韓国の映画『暗殺者(たち)』をめぐる歴史歪曲論争が、主演俳優ユ・ヘジンの自宅前での抗議デモや、広告契約の撤回要求にまで広がっている。
オンライン上では「制作会社ではなく、なぜ俳優の自宅まで押しかけるのか」といった批判が相次ぎ、むしろ反発を招く状況となっている。

10月4日、保守系団体「新自由連帯」と「ベラド」は、ソウル市内にあるユ・ヘジンの自宅とされる住宅前で、『暗殺者(たち)』の制作陣と出演俳優を糾弾する集会を開いた。
警察の非公式推計によると、参加者は約50人。参加者らは映画の上映中止と、制作陣や出演俳優による国民への謝罪を要求した。一部団体はユ・ヘジンに対し、いわゆる「右派映画」にも出演するよう求めた。
圧力は自宅前での抗議にとどまらなかった。ユ・ヘジンが広告モデルを務めるバーガーキングやキウム証券などに対し、広告契約の撤回を求める活動も続ける方針を明らかにした。
現時点で、広告主が実際に契約解除を決めたわけではない。しかし、映画への批判が俳優の自宅や広告活動、今後の出演作にまで向けられるようになったことで、論争の性格も変わりつつある。
オンライン上の反応は厳しかった。
ネットユーザーからは、「よほど暇なのか」「抗議するなら制作会社に行くべきで、なぜ俳優の家に行くのか」「映画に出演したという理由だけで自宅前まで押しかけるのはやりすぎだ」「広告まで降ろせというのは一線を越えている」といった声が上がった。特に、「なぜ制作会社ではなく俳優個人を攻撃するのか」という指摘には多くの共感が集まった。
一方で、一部からは「俳優にも作品を選んだ責任はある」という趣旨の意見も出た。
ただし、コメント全体の流れを見ると、俳優個人の私的空間や広告活動まで標的にするやり方は過剰だという見方が優勢だった。
映画界からも反発の声が上がった。映画関連団体は、作品への批判と俳優個人への攻撃は区別すべきだとして、過度な圧力を控えるよう呼びかけた。
論争は政界にも広がっている。一部の政治関係者は映画の歴史歪曲問題を指摘し批判を続ける一方、反対側からは、実際に作品を見たうえで俳優個人を攻撃するのは不当だという声も出ている。
そうしたなかでも、『暗殺者(たち)』は興行を続けている。同作は公開から11日で累計観客200万人を突破。3日時点で累計観客数は204万人を超えた。
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