会長が、2026年愛知・名古屋アジア競技大会をこう振り返った。
10月4日、名古屋の「Lives NAGOYA」に設けられたコリアハウスで韓国選手団の大会総括記者会見が行われ、柳会長をはじめ、李相賢(イ・サンヒョン)選手団長、金澤洙(キム・テクス)選手団総監督らが出席した。
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柳会長はまず、「長い時間が終わったように感じる。17日に開幕した大会も、今日の閉会式をもって終了する。選手団を率いてくれた金澤洙総監督、李相賢団長、全力を尽くした選手や指導者、大韓体育会の役職員、各競技団体の関係者に感謝したい」と述べた。

今大会で韓国選手団を悩ませたのが、競技以外の場面で相次いだ運営上のトラブルだった。
国歌を間違えバスは来ない、会場も間違える異例のトラブル
まず目立ったのが、国歌や国旗、表彰式をめぐる問題だ。
ホッケー男子韓国代表の試合では、韓国国歌の代わりに北朝鮮の国歌が流れる事態が発生したほか、ハンドボール代表の試合では韓国国歌そのものが流れなかった。
近代五種の表彰式では韓国が「リパブリック・オブ・チャイナ」と呼ばれ、男子サッカーの表彰式では韓国国旗が正常に掲揚されない事態も起きた。
また、選手団の移動をめぐるトラブルも続いた。バスケ男子韓国代表は日本との決勝当日、バスが来ず、試合前の練習が取り消しになったこともあった。
バレーボール男子韓国代表は犬山市体育館での午前練習に向かうため、公式シャトルバスに乗り込んだものの、到着したのは岡崎中央総合公園体育館。この影響で、韓国は午前の練習を行えなかった。
男子サッカーでは初戦前日の9月14日、監督が記者会見場へ向かうための車両が宿舎に到着しなかったこともあった。
翌15日の試合当日には、韓国選手を乗せたバスが誤って会場近くの野球場へ向かい、対戦相手のカタールとともに到着が約30分遅れた。
さらに16日には、リカバリー練習へ向かうためのバスが手配されておらず、午前中に予定されていた練習開始も遅れた。
そのほかにも、選手団の宿泊施設や競技会場をめぐる問題が相次いだ。国歌、国旗、表彰式、移動、宿泊と、トラブルは一つの分野にとどまらなかった。
批判だけでは終わらない自国開催への“反面教師”
こうした状況を受け、柳会長は「大韓体育会が抗議文を最も多く送った大会ではないかと思う」と率直に振り返った。
ただし、韓国側は今回の問題を単なる大会批判で終わらせるつもりはない。
来年には韓国・忠清道(チュンチョンド)でユニバーシアード大会が開催される。柳会長は、愛知・名古屋大会で経験した数々の運営トラブルを、自国開催へ向けた反面教師にする考えを示した。
「来年はユニバーシアード大会を控えている。今回、大韓体育会の職員が各地でこうした問題を実際に経験した。韓国の国格にふさわしい大会にするため、来年はしっかり準備しなければならないと刺激を受けた」
さらに、「選手団がそうした出来事に影響されず、堂々と競技に臨んでくれたことに感謝している。大小さまざまな運営上のトラブルはあったが、選手団内での事故や問題はなかった。大韓体育会の支援スタッフや各競技団体の支援スタッフにも感謝を伝えたい」と話した。
一方、大韓体育会側にも課題は残った。
一部競技では、メダル獲得後の選手インタビューが議論を呼んだ。特に「兵役優遇」などセンシティブな話題について、軽率と受け取られかねない発言もあった。
柳会長は「選手村では教養教育やSNSの使い方、インタビューへの対応方法など、多くの教育を行っている。それでも選手一人ひとりの突発的な発言までコントロールするのは難しい」と説明した。
続けて、「見方によっては選手それぞれの個性的な表現とも言えるが、国民感情にそぐわない表現が出ることもある。今回の議論を通じて若い選手たちも感じたことがあると思う」とした。
そのうえで、「選手村でも代表選手にふさわしい品位を備えられるような方法を模索したい。その場に合った姿勢をきちんと伝えられるよう努力していく」と強調した。
国歌や国旗といった象徴的な場面から、選手団の移動や宿泊まで、さまざまな運営上の問題が重なった今回の愛知・名古屋アジア大会。
韓国にとっては、競技成績を振り返るだけでなく、来年自国で国際大会を開催するうえで「何を改善すべきか」を具体的に確認する機会にもなったようだ。
文=慎 武宏


